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脳梗塞リハビリ リバイブあざみ野

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【脳梗塞リハビリ】お灸のお話

2024/01/27

【脳梗塞リハビリ】

皆さん、こんにちは!

 

12月と1月の毎週土曜日のブログ記事を担当します鍼灸あんまマッサージ指圧師のTです。

 

土曜日のブログ記事では、皆さんにより東洋医学や鍼灸を身近に感じでもらうために、自分でも実践できそうなことを簡単にご紹介していこうと思います。

 

【お灸のお話】

鍼灸あんまマッサージ指圧師のTのブログもいよいよ最終回となりました。ここまで「ツボのお話」、「鍼のお話」としてきましたので、最終回は「お灸のお話」をしようと思います。

時代劇やちょっと昔の時代設定のドラマでお灸してるシーンをなんとなく見たことある!という方やドラッグストアで売ってる「せんねん灸」をやったことがある!という方、多いのではないでしょうか。

「ツボのお話」の記事では、「このツボにお灸するといいですよ」なんて書いてあったけど、どうしたらいいのかわからないという方もいらっしゃったかもしれません。

お灸を全く見たことも聞いたこともないという方にもわかるように今回はお灸の基本知識ややり方ついて簡単に説明していきたいと思います。

 

1.艾(もぐさ)について

一般的に「灸」とは、「艾」を皮膚の上に置き燃焼させ、人体の皮膚、組織に温熱刺激を与え、疾病の回復、病気の予防、健康の増進をはかる治療法です。

ではお灸に使われる艾について見ていきましょう。

①よもぎ

艾はよもぎ(蓬)の葉から作られます。

よもぎは山野に自生するキク科の多年生植物です。春に芽を出し、成長して秋に白い小さな花を咲かせます。新葉は食用に使われ、みなさんも草餅や天ぷらなどで食べたことがあるのではないでしょうか。よもぎはどこでも採れますが、生産地としては新潟県が有名です。

②艾の製法

5〜8月頃によもぎを採集し、葉のみを3、4日間乾燥させ含水率を1〜2%以下にします。それを石臼でひいて、篩(ふるい)にかけ、唐箕(とうみ)で細かな不純物を取り除くと、良質な「艾」ができます。

③成分

「艾」は主によもぎの葉の裏面にある毛茸(もうじょう)と腺毛(せんもう)からできています。

a.毛茸

毛茸はキク科植物などの葉に密生する白い毛のことで、よもぎの毛茸はT字形したものが多いです。

b.腺毛

腺毛には揮発性の精油が含まれています。精油の主成分はチネオールで、燃焼により艾独特の芳香を発します。

④艾の鑑別

一般的に、皮膚の上に直接お灸を据える場合、良質な艾を使う方がよく、間接的に体へ熱を加える場合は熱の強い粗悪な艾を使うことが多いです。

以下が良質な艾と粗悪な艾の特徴です。

 

◎良質な艾の特徴…芳香、手触りが良い、淡黄白色、繊維が細かい、不純物が少ない、煙と灰が少ない、熱感が優しい

◎粗悪な艾の特徴…青臭、手触りが悪い、黒褐色、繊維が粗い、不純物が多い、煙と灰が多い、熱感が強い

少しわかりにくいですが、左の艾の方がきめ細やかで、右の艾の方がやや黒っぽく少しザラザラしています。

2.お灸の種類

お灸は大きく分類すると、皮膚にしっかり熱を通して痕が残る「有痕灸」と皮膚に痕を残さない「無痕灸」の2つに分けることができます。

A.有痕灸

①透熱灸

透熱灸は普通灸と言われる、一般的なお灸のことです。熱を通すことを目的とする有痕灸で、経穴、圧痛点、神経、血管に据えます。

②焦灼灸

焦灼灸はお灸する場所を焦灼破壊することを目的とするお灸です。わかりやすい例として、イボや魚の目などに据えて、壊死、焼却させます。他には皮膚の腫れ物、動物や虫などの咬刺による傷口、打撲などの局所に据えるお灸も焦灼灸になります。

③打膿灸

打膿灸はお灸を据えて、灸痕の化膿を促し、排膿(打膿)させることを目的とするお灸です。ここまでのお灸は普通の臨床ではやりませんが、都内では「四つ木の灸」が有名です。

 

B.無痕灸

①知熱灸

知熱灸は指先くらいの大きさの艾を皮膚表面に直接置いて据えるのですが、患者さんが温かいと熱を感じたら、すぐに取り除くお灸です。このやり方だと皮膚が火傷することはありません。

②隔物灸

隔物灸は皮膚の上に生姜やニンニクなどの切片やすり潰して泥状にしたものを乗せ、その上からお灸を据えるやり方です。

③温灸

温灸は艾を患部から距離をおいて燃焼させ、輻射熱で温熱刺激を与えるものです。

いくつか種類がありますが、代表的なものに棒灸があります。棒灸は艾をタバコのように紙で巻いたものの一端に点火して、皮膚に近づけたり、離したりして直接皮膚に接触させず、かざしながら温めるお灸です。

またせんねん灸も温灸といえます。

④艾を使わない灸(薬物灸)

艾を全く使わない「灸」と称するものがあります。

漆灸、水灸、墨灸、紅灸などがそれで、薬物を調合し、皮膚に点けたり、塗布したり、その上から施灸したりします。

 

2.お灸のやり方

透熱灸をやってみましょう。

練習のため用意するものは

・艾

・線香(私は青雲を愛用してます)

・ライター

・灰皿

・ティッシュ

・ティッシュの下に敷く金属の台

実際に艾をひねってティシュの上に置き点火するまでをまず見てみましょう。

どうですか?みなさんのイメージした「お灸」と同じでしたか?

上の絵のようなイメージをされた方もいらっしゃるかもしれません。この絵は知熱灸というやり方です。

一般的に透熱灸というのは艾の大きさを米粒大(5㎜くらい)から半米粒大(3㎜くらい)くらいの大きさで調整します。

艾は柔らかくひねると心地よい熱さに、硬くひねると熱くなります。先ほどのお灸の動画、2壮やってみましたが、左側は柔らかく、右側は硬くひねり点火しました。ティッシュの痕を確認してみます。

ちょっとわかりにくいかもしれませんが、先ほどお灸したティッシュの上の一枚をはがしてみると、左側は上だけ燃えて下は燃えてませんが、右側は下のティッシュも燃えて穴が開いてます。このように艾の品質、大きさ以外に、ひねった艾の硬さによっても熱の強さを加減することができます。

 

また患者さんが感じてる熱感を緩和するやり方として、もぐさが燃えてるときに皮膚を引っ張ると熱く感じにくくなります(ただしお灸の温度が変わっているわけではないので熱は通ります)

施術者が熱をコントロールするやり方もあります。親指と示指で艾を挟み燃えきる前に消してしまうやり方です。

 

お灸を終えたら燃えた艾を取り除き、線香の火を消しましょう。

 

3.お灸のツボ

興味を持って頂けたら、ツボに据えてみましょう。

以前のブログ記事「ツボのお話」シリーズで出てきた足のツボは割りと自分でもお灸を据えやすいと思います。

例:足三里、失眠、裏内庭、女膝

また、あまり知られてませんが、魚の目にお灸は効果があるので、お悩みの方にはオススメです。熱さを感じるまでたくさん据えるのがコツです。

 

4.おまけ『強情灸』

古典落語に『強情灸』というお話があり、お話の中に「峯の灸」という実在のお灸が出てきます。今も受け継がれており、私も受けてみました。興味のある方はぜひ落語を聞いて、お灸も体験してみたら面白いと思います。

 

いかがでしょうか。お灸というのは誰にでも出来て、自分や家族の健康管理や病気の治療に役立つ面白い治療法です。

ちょっとでも興味を持って頂けたら、せんねん灸でもいいので、お灸をしてみて下さい。みなさんの健康に役立てて頂けたら嬉しいです。

これまでブログを読んで頂きありがとうございました。

興味が湧いてきたら、お近くの鍼灸院でも良いと思います。ぜひ鍼灸を体験してみて下さいね。もちろんTに会いに来ても良いですよ(笑)

またいつかお会いする日まで。再見!

 

 

【脳梗塞後遺症の改善を目指す自主トレ動画】

https://revive-reha-azamino.com/movie

 

【痛みにお困りの方はこちら】

https://kaiseikei.com/