【脳梗塞リハビリ】ツボのお話③
【脳梗塞リハビリ】
皆さん、こんにちは！
12月と1月の毎週土曜日のブログ記事を担当します鍼灸あんまマッサージ指圧師のTです。
土曜日のブログ記事では、皆さんにより東洋医学や鍼灸を身近に感じでもらうために、自分でも実践できそうなことを簡単にご紹介していこうと思います。
目次
【ツボのお話〜奇穴〜】
今回は私が臨床で使うツボの中から「奇穴」と呼ばれるツボをいくつかご紹介したいと思います。
と、その前に「奇穴」って何？
「ツボ」の分類についてお話します。
【ツボの種類】
いわゆる「ツボ」と呼ばれるものの総称を「腧穴」と言います。この腧穴は大きく3つに分類することができます。
①経穴
『十四経脈上(正経十二経脈・督脈・任脈)にあり、名称、部位が定まっている。』
「経穴」とは十四経脈に属する腧穴(ツボ)のことを指します。
経脈というのは、人体を縦の方向に走行しているラインのことで、手の表側に3本、裏側に3本、足の表側に3本、裏側に3本走っていて、これらの経脈を合わせて正経十二経脈と言い、東洋医学では、この1本1本が臓腑の1つに所属していて、臓腑と連絡しながら気血を巡らせ、経脈同士も1本の環のように繋がり、人体を循環していると考えています。また督脈と任脈は人体の正中の前後のラインを指します。
前回、前々回でお話した四総穴の４つのツボは４つとも「経穴」で、たとえば「合谷」は正経十二経脈の「陽明大腸経」の経穴になります。
※経脈(経絡)や臓腑など東洋医学の人体に関する用語、考え方はまた別の機会に詳しく説明しようと思います。
②奇穴
『十四経脈上になく名称、部位、主治症が定まっている。』
「奇穴」とは、先人が有効な治療点として発表し、その有効性が経験的に蓄積されて、今日まで受け継がれてきた腧穴(ツボ)のことです。十四経脈以外に鍼や灸をして効果のあるところを定めたもので、「経脈のライン上にあってもその経脈に属していない」、「ある疾患に対して特別な効果がある」「独特なツボの取り方をする」などの特徴があります。
③阿是穴
『名称や部位は定められていないが、病態と深く関わって出現したり、治療点となる部位である。』
前回のブログ記事「六総穴」でも述べましたが、「あぁそこそこ」というところを「阿是穴」と言います。
『千金方』『扁鵲神応鍼灸玉龍経』 といった古典には不定穴・天応穴と記載されていて、『黄帝内経 霊枢』経筋篇には「痛以輸為(痛むを以て輸と為す)」とあるように、患部の圧痛点を鍼灸治療のポイントとするのが「阿是穴」です。
【奇穴】
それでは今回私が臨床でよく使うツボの中からオススメの「奇穴」をいくつかご紹介したいと思います。
①龍眼
コロナが流行り始めて、私たちの生活が大きく変わった頃、ストレスの影響か、患者さんの中に帯状疱疹と診断され神経痛を訴える方が複数いらっしゃいました。
そんな患者さんに使った奇穴が、この「龍眼」です。
手を握り、小指の第2関節の外側で皺が出たところです。
ここに鍼をして少し血を絞ると1番効果が出るのですが、私は鍼のシール(パイオネックス)を貼ってあげました。
ご自宅では爪楊枝など皮膚に刺さらない程度の尖ったもので、息を吐きながらトントンと刺激してあげると良いでしょう。
②裏内庭
牡蠣が美味しい季節になってきました。ノロウィルスも気になりますね。
お腹を壊したときに知っておくと安心な奇穴が「裏内庭」です。
足の第2趾の腹の中心に印を付けて、折り曲げて足底につくところです。
ここに左右の足両方に熱く感じるまでたくさん灸を据えると食中毒、食あたり、腹痛、嘔吐、下痢に効果があります。
お灸がない場合は足底側と足背側を挟むように抓んで下さい。左右の足、どちらかが特に痛いことがあり、痛い方(両方痛い場合は両方)をじっと押さえてあげると良いでしょう。
③八邪・八風
手足の冷え、手指や足趾の痛みや脳梗塞後遺症の片麻痺の治療にも使うのが八邪(手)と八風(足)です。
指と指の間、水かきの部分と覚えて頂ければ良いと思います。
患者さんにはここを日頃から抓むことをオススメしています。手足が冷えやすい方はここを抓むと血流が良くなり温かくなります。また抓んで痛いところ、痛くないところを自分で把握しておくと日々の簡易健康チェックになり、風邪の引き始めなどはいつもより硬かったり痛く感じるので、丁寧に抓むと風邪が軽く済みます。
以上、私が患者さんによく使ったり教えたりする奇穴のいくつかをご紹介しました。興味を持った奇穴がありましたら、試してみて下さいね。
また次回記事をお楽しみに。再見！
【脳梗塞後遺症の改善を目指す自主トレ動画】
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