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脳梗塞リハビリ リバイブあざみ野

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【脳梗塞と意識不明:原因・治療・予後について詳しく解説】

2025/04/04

脳梗塞と意識不明:原因・治療・予後について詳しく解説

脳梗塞は、脳の血管が詰まり血流が途絶えることで発生する病気です。症状の重さは個人差がありますが、重度の場合、意識を失い昏睡状態に陥ることもあります。本記事では、脳梗塞による意識障害のメカニズム、治療法、そして予後について詳しく解説します。

1. 脳梗塞とは?

脳梗塞は、脳の血管が閉塞し、血流が遮断されることで脳細胞が酸素不足に陥り、壊死してしまう病気です。これは「脳卒中(脳血管障害)」の一種で、日本では年間約60万人が発症するとされています。

脳梗塞の主な種類

  • アテローム血栓性脳梗塞(動脈硬化が原因)

  • 心原性脳塞栓症(心臓から血栓が飛んでくる)

  • ラクナ梗塞(細い動脈が詰まる)

このうち、心原性脳塞栓症は重症化しやすく、意識障害を伴うことが多いとされています。

2. 脳梗塞による意識不明の原因

脳梗塞で意識がなくなるのは、主に次のような要因が関与しています。

① 脳幹部の梗塞

脳幹(延髄・橋・中脳)は呼吸や心拍を制御する重要な部位です。この部分が梗塞を起こすと、意識を失い昏睡状態に陥る可能性が高くなります。

② 広範囲の大脳梗塞

大脳の広い範囲で血流が途絶えると、脳全体の機能が低下し、意識障害を引き起こします。特に「悪性脳梗塞」と呼ばれる状態では、脳が腫れ(脳浮腫)、脳圧が上昇することで意識を失うことがあります。

③ 脳ヘルニアの発生

脳浮腫が進行し、脳の一部が頭蓋内で圧迫される「脳ヘルニア」が発生すると、生命維持に関わる脳幹が圧迫され、深い昏睡状態に陥ることがあります。

④ 低酸素状態による意識障害

心原性脳塞栓症では、血栓が大きな血管を塞ぎ、広範囲の脳がダメージを受けるため、意識不明のリスクが高くなります。

3. 意識障害を伴う脳梗塞の治療

脳梗塞による意識不明状態の治療は、時間との勝負です。発症からの時間経過によって治療方針が異なります。

① 超急性期(発症から4.5時間以内)

  • 血栓溶解療法(tPA静注療法)

    • 血栓を溶かす薬(tPA)を投与し、血流を回復させます。

    • ただし、出血のリスクがあるため、適応条件を満たす必要があります。

  • 血管内治療(血栓回収療法)

    • カテーテルを使って血栓を直接取り除く治療。

    • 発症から6~24時間以内でも適応される場合があります。

② 急性期(発症から数日)

  • 脳浮腫の管理

    • 浸透圧利尿剤(マンニトール)などで脳の腫れを抑える。

    • 重症例では外科的減圧術(頭蓋骨を開く手術)を行うこともある。

  • 全身管理

    • 血圧や血糖のコントロール。

    • 呼吸管理(人工呼吸器が必要な場合も)。

③ 慢性期(回復期)

意識が回復した後は、リハビリテーションが重要になります。意識障害が長引いた場合、廃用症候群や誤嚥性肺炎を防ぐためのケアも必要です。

4. 予後と回復の可能性

意識不明状態からの回復は可能か?

  • 脳幹の損傷が軽度 → 意識が回復する可能性あり

  • 脳全体のダメージが大きい → 重篤な後遺症が残る可能性が高い

  • 脳ヘルニアが進行 → 生命予後が非常に厳しくなる

意識障害が長期間続いた場合、「遷延性意識障害(植物状態)」になることもあります。

回復を促すリハビリのポイント

  • 早期離床(寝たきりを防ぐ)

  • 嚥下リハビリ(誤嚥性肺炎の予防)

  • 意識レベルに応じた刺激療法(音・光・触覚刺激)

 

 

5. まとめ

脳梗塞による意識不明は、発症部位・脳浮腫・脳ヘルニアなどが大きく関与します。治療の鍵は早期対応であり、tPA療法や血栓回収療法が有効な場合もあります。意識が回復した後も、適切なリハビリとケアが回復の重要なポイントになります。

脳梗塞は誰にでも起こり得る疾患です。発症リスクを下げるためにも、高血圧・糖尿病・不整脈の管理や生活習慣の改善を心がけることが大切です。