【気づきにくい?】パーキンソン病の症状とは|初期のサインと進行の特徴をやさしく解説
目次
「年のせいかな?」と見過ごされやすい体の変化、ありませんか?
なんとなく動きがぎこちない、手が震える、歩幅が小さくなってきた――。
そんな変化を、「年齢のせい」と思っていませんか?
もしかするとそれ、パーキンソン病の初期症状かもしれません。
パーキンソン病は、ゆっくり進行する神経の病気で、早期発見と適切な対応がとても大切です。
でも、症状がじわじわと現れるため、「なんとなく体が動きにくいなあ」と感じても、病気とは思わずに過ごしてしまう方が少なくありません。
この記事では、「これってパーキンソン病の症状なの?」「見分け方はあるの?」と不安を感じている方に向けて、初期症状の特徴や見逃しやすいサイン、進行のしかたまでやさしくお伝えします。
気になることがあれば、この記事をきっかけに、まずは一歩ふみ出してみてくださいね。
パーキンソン病とは?ゆっくり進む“体の動きの病気”
脳の中の“ドーパミン”が減っていく病気です
パーキンソン病は、脳の奥深くにある「黒質(こくしつ)」という部分がうまく働かなくなって、神経伝達物質のひとつであるドーパミンが減っていく病気です。
ドーパミンは、体をなめらかに動かすために必要な物質で、これが不足すると動作が遅くなったり、手足が震えたり、バランスをとるのが難しくなったりします。
「手足の問題なのに、脳の病気なの?」と驚かれるかもしれませんね。
でも実は、手足をスムーズに動かすには、脳の指令がとても重要。その司令塔がうまく働かなくなることが、さまざまな体の不調につながっていくんです。
パーキンソン病は、厚生労働省の定める「指定難病」にも含まれていますが、薬やリハビリで症状をコントロールすることは十分に可能です。
中高年に多いけれど、誰にでも起こり得る病気です
発症のピークは60代〜70代といわれていますが、40代や50代で症状が出始めることもあります。
また、日本ではおよそ10万人に100~150人ほどが発症すると言われており、決して珍しい病気ではありません。
原因はまだ完全には解明されていませんが、以下のような要因が関係していると考えられています:
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加齢(年齢を重ねることで脳の神経が少しずつ減少)
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遺伝的な影響(まれですが家族性のものも)
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環境因子(農薬などが関与している可能性も)
どんな方でもかかる可能性があるからこそ、「ちょっと変かも」と思ったときに行動できるかが、とても大切なんです。
パーキンソン病の主な症状とは?こんな動きの変化に注意
ふるえ・動きの遅さ・こわばりが3大特徴です
パーキンソン病の症状はさまざまありますが、特に多くの人に現れるのが次の3つです:
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手足のふるえ(振戦しんせん)
じっとしているときに、手や指が勝手に震えることがあります。緊張したときや安静時に目立ちやすいのが特徴で、「細かい作業がしづらい」「箸を使うのが難しくなってきた」といった日常の困りごとにつながることも。 -
動作の遅さ(無動・寡動)
立ち上がるのに時間がかかる、歩き出すのにモタつく、表情が乏しくなる……。こうした「体の動きの全体的な遅れ」は、ドーパミン不足が原因で起こるものです。本人は「動いているつもり」でも、周囲には「のろのろしている」と見えることもあります。 -
筋肉のこわばり(固縮こしゅく)
手足や関節がスムーズに動かなくなり、まるでゴムが引っかかっているような感覚になることがあります。肩こりや腰のこわばりとして感じる方も多く、「加齢や疲労のせいかな」と見過ごされがちです。
このような症状がゆっくりと進行していくのが、パーキンソン病の特徴。
「ちょっと動きにくいだけだから…」と様子を見てしまう方も多いのですが、早い段階で気づいて対応することで、その後の生活のしやすさが大きく変わってきます。
歩き方や姿勢にもサインが現れることがあります
「なんだか歩き方が変わってきた気がする…」
これもパーキンソン病の“はじまり”を示すことがあります。
たとえば、
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歩幅が狭くなってきた
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足を引きずるような歩き方になる
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歩いているうちに前のめりになって止まれなくなる(すくみ足)
こうした歩行の変化は、筋肉のこわばりや動きの遅さ、バランスの取りづらさが複合的に関係しているもの。
また、転倒しやすくなるのも、進行のサインとしてよく見られます。
姿勢も変わりやすく、前かがみの猫背になったり、腕の振りが左右でアンバランスになったりすることもあります。
「気がついたら、だんだんと背中が丸くなってきた」
そんなときは、年齢のせいだけにせず、一度医療機関で相談してみるのも安心につながりますよ。
実はこんな症状も?パーキンソン病の「意外なサイン」
動き以外の変化にも目を向けてみてください
パーキンソン病というと「手足のふるえ」「歩きにくさ」といった運動面の症状がよく知られていますが、実は体の“動き”以外にも初期から現れる変化があります。
たとえば、こんな症状はありませんか?
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便秘が続いている
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においを感じにくくなった
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声が小さくなったと周りに言われる
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眠りが浅く、夜中に動き回ることがある
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表情が乏しくなった(感情がないように見える)
これらは、パーキンソン病による自律神経や感覚機能への影響によって現れることがあり、特に便秘や嗅覚の低下は運動症状よりも先に出てくることもあるとされています。
「ただの加齢だと思っていた」「更年期のせいかと思っていた」――
そんな日常の不調が、実はパーキンソン病の始まりだった…というケースも珍しくないんです。
何かひとつではなく、いくつかの変化が重なるように起こっているときは、一度専門医に相談してみると安心ですよ。
周囲の人が気づくことも多いんです
本人よりも、家族や職場の人が先に変化に気づくこともあります。
たとえば、
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「最近、声が小さくて聞き取りにくくなった」
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「表情がいつも同じで、ちょっと元気がなさそう」
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「字が小さくなって、書きづらそうにしている」
こうした変化は、自分では意外と気づきにくいもの。
でも、**「なんとなくいつもと違う」**という小さな違和感が、早期発見のヒントになることがあります。
ご本人も、ご家族も、「気のせいかな?」と思わずに、早めに神経内科などの専門医に相談することが、最善の対策になります。
早期発見・早期対応で、その後の生活が大きく変わります
パーキンソン病と診断されても、できることはたくさんあります
パーキンソン病と聞くと、「もう元の生活は送れないのでは…」と不安になる方も多いかもしれません。
でも、最近ではお薬の進歩やリハビリの充実によって、長く安定した生活を続けることができるようになってきました。
特に、早期に発見され、適切な治療がスタートできれば、仕事や家事など、日常生活をこれまで通りに送ることも十分可能です。
診断後の主な対応としては:
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ドーパミンの働きを助ける薬の服用
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筋力やバランスを保つためのリハビリ
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食事や睡眠など生活習慣の調整
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医師や理学療法士、言語聴覚士など多職種による支援
つまり、早く気づいて、早く動けることが最大の予防策でもあるんです。
「症状が出てから考える」ではなく、「気になる段階で動いておく」ことが、将来の安心につながりますよ。
まとめ|気づくこと、相談することが第一歩
パーキンソン病は、動きの不調だけでなく、日常のちょっとした違和感から始まることがあります。
ふるえや歩行の変化に加え、便秘・においの低下・声の小ささなど、意外なサインが見逃されやすいのも特徴です。
でも、それらに早く気づいて医療につなげることができれば、進行をゆるやかにし、日常生活の質を保つことも可能です。
「これっておかしいのかな?」と思ったときが、一番大切なタイミング。
どうか一人で抱え込まず、かかりつけ医や神経内科に気軽に相談してみてくださいね。