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脳梗塞リハビリ リバイブあざみ野

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【脳卒中の分類について】〜脳梗塞との違いは〜

2025/01/07

【脳卒中の分類について】

 

1. 脳梗塞(Ischemic Stroke)

概要: 脳の血管が詰まることで、脳組織への血流が阻害されるタイプ。
発症頻度: 脳卒中全体の約70%を占める。

主なタイプ

  1. アテローム血栓性脳梗塞
    • 原因: 動脈硬化により大血管が狭窄または閉塞。
    • リスク因子: 高血圧、糖尿病、脂質異常症。
  2. 心原性脳塞栓症
    • 原因: 心房細動などによる血栓が脳血管に流入。
    • 特徴: 突然発症し、重症化しやすい。
  3. ラクナ梗塞
    • 原因: 細い穿通枝動脈の閉塞(高血圧が主な原因)。
    • 特徴: 比較的小規模の梗塞。

2. 脳出血(Intracerebral Hemorrhage)

概要: 脳内の血管が破れて出血するタイプ。
発症頻度: 約20%。

主な原因

  • 高血圧による小動脈の破綻(最も多い原因)。
  • アミロイドアンギオパチー(高齢者に多い)。
  • 外傷や血液凝固異常。

好発部位

  • 被殻
  • 視床
  • 小脳
  • 脳幹

3. くも膜下出血(Subarachnoid Hemorrhage)

概要: 脳を覆うくも膜と軟膜の間に出血が起こるタイプ。
発症頻度: 約5%。

主な原因

  • 脳動脈瘤の破裂(最も多い原因)。
  • 動静脈奇形(AVM)。
  • 外傷。

特徴

  • 突然の激しい頭痛が主症状。
  • 高い死亡率と後遺症のリスク。

診断・評価

  1. 画像診断
    • CT: 急性期の出血評価に有用。
    • MRI: 梗塞部位や時間経過の詳細評価に有用。
  2. 血管撮影
    • 脳血管の異常や動脈瘤の確認。
  3. 血液検査
    • 脂質異常症や糖尿病の評価。

脳卒中の危険因子

  • 非修正可能因子: 年齢、性別、遺伝的要因。
  • 修正可能因子: 高血圧、糖尿病、喫煙、肥満、運動不足、心房細動。

治療とリハビリ

  1. 急性期治療
    • 脳梗塞: 血栓溶解療法(t-PA)、血管内治療。
    • 脳出血: 血圧管理、場合によっては手術。
    • くも膜下出血: 動脈瘤のクリッピングやコイル塞栓術。
  2. リハビリテーション
    • 早期から開始することで機能回復を促進。
    • 運動療法、作業療法、言語療法が中心。

 

【脳卒中と脳梗塞の違いについて】

 

脳卒中とは?

  • 定義:
    脳の血管障害による急性発症の神経症状を総称した言葉です。
    日本語では「脳血管障害」とも呼ばれ、以下の3つの疾患が含まれます。

    1. 脳梗塞
    2. 脳出血
    3. くも膜下出血
  • 特徴:
    脳卒中は病態全体を指す広い概念であり、原因(梗塞か出血か)や病態の違いは問わない言葉です。

脳梗塞とは?

  • 定義:
    脳卒中の一種で、脳の血管が詰まり血流が遮断されることで、脳細胞が酸素や栄養不足に陥り壊死する状態を指します。
    脳卒中全体の約70%を占める、最も一般的なタイプです。
  • 分類:
    脳梗塞には以下のようなタイプがあります。

    1. アテローム血栓性脳梗塞
    2. 心原性脳塞栓症
    3. ラクナ梗塞

脳卒中と脳梗塞の違い

比較項目 脳卒中 脳梗塞
意味 脳血管障害全体を指す広い概念 脳卒中の一種。血管の詰まりが原因。
種類 脳梗塞、脳出血、くも膜下出血を含む 脳卒中の中で「梗塞」に限定される。
原因 出血・詰まり・その他多岐にわたる 主に血栓や動脈硬化による血管の閉塞。
頻度 脳卒中全体 脳卒中の約70%を占める。
治療方法 病態により異なる(t-PA、手術など) 血栓溶解療法や抗血小板薬が中心。

要点

  • 脳卒中は**「脳梗塞」「脳出血」「くも膜下出血」**を含む大きなカテゴリ。
  • 脳梗塞は、その中の1つの病態(血管の詰まりによるもの)。
  • 脳卒中が発生した場合、初期診断で「脳梗塞なのか」「脳出血なのか」を明確にすることが重要です。
  • 脳卒中全体のリスク因子(高血圧、糖尿病など)は共通していますが、治療は病態によって異なります。