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脳梗塞リハビリ リバイブあざみ野

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【脳卒中の種類について】〜脳梗塞編〜

2025/01/10

【脳卒中の種類について】

 

1. 脳梗塞(Ischemic Stroke)

脳梗塞は脳卒中全体の**約70%**を占め、血流が遮断されることで脳細胞が壊死する状態です。

主な種類

  1. アテローム血栓性脳梗塞
    • 原因: 動脈硬化による大血管の狭窄や閉塞。
    • 特徴: 比較的ゆっくりと症状が進行。
    • リスク因子: 高血圧、糖尿病、脂質異常症、喫煙。
  2. 心原性脳塞栓症
    • 原因: 心房細動などで形成された血栓が脳に流れて血管を詰まらせる。
    • 特徴: 突然発症し、重症化しやすい。
    • リスク因子: 心房細動、弁膜症、心筋梗塞。
  3. ラクナ梗塞
    • 原因: 細い穿通枝動脈が閉塞。
    • 特徴: 小さな梗塞で症状が軽いことが多い。
    • リスク因子: 高血圧。

2. 脳出血(Intracerebral Hemorrhage)

脳出血は脳内の血管が破れることで発症し、**脳卒中全体の約20%**を占めます。

主な特徴

  • 原因:
    • 高血圧による小動脈の破綻(最も多い)。
    • アミロイドアンギオパチー(高齢者に多い)。
    • 血液疾患や抗凝固療法の副作用。
  • 好発部位:
    • 被殻(最も多い)、視床、小脳、脳幹。
  • 症状:
    • 頭痛、嘔吐、意識障害、半身麻痺。

3. くも膜下出血(Subarachnoid Hemorrhage)

くも膜下出血は脳表面の血管が破裂し、くも膜と軟膜の間に出血が起きる状態です。**全体の約5%**を占めます。

主な特徴

  • 原因:
    • 脳動脈瘤の破裂(約80%)。
    • 動静脈奇形(AVM)。
    • 外傷。
  • 症状:
    • 突然の激しい頭痛(「今までで最悪の頭痛」と表現されることが多い)。
    • 嘔吐、意識障害、項部硬直。
  • 予後:
    • 高い死亡率と後遺症率。

4. 一過性脳虚血発作(TIA: Transient Ischemic Attack)

厳密には脳卒中ではありませんが、脳卒中の前触れとなることが多い重要な病態です。

主な特徴

  • 原因: 短時間の血流低下(数分~数時間で症状が消失)。
  • 症状:
    • 一時的な片麻痺、言語障害、視覚障害。
    • 完全に回復するが再発リスクが高い。
  • 注意点: TIAを放置すると、数日~数週間以内に本格的な脳卒中を起こす可能性が高い。

脳卒中の比較表

種類 発生機序 頻度 症状の特徴 主な治療法
脳梗塞 血管が詰まり血流が遮断 約70% 徐々に進行する場合もある。 血栓溶解療法(t-PA)、抗血小板薬。
脳出血 血管が破裂して脳内出血 約20% 頭痛、嘔吐、意識障害が多い。 血圧管理、場合によっては手術。
くも膜下出血 くも膜下で血管が破裂 約5% 突然の激しい頭痛、意識障害。 動脈瘤クリッピングやコイル塞栓術。
TIA(一過性発作) 一時的な血流低下 数分~数時間で症状消失。 原因疾患の治療と予防(抗血栓薬)。

まとめ

  • 脳卒中全体脳梗塞、脳出血、くも膜下出血で構成されます。
  • 脳梗塞が最も多く、症状や治療法が異なるため、正確な診断が重要です。
  • TIAは脳卒中の警告サインとして重視されるべきです。

 

【脳梗塞の種類について】

1. アテローム血栓性脳梗塞

大血管が動脈硬化によって狭窄または閉塞することで発症します。

特徴

  • 発生メカニズム:
    動脈硬化による血管壁への脂質沈着(プラーク形成)が進行し、血管が狭窄するか完全に閉塞する。
  • 進行:
    血流障害がゆっくり進行し、症状が徐々に現れる場合が多い。
  • 好発部位:
    頸動脈や脳内の大血管(内頸動脈、中大脳動脈など)。
  • リスク因子:
    高血圧、糖尿病、脂質異常症、喫煙、メタボリックシンドローム。

症状

  • 片麻痺や失語症などの局所的な神経症状が徐々に悪化。
  • 前兆として一過性脳虚血発作(TIA)が見られることがある。

治療

  • 抗血小板薬(アスピリン、クロピドグレルなど)。
  • 血行再建術(頸動脈内膜剥離術やステント留置術)。

2. 心原性脳塞栓症

心臓で形成された血栓が脳血管に流入し、塞栓を引き起こします。

特徴

  • 発生メカニズム:
    心臓(特に左房や左室)で形成された血栓が血流に乗り、脳の血管を詰まらせる。
  • 進行:
    突然発症し、重症化するケースが多い。
  • 好発部位:
    中大脳動脈が詰まりやすい。
  • リスク因子:
    心房細動、心筋梗塞、弁膜症(特に僧帽弁狭窄症)、心不全、人工弁置換後。

症状

  • 突然の片麻痺、失語症、意識障害など。
  • 多発性の梗塞が生じることも多い。

治療

  • 抗凝固療法(ワルファリン、DOAC:ダビガトラン、リバーロキサバンなど)。
  • 血栓溶解療法(t-PA療法)が適応となることも。

3. ラクナ梗塞

脳の深部にある細い穿通枝動脈が閉塞することで発症します。

特徴

  • 発生メカニズム:
    高血圧や動脈硬化が原因で、穿通枝動脈(直径0.2~0.8mm)が閉塞する。
  • 進行:
    小規模な梗塞で進行が緩やか。症状が軽いことが多い。
  • 好発部位:
    被殻、視床、脳幹、内包、大脳基底核。
  • リスク因子:
    高血圧、糖尿病。

症状

  • 細かい症状が現れることが多く、以下のようなパターンが典型:
    • 純粋運動性麻痺(片側の手足の麻痺のみ)。
    • 純粋感覚性障害(片側の感覚喪失のみ)。
    • 感覚運動性障害(運動と感覚の両方の障害)。
  • 意識障害や認知機能障害は軽度または非特異的。

治療

  • 抗血小板薬。
  • 高血圧管理(降圧薬)。
  • 生活習慣の改善(食事、運動)。

脳梗塞の種類の比較表

種類 原因 好発部位 発症 症状の特徴 主な治療
アテローム血栓性脳梗塞 動脈硬化とプラーク形成 大血管(頸動脈、中大脳動脈) 徐々に進行 TIAを伴う場合が多い 抗血小板薬、血行再建術
心原性脳塞栓症 心房細動や心臓内の血栓 中大脳動脈 突然発症 重症化しやすい 抗凝固療法、血栓溶解療法
ラクナ梗塞 小動脈の閉塞(高血圧が原因) 深部(視床、被殻、内包) 緩やかまたは軽度発症 純粋運動性麻痺や感覚障害が多い 抗血小板薬、高血圧管理

まとめ

  • アテローム血栓性脳梗塞は動脈硬化が主な原因で進行が緩やか。
  • 心原性脳塞栓症は心房細動などが原因で突然発症し、重症化しやすい。
  • ラクナ梗塞は小動脈の閉塞が原因で軽症が多いが、放置すると認知症のリスクになる。

 

【脳血管疾患の予防について】

1. 一次予防(発症を防ぐ)

脳血管疾患の主要な危険因子を減らすことで、初めての発症を防ぐことを目指します。

主要な危険因子と予防策

  1. 高血圧
    • 影響: 脳出血、脳梗塞の最大の危険因子。
    • 目標値: 血圧は140/90mmHg未満を目指す。
    • 対策:
      • 塩分摂取を控える(1日6g未満が目標)。
      • 適度な運動(ウォーキングやジョギングを週150分以上)。
      • 降圧薬(必要に応じて医師の指示で使用)。
  2. 糖尿病
    • 影響: 動脈硬化を促進し、脳梗塞のリスクを高める。
    • 目標値: HbA1cを7.0%未満に維持。
    • 対策:
      • 血糖コントロール(食事療法・運動療法・薬物療法)。
      • 定期的な血糖値・HbA1cの測定。
  3. 脂質異常症
    • 影響: LDLコレステロールが高いと動脈硬化が進行。
    • 目標値: LDLコレステロールを120mg/dL未満に。
    • 対策:
      • 動物性脂肪やコレステロールの摂取を控える。
      • 薬物療法(スタチンなどの使用)。
  4. 心房細動(心原性脳塞栓症の原因)
    • 影響: 血栓が脳血管に詰まる原因。
    • 対策:
      • 定期的な心電図検査。
      • 抗凝固薬(ワルファリンやDOAC)の服用。
  5. 喫煙
    • 影響: 動脈硬化を加速し、脳梗塞やくも膜下出血のリスク増加。
    • 対策:
      • 禁煙外来の活用。
      • 家族や周囲のサポートを得る。
  6. 飲酒
    • 影響: 過剰な飲酒は高血圧や心房細動のリスクを高める。
    • 対策:
      • 男性は1日20~30g以下、女性は10~20g以下のアルコール摂取量を目標。
  7. 肥満
    • 影響: 高血圧、糖尿病、脂質異常症の原因となる。
    • 対策:
      • BMIを25未満に維持。
      • バランスの取れた食事と運動。

2. 二次予防(再発を防ぐ)

すでに脳血管疾患を経験した人が再発を防ぐための対策です。一次予防と共通する部分もありますが、再発リスクが高いため、より積極的な管理が必要です。

再発予防の具体策

  1. 抗血栓療法
    • 目的: 血栓の再形成を防ぐ。
    • 方法:
      • 抗血小板薬(アスピリン、クロピドグレル)。
      • 抗凝固薬(ワルファリン、DOAC)※心原性脳塞栓症の場合。
  2. 生活習慣の徹底管理
    • 食事: 塩分を控えた低ナトリウム食、野菜・果物を多く摂る。
    • 運動: 個別のリハビリテーションプランに基づいた運動を継続。
    • ストレス管理: 自律神経の安定を図る。
  3. 定期検査
    • 血圧、血糖値、脂質プロファイルの定期的な確認。
    • 心臓や頸動脈の超音波検査。
  4. 医療機関との連携
    • 定期的に医師の診察を受け、治療方針を確認。
    • 専門的なリハビリテーションを継続。

3. ライフスタイルのポイント

食事の工夫

  • 減塩: 調味料を控えめにし、ハーブやスパイスで風味付け。
  • バランス: 野菜・果物を1日350g以上摂取。
  • 脂質管理: 不飽和脂肪酸(青魚、ナッツ類)を多く摂る。

運動

  • 有酸素運動(ウォーキング、サイクリング)を週150分以上。
  • 過度な負荷を避け、個人の体力に応じた計画を立てる。

禁煙と節酒

  • 禁煙は動脈硬化の進行を抑える最重要要素。
  • 節酒は適量を守り、継続的な飲酒を避ける。

4. 地域社会や家族の支援

  • 健康診断: 地域の無料または低価格の健康診断を活用。
  • 予防プログラム: 地域で行われる健康教室や運動プログラムに参加。
  • 家族の協力: 食事の管理や運動のサポートを共有。

まとめ

脳血管疾患の予防には、生活習慣の改善と基礎疾患の管理が基本です。特に、高血圧、糖尿病、脂質異常症、心房細動の適切な管理が発症リスクを大きく下げます。再発予防では、定期的な診察や抗血栓療法を含めた継続的な治療が重要です。