趣味のお話〜太極拳とリハビリ〜
目次
【脳梗塞リハビリ】【鍼灸】
皆さん、こんにちは!
横浜市青葉区あざみ野にある脳梗塞リハビリ施設、リバイブあざみ野のHP、ブログへようこそ。
毎週土曜日のブログ記事を担当します鍼灸あんまマッサージ指圧師のTです。
土曜日のブログの記事では、皆さんにより東洋医学や鍼灸を身近に感じでもらうために、簡単な基礎知識から自分でも実践できそうなことまで、簡単にご紹介していこうと思います。
肩肘張らず気軽に読んで頂けたら嬉しいです。
【太極拳とリハビリ】
◎趣味のお話「私と太極拳」
今回の記事は鍼灸ではなく鍼灸師Tの趣味の話をしてみようかと思います。私の趣味は太極拳です。
太極拳は今、医療の現場でも効果的な健康法として注目されています。
そんな太極拳と私との出会いについて触れてみましょう。
①私と太極拳の出会い、のその前に…
みなさんは学生時代、何かサークルに入っていましたか?
私Tも大学生の頃、青春を謳歌するためにサークルに入っていました。
どんなサークルか?
中国武術(カンフー)のサークルです!
とは言っても体育会系のようなバリバリ練習するサークルではなく、マイペースに体を動かして楽しいね、というような緩い小さなサークルでした。
当時AさんというOBがいて、週末になるとサークルの指導に来てくれたり、初心者がほとんどのこのサークルにコーチしてくれる先生を紹介してくれたりしました。このAさんは学生時代に台湾へ留学して武術を学んで帰ってきたという、カンフーにハマッてしまった方でした。
僕もAさんには大変かわいがってもらい、また影響を受け、このサークルの数少ないカンフーにハマってしまった側の人間になりました。
2004年、このAさんは中国で仕事がしたい(本音は本場でカンフーを習いたい?)という、たっての希望が叶い、中国へ転勤になりました。場所は張家港、鑑真が日本に向けて出発したところです。
Aさんは張家港に着くと早速、朝早く起きて公園に出かけました。中国に行ったことがある方なら、おわかりになると思いますが、朝早くから大勢の人があちこちで運動をしています。そしてその中には武術の練習をしてる方がいるのです。健康のためにやってる人もいれば、本格的な人もいたりして、朝の公園は面白いのですが、Aさんはここで運命的な出会いをします。
ある日、Aさんがいつものように面白い武術を練習している人はいないかと公園を探検していると、ちょっと他とは違う太極拳の練習をしているグループを見つけたのです。そして指導してる人の顔、どこかで見たことがあると…
遡ること2001年に中国武術の雑誌で「忽雷架」という太極拳が特集されました。インタビューを受けていたのは河南省陳新庄お住まいの張随勝先生。
実はその張先生が陳新庄から遥々張家港まで忽雷架の指導に来ていたのでした。
もちろん中国武術の雑誌を熟読しているAさんは張先生であることに気付き、そして声をかけ、忽雷架の学習が始まったのでした。
広大な中国で奇跡的な出会いをしたAさんは日本にいるサークルの後輩である私たちに声をかけてくれて、夏休みに中国に来て太極拳を学ばないかと誘ってくれたのでした。
②私と太極拳の出会い[忽雷架編]
私が大学2年生、2004年の夏休み、サークルの有志4人で中国へ行きました。近未来的な上海から床に小さな穴が開いてるボロい小さなバスに乗り張家港へ。みんな初めての中国で、まだスマホもない時代ですから、緊張しながら行きました。何もかもが刺激的でしたが、張先生、Aさんに迎えられ、一週間の学習が始まりました。
私にとってこの学習が初めての太極拳体験となりました。
張先生は我々に、初心者や病気の方にも出来るようにと張先生が編纂された25式忽雷架を教えて下さいました。
とにかく初めての太極拳は動きが慣れず、また覚えるのが大変で、下手なりに1日中練習してました。自主練のため朝早く起きて外がまだ暗いうちに公園に向かうと、怪しいと思われたのか大勢の私服?警官に囲まれたのは良い思い出です。怖かった…
③私と太極拳の出会い[呉式太極拳編]
翌年2005年の夏休みも有志で、張家港へ行き引き続き張先生から25式忽雷架を学びに行きました。
学習中のある日、1日の練習を終え、サークルのメンバーと夕食を済ませホテルに帰る途中、近くの公園で男性2人が何かを練習しています。サークルのメンバーの1人が大学の授業で習った中国語を駆使して話しかけに行きました。
練習していた2人の男性のうち、指導していた方が言うには「これは呉式太極拳だよ」と。
呉式太極拳は上海、北京、香港、東南アジアなどに普及していて、各地域で趣きが少し異なり、この方たちが練習されていたのは「上海の呉式太極拳」ということでした。
ゆっくり動くイメージの太極拳ですが、「快架」という速く動く型を我々に見せてくれました。
「上海の呉式太極拳を練習している日本人は少ないと思うから、興味があればいつか学んでみたらどうだい?」と色々と話をしてくれて、感謝を述べてこのときはそれで別れました。
「呉式太極拳、面白そうだなぁ」
と思ったものの、私はその後、大学を卒業し、鍼灸の学校に行くようになってから、段々武術とは離れていきました。資格を取り、修行期間を経て、少し時間に余裕が出てきた頃、再び太極拳を学ぶことにしました。
ちょうど日本で暮らしていた呉式太極拳の沈剛先生が太極拳を教えて始めていたので、幸運なことにそのことを知り師事しすることができました。上記の経験もあったので、中国まで行かないで、都内で本物の呉式太極拳を学べることに縁を感じました。
◎太極拳とリハビリ
厚生労働省の人口動態調査によれば、「転倒」などによる死者の数は、いまや交通事故の2倍にもおよび、転倒予防は重要な課題となっています。
アメリカにおいても転倒予防は課題で、その解決策として注目されているのが「太極拳」だそうです。
オレゴン州の研究機関がおこなった報告によれば、ストレッチ運動に比べ、太極拳をおこなった人々の方が、1年間の転倒回数がおよそ「半分」にまで減ったそうです。
ハーバード大学でもパーキンソン病のリハビリプログラムに太極拳が取り組まれて、研究が進んでいるそうです。
ヘヴィメタルシーンのレジェンド、オジー・オズボーンは現在パーキンソン病を患っていますが、彼もまたリハビリに太極拳を取り入れようとしていることがメディアで紹介されました。
また中国の雲南中医薬大学では、椅子に座ったまま行う座位太極拳を脳血管障害の後遺症のリハビリとして実践したところ改善が認めれられたと発表しました。
太極拳が健康に多方面で良い効果があると科学的に証明されるのは大変喜ばしいことだと思います。
◎太極拳のススメ
ここで私が習っている呉式太極拳から、リハビリにも向いている型を2つご紹介したいと思います。
①呉式太極拳精簡30式
呉式太極拳には呉式太極門のトップである馬岳梁先生と呉英華先生が、初心者、体の弱い方や年配の方にも出来るようにと、まとめた精簡30式という型があります。
②両形態太極拳26式
呉式太極拳の沈剛先生が体の弱い方が座っても立っても出来るようにとまとめた型です。足腰が不自由な方はこちらをご参考にされると良いと思います。
いかがでしたか。
今回は私の趣味の太極拳を紹介してみました。
太極拳は今世界でも注目されている運動の1つです。
武術として、哲学・思想として、文化として魅力がいっぱい詰まっており、医療の立場から観ても素晴らしい健康法といえます。
興味を持って頂けたら嬉しいです。
また次回の記事をお楽しみに。再見!
【鍼灸師Tの過去の記事】
ツボのお話
ツボのお話②
ツボのお話③
ツボのお話④
鍼のお話
鍼のお話②
鍼のお話②の続き
お灸のお話
寝違えのお話
鬼哭の灸
虫のお話
虫のお話②
花粉症のお話
梅核気のお話
中風のお話
中風のお話②
【脳梗塞後遺症の改善を目指す自主トレ動画】
https://revive-reha-azamino.com/movie