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軽い脳梗塞って大丈夫?油断できない症状と適切な対応方法

2025/07/04

軽い脳梗塞って大丈夫?油断できない症状と適切な対応方法

「ちょっと手がしびれただけだから、きっと大丈夫」
「一時的にろれつが回らなかったけど、すぐ治ったし病院には行っていない」

そんなふうに思っていませんか?でも実は、それが**軽い脳梗塞(いわゆるTIA:一過性脳虚血発作)**だった可能性もあるのです。

見た目にはすぐに元に戻ってしまうため軽く考えがちですが、放っておくと本格的な脳梗塞につながる危険信号であることも。

この記事では、「軽い脳梗塞ってなに?」「どう対応すればいいの?」という疑問に、わかりやすく丁寧にお答えしていきます。もし今、ご自身やご家族に心当たりがあるなら、ぜひ最後まで読んでみてくださいね。


軽い脳梗塞とは?一過性でも見逃せない危険なサイン

「軽い脳梗塞」とは、一般的には症状が一時的に出てすぐに回復するタイプの脳の血流障害を指します。正式には「一過性脳虚血発作(TIA)」と呼ばれ、症状は数分から数時間でおさまるのが特徴です。

一時的な症状でも脳の血流は止まっている

TIAは「一過性」と名前にあるとおり、一時的に脳の血管が詰まり、血流が滞る状態です。脳への酸素や栄養が一時的に届かなくなることで、以下のような症状が突然あらわれることがあります。

  • 顔の片側がゆがむ、またはしびれる

  • 手足の力が抜けて動かしにくくなる

  • 話そうとしても言葉が出ない、ろれつが回らない

  • 目が見えにくくなる、視野が狭くなる

これらの症状が10分〜1時間ほどでおさまり、「何だったんだろう?」と思うくらい回復することもあります。ですが、脳の一部では一時的に血の流れが止まっていたという事実は変わりません。

「軽い症状だから問題ない」というわけではなく、脳のSOSサインと受け止める必要があるんです。

TIAが警告している「本物の脳梗塞」のリスク

もっとも重要なのは、TIAを経験した人の10〜20%が、その後90日以内に本格的な脳梗塞を発症するというデータがあること。

しかも、そのうち半数近くは最初の発作から48時間以内に脳梗塞が起きているという報告もあります。

つまり、軽い脳梗塞のような症状が出たら、「とりあえず様子を見る」のではなく、すぐに医療機関で診てもらうことが非常に重要なのです。

軽い脳梗塞(TIA)はどう診断される?検査の流れとポイント

「症状が治まったからもう大丈夫」と思っていても、脳梗塞かどうかを自分で判断するのはとても危険です。
ここでは、軽い脳梗塞(TIA)を見逃さないための検査の流れについて解説します。

症状が消えても脳の精密検査が必要

TIAの症状は時間が経てばおさまってしまうため、受診のタイミングでは「もう普通に話せるし動ける」ということもあります。しかし、それでも脳の血流に異常があった可能性は残るため、しっかりとした検査が必要になります。

主な検査には以下のようなものがあります。

  • MRI検査(特にDWI:拡散強調画像)
     → ごく短時間の虚血でも脳のダメージを可視化できます。

  • MRA(磁気共鳴血管撮影)や頸動脈エコー
     → 血管の狭窄や詰まりを確認します。

  • 心電図や心エコー
     → 心臓に血栓の原因がないかチェックします。

また、血液検査で血糖値やコレステロール、凝固系の異常がないかも調べられることが多いです。

症状が軽くても、「一時的な脳梗塞のサインだったかもしれない」という前提で精密検査を受けることが大切なんですね。

医師は「ABCD²スコア」でリスクを見極めることも

TIAを評価する際に使われる指標のひとつに、「ABCD²(エービーシーディースクエア)スコア」があります。これは、以下の要素を点数化し、脳梗塞発症のリスクを見積もる方法です。

  • Age(年齢)

  • Blood Pressure(初期血圧)

  • Clinical Features(症状の種類)

  • Duration(症状の持続時間)

  • Diabetes(糖尿病の有無)

点数が高いほど、短期間での脳梗塞リスクが高いとされ、その後の治療方針や入院の必要性を判断する材料になります


軽い脳梗塞の治療法は?再発を防ぐカギは「今」からの行動

では、もし「軽い脳梗塞だったかもしれない」と診断された場合、どのような治療が行われるのでしょうか?
そして、本格的な脳梗塞を防ぐには、どんなことを意識すればよいのでしょうか。

急性期は再発予防のゴールデンタイム

TIAの症状が出た直後〜数日以内は、**「再発を防ぐための非常に重要な時間」**です。特に48時間以内は、脳梗塞のリスクが最も高いため、以下のような対策が講じられます。

  • 抗血小板薬(アスピリンなど)の投与
     → 血小板の働きを抑え、血栓をできにくくします。

  • 必要に応じて入院による経過観察と検査
     → 特に再発リスクが高いと判断された場合は入院管理されることもあります。

また、**高血圧・糖尿病・不整脈(特に心房細動)**など、脳梗塞の背景にある病気の有無を調べて、その治療を同時に始めるケースも多いです。

「軽くて済んでよかった」で終わらせず、今こそ治療と予防を始めるチャンスと捉えることが大切なんです。

日常生活でできる再発予防の工夫

 

TIAのあとにできる再発予防は、薬だけではありません。
生活の中で気をつけることで、脳梗塞のリスクを大きく減らせます。

たとえば:

  • 塩分を控える(1日6g未満が目安)

  • 禁煙・節酒を心がける

  • バランスのよい食事と適度な運動

  • 水分をしっかりとる(脱水は血栓の原因になります)

  • 血圧や血糖値を定期的に測る

「症状が軽かったからこそ、自分でできることがたくさんある」
それが、軽い脳梗塞を経験した方への大きなメッセージです。

こんなときはすぐに受診を!軽い脳梗塞の見逃せないサイン

「一時的だったし、もう元に戻ってるから様子を見ようかな」
そんなふうに思ってしまう気持ちもわかります。でも、脳梗塞は“時間との勝負”の病気です。軽い症状でも、見逃さないことが命を守るカギになります。

受診の目安は“FAST”

脳梗塞の初期サインを簡単にチェックできる方法として、「FAST」という覚え方があります。

  • F(Face):顔がゆがんでいないか? 片方だけ笑えない?

  • A(Arm):片腕をあげたときに力が入らない?

  • S(Speech):言葉がもつれる、聞き取りにくい?

  • T(Time):少しでも異常があればすぐ受診!

このチェックポイントは、一時的に現れる「軽い脳梗塞」の発見にも非常に有効です。
症状がその場でおさまったとしても、「何かおかしい」と感じたら、迷わず医療機関を受診してください。

家族やまわりの人が気づくことも多い

本人が「大丈夫」と思っていても、実際には顔のゆがみやろれつの乱れに気づくのは家族や周囲の人であることも少なくありません。

とくに高齢の方や持病のある方の場合、「ちょっと変だな?」と思ったら早めに声をかけたり、受診をすすめたりすることがとても大切です。

一瞬の異変が、脳からの重要なサインかもしれません。
まわりの目も、本人の命を守る大切な手助けになるのです。


まとめ:軽い脳梗塞を「軽く見ない」ことが未来を守る

軽い症状だからといって油断してしまうと、それが本格的な脳梗塞の入り口になってしまう可能性があります。

  • 短時間でも片側の手足のしびれやろれつの乱れがあれば要注意

  • 症状が消えても、すぐに病院で検査・相談を

  • 早期発見・早期対応で再発を防ぐことが可能

  • TIAは**“脳の警告”**。見逃さないで!

「大ごとになる前に気づけてよかった」
そう思える未来のために、軽い脳梗塞こそ、しっかり向き合うことが大切です。

「なんとなく不安」――その気持ち、ぜひ大切にしてくださいね。