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脳梗塞リハビリ リバイブあざみ野

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脳梗塞といびきの意外な関係とは? ―放置してはいけないサインを見逃さないために―

2025/06/20

脳梗塞といびきの意外な関係とは? ―放置してはいけないサインを見逃さないために―


「たかがいびき」と思っていませんか?実は脳梗塞のリスクサインかも

「最近、いびきがひどいって家族に言われた」
「夜中に息が止まってるような気がする」
そんな経験、ありませんか?

実は、ただの「うるさいいびき」と見過ごしてしまいがちなその症状、脳梗塞と関係している可能性があるんです。

ちょっと驚かれるかもしれませんが、睡眠中の呼吸トラブル――特に「睡眠時無呼吸症候群(SAS)」と呼ばれる状態は、脳の血管に大きな負担をかけ、やがて脳梗塞のリスクを高めるといわれています。

「でも、いびきくらいで脳の病気になるの?」と、半信半疑な方も多いかもしれません。
そこで今回は、「いびきと脳梗塞のつながり」について、やさしくわかりやすく解説していきます。


睡眠時無呼吸症候群(SAS)とは?いびきとの違い

いびきは誰でもかくことがありますが、問題になるのは「息が止まってしまうタイプのいびき」。
これが、医学的には「睡眠時無呼吸症候群(SAS)」と呼ばれています。

SASとは、寝ている間に呼吸が何度も止まったり浅くなったりする病気で、本人は気づきにくいのが特徴です。

主な症状は…

  • 寝ている間にいびきが大きくなる

  • 途中で「ガッ」と息を吸い込むような音がする

  • 昼間に強い眠気を感じる

  • 朝起きたときに頭痛がある

といったものがあり、「しっかり寝たはずなのに疲れが取れない」という方は要注意です。

そしてこの状態が続くと、血中の酸素濃度が下がり、血管や脳へのダメージが蓄積していきます。


SASがなぜ脳梗塞につながるのか?医学的な視点から

呼吸が止まる → 酸素が不足する → 血圧が急上昇する → 脳血管にダメージ
…という流れが、睡眠中に何度も繰り返されるとどうなるでしょうか?

血管がダメージを受け続けると、やがて脳の血管が詰まってしまう=脳梗塞のリスクが高まります。
特に、夜間に無呼吸を繰り返す方は、健常者の約3〜4倍も脳梗塞になりやすいというデータもあるほどです。

また、SASは高血圧や糖尿病、肥満といった生活習慣病とも深く関わっているため、これらの病気がある方はさらに注意が必要です。

「まさか、寝ている間のいびきが脳梗塞の引き金になるなんて…」
そう感じた方も多いかもしれません。でも、知っておくだけで防げることもあるんです。

どんな人が「いびき→脳梗塞」リスクが高いの?

すべてのいびきが危険なわけではありません。
ただし、以下のような方は特に注意が必要です。

年齢・性別・体型によってリスクが変わる

まず、中高年以降の男性は、いびきやSASの発症率が高めです。
これは、加齢により喉の筋肉がゆるみやすくなることや、ホルモンバランスの違いが関係しています。

また、肥満傾向のある方も要注意。首まわりや舌のまわりに脂肪がつくと、気道が狭くなりやすくなります。
気道が狭くなるほど、呼吸はしづらくなり、無呼吸状態を引き起こしやすくなるのです。

女性でも、閉経後はリスクが上がるとされています。女性ホルモンには気道を広げる働きがあるため、ホルモンの分泌が減ることでSASの発症リスクが高まるんですね。

生活習慣や持病も関係あり

さらに、

  • 飲酒の習慣がある

  • 喫煙している

  • 高血圧や糖尿病がある

  • 慢性的な鼻づまりがある

といった方も、いびきやSASを悪化させる要因を持っています。

特に、高血圧+いびきという組み合わせは、かなり危険信号。
気になる方は、早めに専門医へ相談してみるのがおすすめです。


どうすれば防げる?脳梗塞を遠ざけるための対策

いびきを「うるさい音」ではなく「身体からのサイン」ととらえることが大切です。
ここでは、脳梗塞のリスクを下げるためにできる具体的な対策をご紹介します。

まずは睡眠の質を見直してみよう

睡眠時無呼吸の予防には、良質な睡眠環境を整えることが欠かせません。

  • 横向きで寝るようにする(仰向けより気道が開きやすい)

  • 枕の高さを調整する(高すぎても低すぎてもNG)

  • 部屋の湿度や温度を快適に保つ

などのちょっとした工夫でも、いびきを軽減できることがあります。

また、規則正しい生活リズム適度な運動も大切です。
睡眠時間がバラバラだったり、夜ふかしが多かったりすると、自律神経が乱れて呼吸のリズムにも影響してしまいます。

専門医による検査・治療も選択肢に

もし「いびきが毎晩ひどい」「日中の眠気がつらい」といった悩みがあるなら、睡眠専門外来耳鼻科などでの検査がおすすめです。

具体的には、

  • 簡易検査(自宅でできる装置を使った睡眠チェック)

  • 終夜ポリソムノグラフィー(1泊入院して詳しく測定)

などで、SASかどうかを調べることができます。

治療方法としては、
気道を広げて呼吸を助ける「CPAP(シーパップ)」という装置を使った治療が主流です。
これは、寝ている間に鼻から空気を送り込むことで無呼吸を防ぐ方法で、脳梗塞などの合併症リスクを大きく減らすとされています。

眠っている間のことって、自分ではなかなか気づけませんよね。
でも、「いびきが続いてるかも」と思ったら、それは体からの小さなSOSかもしれません。

今日からできる!脳梗塞を防ぐためのいびき対策

「いびき=脳梗塞のリスク」と聞くと不安になりますよね。
でも、安心してください。生活習慣を見直すことで、予防できる可能性は十分にあります。

体重コントロールは最優先ポイント

肥満といびきの関係は非常に深く、体重が増えると喉まわりの脂肪が増え、気道が狭まりやすくなります。
特にお腹まわりに脂肪がついている「内臓脂肪型肥満」は、呼吸機能にも悪影響を与えるんです。

「いきなり痩せろなんて無理…」という方もご安心を。
3〜5%の体重減少でもいびきが軽くなるという報告もあります。
まずは階段を使う、間食を減らすなど、小さな一歩から始めてみましょう。

アルコールと喫煙は控えめに

アルコールは筋肉をゆるめる作用があるため、寝る前に飲むと気道がより狭くなってしまいます。
「寝酒でぐっすり眠れる」と思っていても、実は呼吸が浅くなっていびきを悪化させているケースが多いんです。

喫煙も、喉や鼻の粘膜を刺激して炎症を起こしやすくし、結果的にいびきを増やす要因に。
完全にやめるのが難しくても、本数を減らすだけでも効果ありです。

「あれ?」と感じたら、早めに受診を

ここまで読んで「もしかして自分も当てはまるかも…」と感じた方、
まずは身近な耳鼻科や内科、あるいは睡眠外来を探して相談してみるのがおすすめです。

最近では、スマートウォッチやスマホアプリでいびきや睡眠の質を記録できるものも増えています。
気軽なセルフチェックとして使ってみるのも良いですね。


まとめ:いびきを甘く見ずに、脳梗塞の予防を意識しよう

最後に、この記事のポイントをおさらいしておきましょう。

  • いびき、特に睡眠時無呼吸症候群(SAS)は脳梗塞のリスクを高める

  • 中高年・男性・肥満・生活習慣病を持つ人は特に要注意

  • 良質な睡眠、体重管理、飲酒・喫煙の見直しが大切

  • 不安がある人は医療機関での検査や治療も視野に

「いびきは自分の癖」と思っている方も多いかもしれませんが、それが体の異常のサインだった――ということも珍しくありません。

「たかがいびき」と放置せず、「されどいびき」と向き合うことで、将来の健康や命を守ることにもつながります

大切なのは、「気づいた今」から動き始めること。
あなた自身やご家族のためにも、できることから少しずつ始めてみませんか?