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脳梗塞リハビリ リバイブあざみ野

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小脳梗塞で残る後遺症とは|リハビリで改善が期待できる症状6選

2025/07/29

✨はじめに

「小脳梗塞」と聞いて、「脳梗塞の一種なんだろうな…」と思っても、
「どう違うの?」「命に関わる?」「後遺症は残る?」といった不安を抱える方は多いです。

特に、小脳は“運動の調整”を担う場所。
そのため、小脳梗塞を起こすと手足がふらつく、まっすぐ歩けない、めまいが続くといった、日常生活に密接な後遺症が出やすいのが特徴です。

この記事では、小脳梗塞で起こりうる代表的な後遺症6つを、わかりやすく解説していきます。
あわせて、改善の見込みやリハビリのポイントにも触れていきますので、ご本人やご家族にとって役立つ情報が詰まっています。


✅ 小脳梗塞とは?症状の特徴と見逃されやすさ

「小脳梗塞ってなに?」「脳梗塞とはどう違うの?」と感じる方も多いですよね。
まずは、小脳梗塞がどういうものか、その基本から押さえていきましょう。

💡 小脳ってどんな役割?倒れても意識があることも

小脳は、後頭部の下側にある小さな脳で、主に次のような役割を担っています:

  • 体のバランスをとる

  • 手足の動きをなめらかにする

  • 姿勢を調整する

つまり、**小脳は「運動の調律師」**のような存在なんです。
ここが脳梗塞によってダメージを受けると、動きのぎこちなさ、ふらつき、めまいといった症状が現れやすくなります。

また、小脳梗塞は大脳と比べて意識障害が出にくいため、発見が遅れることも。
「なんだかふらつく」「ちょっと目まいかな」程度にしか感じないケースも少なくありません。

💡 小脳梗塞の発症サインは「歩きにくさ」と「めまい」

大きな特徴は、手足のマヒが目立たないのに、歩きにくい・まっすぐ立てないといった症状が出ることです。

主なサインはこんな感じです:

  • ふらふらして歩けない

  • 物にぶつかるようになった

  • 手足の動きがぎこちない

  • じっとしていてもクラクラする

こうした症状が突然現れたら、「小脳梗塞かも」と疑うことが大切です。
早期発見・早期治療によって、後遺症のリスクを最小限に抑えられる可能性が高くなります。


👩‍⚕️ 医療者からの一言

「小脳梗塞=軽い」と思われがちですが、重度になると命に関わることもあります。
特に小脳は脳幹に近く、脳全体の腫れを引き起こすリスクもあるため、油断は禁物です。

🧠 小脳梗塞で起こりやすい後遺症6選

小脳梗塞の後遺症は、主に“運動の調整”や“バランス”に関わる障害が中心です。
ここでは、よく見られる6つの症状をわかりやすく紹介します。


① 体のふらつき・バランス障害

最も典型的な後遺症です。
立っているときにふらつく歩こうとするとまっすぐ進めないといった状態が見られます。

これは、小脳がバランスをコントロールしているためで、歩行や立位保持に大きな支障をきたします。
転倒リスクが高くなるため、介助や歩行補助具が必要になることもあります。


② 四肢の協調運動障害(失調)

たとえば…

  • 物をつかもうとしても手が震える

  • ペンを使おうとしても細かい動きができない

このような「協調運動の障害(運動失調)」も小脳梗塞の代表的な後遺症です。

見た目には筋力が保たれているのに不器用になるのが特徴で、日常動作(食事、着替え、字を書くなど)が困難になる場合があります。


③ 構音障害(ろれつが回らない)

小脳は、口や喉の筋肉の動きにも影響を与えます。
そのため、小脳梗塞の後には以下のような構音障害が起こることがあります。

  • 言葉が不明瞭になる(ろれつが回らない)

  • しゃべるテンポが乱れる

  • 声がふるえるようになる

軽症であれば周囲も気づきにくいですが、会話や意思疎通に支障をきたすこともあるため注意が必要です。


④ 嚥下障害(飲み込みにくさ)

小脳梗塞では、食べ物や水分が飲み込みにくくなることもあります。
これは嚥下に関わる筋肉の協調運動が崩れるためで、重症になると誤嚥性肺炎のリスクも高まります。

  • 飲み込むときにムセる

  • 食後に声がガラガラする

  • 食事に時間がかかる

といったサインがあれば、専門的な評価とリハビリが必要です。


⑤ めまい・目の揺れ(眼振)

小脳の障害では、回転性のめまいや**眼振(目が勝手に揺れる)**が起きることもあります。

  • 視界がグルグル回る

  • 目の焦点が合わない

  • 動いていないのにふらふらする

といった状態が続く場合は、日常生活や運転に支障をきたすため、作業療法や視覚リハビリが行われることがあります。


⑥ 精神面への影響(感情の不安定さ)

意外に見落とされがちですが、小脳梗塞では感情のコントロールや集中力の低下といった精神的な影響もあります。

  • 突然涙が出る(情動失禁)

  • イライラしやすくなる

  • 集中が続かない、忘れっぽい

小脳は認知や感情にも関係していることが分かっており、**「小脳性認知感情症候群」**とも呼ばれることがあります。


💡 後遺症はすべて治る?リハビリで改善する?

小脳梗塞の後遺症は、適切な時期にリハビリを始めることで、改善が期待できるものも少なくありません。

特に以下の点が重要です:

  • 急性期から早めのリハビリ開始(できれば発症48時間以内)

  • 運動だけでなく言語・嚥下・認知面もカバーした多面的なリハビリ

  • 自宅復帰を見すえた生活リハビリの導入

患者さん一人ひとりに合わせたリハビリ計画が、回復の鍵を握っています。

🏃‍♂️ 小脳梗塞の後遺症を改善するためのリハビリ法とは?

小脳梗塞による後遺症は「筋力の低下」ではなく、動きの滑らかさやバランスを調整する力の低下が中心です。
このため、リハビリも**“正しく動かす訓練”**がメインになります。


① バランス訓練(座位・立位・歩行)

バランス感覚の回復には、繰り返しの姿勢練習が効果的です。

例:

  • 座った状態での体重移動(左右・前後)

  • 平行棒を使った立位練習

  • セラピストと一緒に安全に歩行訓練

これらを段階的に行うことで、ふらつきを減らし、安定した動作を取り戻すことが期待されます。


② 協調運動訓練(四肢の動きのコントロール)

腕や手の細かな動きがぎこちない場合には、ターゲットに向かって正確に動かす練習が有効です。

例:

  • 指鼻試験(指で鼻とセラピストの指を交互に触れる)

  • ペグボードなどの手先の練習

  • スプーンでボールを運ぶゲーム

これらの訓練で、動作のブレやタイミングのズレを修正する感覚を養っていきます。


③ 発声・嚥下リハビリ

ろれつが回らない、飲み込みにくいといった症状には、言語聴覚士によるリハビリが中心となります。

主な内容:

  • 発声練習(息をしっかり使って話す)

  • 舌や口の運動トレーニング

  • 飲み込みやすい姿勢の指導

早期に取り組むことで、誤嚥予防や会話力の維持につながります。


④ めまいや眼振への対応

視覚・前庭系の問題には、ビジュアルトレーニング頭部の位置変換訓練が行われます。

  • 頭を動かして視線を合わせる練習

  • ゆっくりと目標物を追う練習

  • 目と頭を連動させたリズム練習

これにより、めまいの軽減や視線の安定化が期待されます。


⑤ 心のケア・認知リハビリも忘れずに

感情の起伏や集中力の低下には、作業療法や心理的支援が重要です。

  • 簡単な計算や記憶ゲームで脳を刺激する

  • 作業活動(料理や手芸など)を通じて達成感を得る

  • カウンセリングや家族支援を活用する

身体だけでなく心のリハビリも含めて、全体的な生活の質(QOL)向上を目指します。


👪 ご家族ができるサポートとは?

小脳梗塞のリハビリでは、ご家族の理解と支援が大きな支えになります。
以下のポイントを意識してみましょう。

  • 転倒しにくい環境作り(手すり設置・段差解消など)

  • 自主リハビリへの声かけ・見守り

  • 必要に応じた通院・介護サービスの利用

また、**「無理をさせない」「できたことを一緒に喜ぶ」**姿勢が、本人のモチベーションにもつながります。


✅ まとめ|小脳梗塞の後遺症は「工夫次第で改善が期待できる」

小脳梗塞の後遺症は、歩行のふらつきや手足のぎこちなさ、話しにくさなど、日常生活に大きく影響します。
しかし、早期リハビリと家族の支援によって改善が見込めるケースも多いのが特徴です。

一人で悩まず、医療・リハビリ・介護の専門家と連携しながら、
その人らしい生活を取り戻していくことが何より大切です。