【鍼灸】梅核気のお話【横浜】
目次
【脳梗塞リハビリ】【鍼灸】
皆さん、こんにちは!
横浜市青葉区あざみ野にある脳梗塞リハビリ施設、リバイブあざみ野のHP、ブログへようこそ。
毎週土曜日のブログ記事を担当します鍼灸あんまマッサージ指圧師のTです。
土曜日のブログの記事では、皆さんにより東洋医学や鍼灸を身近に感じでもらうために、簡単な基礎知識から自分でも実践できそうなことまで、簡単にご紹介していこうと思います。
肩肘張らず気軽に読んで頂けたら嬉しいです。
【梅核気】
◎桃の節句
先週3月3日は桃の節句、ひな祭りでした。みなさんのご家庭では雛人形を飾ったり、ちらし寿司やひなあられを食べて祝ったりしましたか?
私は男兄弟なので、実家ではひな祭りをすることはありませんでしたが、今家で一緒に暮らしている猫たちは四姉妹なので、私が代表して海鮮丼を食べました…
ところで節句とはなんでしょうか。
節句とは、季節の変わり目に無病息災・豊作・子孫繁栄などを願い、お供えものをしたり邪気払いを行ったりする行事のことをいいます。
日本では奈良時代に中国から伝わり、奇数が重なる日をめでたいと考えました。江戸時代に入り、幕府が5つの節句を公的な祝日としたため、今も5つの節句が私たちの生活に残っています。
その五節句とは、1月7日は人日の節句、3月3日は上巳の節句、5月5日は端午の節句、7月7日は七夕の節句、9月9日は重陽の節句です。
①1月7日 人日(じんじつ)の節句
人日というのは「人の日」のという意味で、中国では、正月の1日を鶏の日、2日を犬の日、3日を豚の日、4日を羊の日、5日を牛の日、6日を馬の日としていました。そして7日が人の日です。
それぞれその日はその動物を殺してはいけないとされたそうで、7日は罪人への刑罰は行われなかったそうです。
私たちはこの日に七草粥を食べますね。
②3月3日 上巳(じょうし)の節句
上巳というのは3月初めの「巳の日」という意味です。旧暦ではちょうど桃の花が咲く頃なので、桃の節句とも言います。こちらの方が私たちには馴染み深いでしょうか。
紙や草木で作った人形(ひとがた)に厄を移して水に流す行事と、上流階級の子どもがおままごとに使っていた「ひいな人形」が合わさり、江戸時代には今のスタイルのようなり、豪華で美しい人形を厄よけや女の子の健やかな健康を祈るために飾るものとして変化していきました。
③5月5日 端午(たんご)の節句
端午とは、月初めの「午(うま)の日」という意味です。「午」と「五」の読み方(発音)が同じため、5月5日を端午の節句としたそうです。
中国では、5月初めの午の日に薬草で疫病や病魔を祓う習わしがあり、菖蒲を煎じて飲み薬草として使われていたことから「菖蒲の節句」ともいいます。
菖蒲=尚武ということから、男の子のお祭りとされ、現代では男の子の健やかな成長を願う行事とされています。この日は柏餅やちまきを食べますね。
④7月7日 七夕(しちせき)の節句
七夕は、「しちせき」または「たなばた」といいます。七夕は、もともと日本にある「棚機」と中国から伝わった「乞巧奠(きこうでん)」が一緒になったといわれています。
短冊に願い事を書いて、竹や笹の葉に結びつける習慣は、今でも行われていますね。
⑤9月9日 重陽(ちょうよう)の節句
重陽とは、陰陽思想では奇数は「陽」の数であり、陽数の極である「9」が重なる日という意味です。
旧暦の9月9日は、菊が咲く時期でもあるため「菊の節句」とも呼ばれています。また、日本では栗の収穫の時期であったことから、「栗の節句」ともいいます。
中国では、菊の花を浮かべた酒を飲むと寿命が延びると信じられていました。それが日本にも伝わり、不老長寿を願う行事となったといわれています。
◎喉と春と肝
立春、そして先週の上巳(桃)の節句が過ぎ、徐々に日も長くなり、花も咲き始め、春が近づいてきました。
気温の寒暖差や花粉等の影響もあってか、喉が今いちすっきりしない、何か詰まったような感じがする、という患者さんが増えているように思います。
現代医学では咽喉頭異常感症、咽喉神経症、ヒステリー球などと呼ばれる症状で、『傷寒雑病論』では「咽中炙臠」(喉に詰まった熱い肉の塊)や「梅核気」(梅の種(核)が詰まった感じ)と表現しています。
この喉の異常は、ストレスや不満が発症の引き金とされており、季節の変わり目、特に春は、気温が変化し、また私生活も大きく変わる時期なので、ストレスを受けやすい時期といえます。
東洋医学では、春は「肝」の機能が亢進しやすいと言われています。「肝」には内臓と精神を円滑に保つ気の疏泄(そせつ)機能があるとしています。ストレス(怒りや不安・心配事)が続くと、この機能が失われ、気の動きが停滞します。これを肝鬱気滞と言い、梅核気の原因の1つと考えています。
◎梅核気のツボ
ここでは「行間」と「天突」「列缺」の組合せをご紹介します。
①行間
「行間」は足の親指の示指側の付け根に取ります。
肝経の榮火穴です。肝鬱の状態を散らしてくれます。
指でクリクリと揉んであげると良いでしょう。
②「天突」「列缺」
「天突」は鎖骨と鎖骨を結んだ中間のくぼみに取ります。
「列缺」は手のひら側の親指の付け根の手首のシワから指3本分に取ります。(※ツボのお話〜四総穴〜も見てみて下さい)
天突は任脈(お腹側の中心ライン)に属し、咽喉部にあります。悪いところの近くを刺激する形になります。喉の詰まりを緩めます。
列缺は肺経の絡穴で、任脈にも通じ、呼吸を楽にする効果があります。
どちらのツボもデリケートなところなので、強く押しすぎないよう、擦るように刺激しましょう。
いかがでしたか?
今回は梅核気についてお話をしてみました。
春はエネルギーが満ちる季節ですが、身体が追いつかずそれがストレスとなり、のどに違和感が生じる「梅核気」になる方も少なくないと思います。
喉の調子が気になっている方は是非ご自分でも上記のツボを試してみて下さいね。
また次回記事をお楽しみに。再見!
【鍼灸師Tの過去の記事】
ツボのお話
ツボのお話②
ツボのお話③
ツボのお話④
鍼のお話
鍼のお話②
鍼のお話②の続き
お灸のお話
寝違えのお話
鬼哭の灸
虫のお話
虫のお話②
花粉症のお話
【脳梗塞後遺症の改善を目指す自主トレ動画】
https://revive-reha-azamino.com/movie
【痛みにお困りの方はこちら】