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【パーキンソン病の予防について】

2024/12/20

【パーキンソン病の予防について】

パーキンソン病の予防に関しては、現在のところ発症を完全に防ぐ方法は確立されていません。これは、パーキンソン病の正確な原因がまだ完全には解明されていないためです。ただし、いくつかの研究から、生活習慣や環境の工夫によって発症リスクを減少させる可能性が示唆されています。以下は予防に関連すると考えられる要因と対策です。

予防のためのポイント

1. 食生活の工夫

抗酸化物質を多く含む食品
活性酸素が神経細胞にダメージを与えることを防ぐ可能性があります。

・緑黄色野菜(ビタミンC、Eを多く含む)。

・果物(特にブルーベリーなどのポリフェノール豊富なもの)。

・ナッツやオリーブオイル(不飽和脂肪酸やビタミンE)。

 

カフェインの摂取
いくつかの研究で、適度なカフェイン摂取(コーヒーや緑茶)がパーキンソン病のリスクを低下させる可能性が報告されています。

 

・DHAやEPA(オメガ3脂肪酸)
魚介類に多く含まれ、神経の炎症を抑える効果が期待されています。


2. 適度な運動

有酸素運動の実施
定期的な運動は、脳内の神経成長因子(BDNF)の分泌を促し、神経細胞を保護すると考えられています。

・ウォーキング、ジョギング、サイクリング、ヨガなど。

 

運動の習慣化
運動はパーキンソン病の進行抑制や症状の軽減にも役立つため、若い頃からの習慣が推奨されます。


3. 精神的ストレスの軽減

慢性的なストレスは神経系に悪影響を与える可能性があります。以下の方法でストレスを管理しましょう:

・瞑想や深呼吸、マインドフルネス。

・十分な睡眠を確保。

・趣味やリラクゼーション活動を取り入れる。


4. 環境要因への配慮

有害物質への暴露を避ける
農薬や重金属(マンガンや鉛など)は、パーキンソン病のリスクを高める可能性があります。以下を心掛けましょう:

・農薬散布地域での過剰な曝露を避ける。

・化学物質や溶剤を扱う際には適切な防護具を使用。

安全な水や食材を使用
汚染された水や食品の摂取を避ける。


5. 社会的活動と知的活動

・脳を活性化する活動
読書や学習、新しい趣味に挑戦することで神経系を活発に保つ。

・社会的つながりを保つ
孤立を避け、対人交流を増やすことが認知機能や精神状態の維持に役立つ。


6. 医学的対策

・定期的な健康診断
自律神経症状や嗅覚障害など、早期に現れる兆候を見逃さない。

・遺伝的リスクへの対応
家族歴がある場合、遺伝カウンセリングや予防的な生活改善を検討。


発症リスクを高める要因

以下の要因は避けることで予防に寄与する可能性があります:

1.長期間にわたる運動不足。

2.高脂肪・高カロリーの食事(特に動物性脂肪の過剰摂取)。

3.慢性的な睡眠不足。

4.喫煙や過度のアルコール摂取。


予防に対する現状と課題

現在の研究では、パーキンソン病の発症には遺伝的要因と環境的要因の複雑な相互作用が関与していると考えられています。そのため、完全な予防は難しいものの、健康的な生活習慣を取り入れることでリスクを下げる可能性があります。特に早期からの運動習慣や食生活の見直しが推奨されます。

予防を意識した生活を送ることで、神経系全般の健康を維持し、他の神経変性疾患のリスク低下にもつながると考えられます。

 

【パーキンソン病の疫学】

パーキンソン病の疫学については、以下のポイントで説明します。


1. 発症率と有病率

有病率
パーキンソン病の有病率は、年齢とともに増加します。

・全世界では、人口10万人あたり100~200人程度が罹患していると推定されています。

・65歳以上の高齢者では、有病率は1%程度とされています。

・80歳以上ではさらに増加し、3~4%の人が罹患していると報告されています。

 

発症率
年間の新規発症率は、人口10万人あたり10~20人程度とされています。


2. 年齢分布

中高年以降に多い
発症年齢の平均は50~60歳代です。

・若年性パーキンソン病:20~40歳で発症するケース(全体の5~10%)。

・高齢者において特にリスクが高まる。


3. 性差

男性に多い
男性の発症率は女性よりも高いとされています。

・男性:女性 = 約1.5:1 の比率。

・この差の原因として、性ホルモン(エストロゲン)の神経保護作用が関与している可能性が示唆されています。


4. 地域差

発症率や有病率は地域ごとに異なる

・発症率は、北米やヨーロッパなどの高緯度地域で高い傾向があります。

・アジアやアフリカではやや低いとされていますが、高齢化の進行に伴い増加傾向です。

・地域差には遺伝的要因や環境因子(農薬曝露、食習慣など)が関与していると考えられます。


5. 遺伝的要因

家族性パーキンソン病は稀
多くは**孤発性(非遺伝性)**で発症しますが、5~10%程度は遺伝性とされています。

・遺伝性のケースでは、LRRK2遺伝子PARK遺伝子の異常が関与。

・若年性発症の場合、遺伝的要因の関与が比較的大きい。


6. 環境要因

リスクを高める環境要因

・農薬や除草剤への長期的な曝露。

・重金属(マンガン、鉛など)や化学溶剤への曝露。

・井戸水の使用(農薬や毒素による汚染の可能性)。

リスクを低下させる因子

・喫煙(なぜかリスク低下と関連):ニコチンがドーパミンニューロンを保護する可能性が示唆されていますが、喫煙の他のリスクを考慮すると推奨はされません。

・カフェイン摂取(コーヒーや緑茶):発症リスクを低下させるとする報告。


7. 高齢化社会との関係

世界的な高齢化の進展
パーキンソン病は高齢者に多い疾患であるため、高齢化が進む社会では患者数が増加しています。

・2015年時点での世界のパーキンソン病患者数は約600万人。

・2040年までに患者数が1200万人を超えると予測されています。


8. 日本における状況

・日本では、有病率は人口10万人あたり150~200人程度と推定されています。

・高齢化社会の進行により、患者数は増加傾向にあります。

・日本国内の患者数は約16万人(推定)。

・日本の患者の平均発症年齢は約60歳。


まとめ

・パーキンソン病は、高齢者に多い慢性進行性疾患であり、男女比では男性がやや多い。

・世界的な高齢化に伴い、今後も患者数は増加すると予測されています。

・地域差や環境因子の影響もあり、発症メカニズムには遺伝要因と環境要因が複雑に関与しています。

 

 

【パーキンソン病の当事者家族の大切なこと】

パーキンソン病の当事者家族にとって大切なことは、患者本人を支えながらも、自分たちの心身の健康や生活のバランスを保つことです。家族は患者の生活を支える重要な存在ですが、無理をしすぎると負担が蓄積し、結果的に適切なケアが難しくなることもあります。以下に、患者と家族双方にとって大切なポイントを挙げます。


1. 病気について正しく理解する

・パーキンソン病の症状と進行を知る
運動障害だけでなく、非運動症状(認知機能低下、うつ、便秘など)があることを理解します。

・フリーズ現象や転倒リスクへの対策
突然動けなくなる症状に備え、リハビリや安全な環境作りを検討。

・薬物療法の重要性を理解する
薬の服用時間が症状管理に重要であるため、患者が服薬を忘れないよう支援します。

・専門家と連携する
主治医やリハビリスタッフから最新情報を得て、適切なケアを学ぶ。


2. 患者の自立を尊重する

できるだけ自分で行わせる
日常生活の動作は、できる範囲で自立して行えるよう支援します。

・食事や着替えを手伝う場合も、まず患者ができることを見守る。

適切な環境を整える
動きやすく、安全な生活環境を整える(例:転倒しにくい床、手すりの設置)。

役割を持たせる
家庭内での小さな役割や趣味を続けることで、患者の自尊心を保つ。


3. 精神的なサポート

・病気への受容を促す
パーキンソン病と向き合いながら、ポジティブな側面に目を向ける。

・共感を大切にする
症状に対する不安やストレスに寄り添い、気持ちを共有する。

・孤立を防ぐ
家族だけでなく、地域の支援団体や患者会に参加して交流を広げる。


4. 家族自身の健康を守る

介護負担を軽減する工夫
一人で抱え込まず、必要に応じて次の方法を活用します:

・デイサービスや訪問介護などの介護サービス。

・ケアマネージャーに相談し、適切な支援を受ける。

 

家族間で役割を分担
他の家族と協力し、負担を分散させます。

 

自分の時間を確保する
趣味やリフレッシュの時間を持ち、心身の余裕を保つ。


5. パーキンソン病との向き合い方

・病気を一緒に管理する姿勢を持つ
病気は患者一人の問題ではなく、家族全体で取り組む課題と考える。

・治療やリハビリへの積極的な参加
家族がリハビリや診察に同行し、患者の状況を共有しやすくします。

・小さな目標を一緒に設定する
日常生活やリハビリで達成可能な目標を設定し、成功を共有します。


6. コミュニケーションを大切にする

・簡単で明確な指示を心がける
パーキンソン病の進行で理解力や反応が遅れる場合もあるため、ゆっくり話す。

・感情的にならない
焦りや苛立ちは患者に伝わりやすいため、冷静な対応を心がける。

・肯定的な言葉を使う
努力を認める言葉や励ましを忘れない。


7. 外部リソースの活用

・患者会や家族会に参加する
同じ立場の人々と情報や経験を共有する。

・介護相談窓口を利用
行政や地域包括支援センターに相談し、支援制度を活用。

・専門職からの助言を求める
医療、リハビリ、福祉の専門職に定期的に相談する。


まとめ

家族が患者を支える際には、適切な知識を持ち、支援と自立のバランスを取ることが重要です。また、家族自身が健康でい続けることが、患者のケアの質を高める大きな要素となります。パーキンソン病の患者と家族は共に前向きな生活を築けるよう、周囲のサポートも積極的に活用してください。