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脳梗塞リハビリ リバイブあざみ野

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【パーキンソン病 ジスキネジア】

2024/10/11

【パーキンソン病とは】

パーキンソン病(Parkinson’s disease)は、中枢神経系に影響を与える進行性の神経変性疾患です。特に、脳内の黒質(こくしつ)と呼ばれる部分でドーパミンを生成する神経細胞が徐々に減少することで発症します。ドーパミンは、体の運動をスムーズに調整するために重要な神経伝達物質です。その不足により、運動機能に関する症状が現れます。

 

主な症状:

1.振戦(しんせん):安静時に手足や顔が震える。

2.筋強剛(きんきょうごう):筋肉が硬くなり、動作がぎこちなくなる。

3.無動(むどう)・寡動(かどう):自発的な動きが減少し、動作が遅くなる。

4.姿勢反射障害:バランスが取りにくくなり、転びやすくなる。

 

その他の症状:

・歩行の変化:小刻みな歩行や、歩き始めや止まる際の困難。

・自律神経系の症状:便秘、低血圧、発汗異常など。

・精神症状:うつ病、認知症、睡眠障害などが見られることもあります。

 

原因:

パーキンソン病の明確な原因は不明ですが、遺伝的要因と環境要因が関与していると考えられています。また、特定の遺伝子変異が関係する家族性パーキンソン病も報告されています。

 

診断:

パーキンソン病の診断は、主に臨床的な症状を基に行われます。画像検査(MRISPECTなど)は、他の疾患を排除するために使われることが多いです。

 

治療:

・薬物療法:ドーパミンの欠乏を補うための薬(レボドパなど)が用いられます。また、ドーパミンアゴニストやMAO-B阻害薬なども効果的です。

・外科的治療:薬物治療が効果を示さない場合、脳深部刺激療法(DBS)などが考慮されることもあります。

・リハビリテーション:運動療法や理学療法が症状の進行を遅らせ、生活の質を向上させるのに役立ちます。

 

予後:

パーキンソン病は進行性の疾患であり、時間とともに症状が悪化します。しかし、適切な治療やリハビリにより、症状の管理や生活の質を改善することが可能です。

 

 

【ジスキネジアとは】

ジスキネジア(Dyskinesia)は、主に不随意の異常な運動を指す言葉です。パーキンソン病やその治療に関連してよく見られる症状で、意図しない体の動きが出現することが特徴です。特に、パーキンソン病の治療で使用される薬物(主にレボドパ)の長期使用による副作用として知られています。

ジスキネジアの主な特徴

1.不随意運動:意図しない動きが突然現れます。動きはリズミカルであったり、不規則であったりします。

2.身体のさまざまな部分に現れる:顔、首、手足など、特定の部位や全身に発生します。動きは軽いものから、日常生活に支障をきたすほど強いものまであります。

3.異常な姿勢:一部の筋肉が過剰に収縮することで、体の姿勢が不自然にねじれることがあります。

 

ジスキネジアの種類

ジスキネジアは発生する状況や原因によって、いくつかの種類に分けられます。

1. レボドパ誘発性ジスキネジア

パーキンソン病の治療薬であるレボドパの使用に伴って発生するジスキネジアです。長期にわたる薬物使用や、薬の効果が最も強くなったタイミングで発生することが多いです。このタイプのジスキネジアは、パーキンソン病の患者に最もよく見られる形です。

・ピークドーズジスキネジア:レボドパの効果が最大になる「オン」状態で見られる。これは、薬物が過剰に効いている状態で発生し、体が不随意に動いてしまいます。

・バイフェイズジスキネジア:レボドパの効果が効き始めるときや効果が切れる前に発生します。

 

2. 遅発性ジスキネジア

抗精神病薬(ドーパミン拮抗薬など)の長期使用によって引き起こされることがあり、特に口や顔の周囲に不随意な動きが現れます。これはパーキンソン病ではなく、統合失調症など他の神経精神疾患の治療に関連することが多いです。

 

3. ジストニアとの違い

ジスキネジアとジストニアは混同されることがありますが、異なる現象です。ジストニアは筋肉が異常に収縮し、持続的に体がねじれたり、特定の姿勢が強制されるのに対し、ジスキネジアはよりリズミカルで不規則な動きが特徴です。

 

ジスキネジアの原因

ジスキネジアの原因は、主にドーパミンの調整の不均衡にあります。パーキンソン病自体がドーパミンの欠乏を引き起こすため、レボドパのような薬を使ってドーパミンの補充を行います。しかし、長期的に薬を使用することで、ドーパミンの供給が過剰になったり、不安定になったりすることがあり、これがジスキネジアの原因となります。

・レボドパによる影響:レボドパはパーキンソン病の主な治療薬ですが、長期使用による神経の変化がジスキネジアを引き起こします。

・ドーパミン受容体の過感受性:ドーパミンを受け取る神経が、レボドパによって過度に敏感になり、異常な運動を引き起こします。

 

ジスキネジアの症状

・不規則で流れるような動き(特に四肢や顔面)

・姿勢の変化や、体のねじれ

・薬の効き目に伴い、動きが増減する

 

ジスキネジアの影響

ジスキネジア自体は痛みを伴うことは少ないですが、日常生活に支障をきたすことがあります。具体的には:

・食事や会話が難しくなる

・歩行が困難になる

・精神的なストレスや疲労感が増す

 

ジスキネジアの治療

ジスキネジアの管理は、パーキンソン病の治療において重要です。治療の目的は、症状を軽減し、患者の生活の質を向上させることです。

1. 薬物調整

ジスキネジアは、主にレボドパなどの薬物治療の副作用として発生するため、薬の量やタイミングを調整することが効果的です。以下のような方法があります。

・レボドパの用量を減らす:ドーパミンの過剰供給を防ぐため、薬の量を減らすことがあります。

・ドーパミンアゴニストの使用:レボドパの代わりに、より穏やかに作用する薬を使うことがあります。

COMT阻害薬やMAO-B阻害薬の追加:レボドパの効果を持続させつつ、全体的な投与量を減らすために、補助的な薬を使用します。

 

2. アマンタジン

アマンタジンは、ジスキネジアを軽減するために使用される薬です。パーキンソン病の治療で使用される薬の一つで、異常な運動を抑える効果があります。

 

3. 脳深部刺激療法(DBS

脳深部刺激療法(DBS)は、パーキンソン病の症状が薬物治療でうまくコントロールできない場合に行われる手術療法です。脳内の特定の領域に電極を埋め込み、電気刺激を与えることで、ジスキネジアや他の運動症状を抑えることができます。

 

ジスキネジアの予防と管理

・薬の適切な管理:レボドパの長期使用によるジスキネジアのリスクを減らすために、薬の量や服用タイミングを慎重に管理することが重要です。

・運動療法:適度な運動はパーキンソン病患者の症状緩和に役立ちますが、ジスキネジアの患者にとっても、体の動きをコントロールするために役立つことがあります。

・ストレス管理:ストレスや疲労がジスキネジアの症状を悪化させることがあるため、適切なストレス管理が推奨されます。

 

まとめ

ジスキネジアは、パーキンソン病の治療に関連する副作用としてよく見られる不随意運動です。特にレボドパの長期使用が原因で発生することが多く、患者の生活に大きな影響を与えることがあります。治療は薬物の調整や手術などで行われ、適切な管理が症状の軽減に繋がります。

 

【不随意運動に対する対処法は】

不随意運動(不随意的な筋肉の動き)に対する対処法には、運動の原因や症状の重さに応じてさまざまなアプローチがあります。以下に、パーキンソン病や他の神経疾患に伴う不随意運動に対する主な対処法を挙げます。

1. 薬物療法の調整

不随意運動は、パーキンソン病の治療薬(特にレボドパなど)の副作用として生じることが多いため、薬物の調整が重要です。

・レボドパの調整:レボドパ誘発性の不随意運動(ジスキネジア)は、薬の量や投与タイミングを調整することで軽減できます。

・ドーパミンアゴニストの使用:レボドパの代わりに、より穏やかに作用するドーパミンアゴニストを使用することがあります。

MAO-B阻害薬やCOMT阻害薬:これらの薬剤はレボドパの効果を延長し、全体的な薬物負荷を減らすことができるため、不随意運動を抑えることが期待できます。

・アマンタジンの使用:アマンタジンは、特にレボドパ誘発性ジスキネジアの治療に効果的です。

 

2. 脳深部刺激療法(DBS

**脳深部刺激療法(DBS**は、不随意運動やパーキンソン病の他の運動症状に対する手術療法です。頭蓋骨に小さな穴を開けて、脳の特定の部位に電極を埋め込み、電気刺激を送ることで運動の調整を行います。この治療法は、薬物療法が効きにくい場合に効果が期待されます。

 

3. リハビリテーションと運動療法

不随意運動に対するリハビリテーションは、運動機能の改善や日常生活動作の向上に役立ちます。

・バランス訓練:バランスを改善するための訓練が転倒予防に繋がります。不随意運動のためにバランスが崩れやすい患者には、足元を意識した歩行練習や体幹強化が効果的です。

・筋力トレーニング:筋肉を強化することで、運動のコントロールが向上します。特に、体幹や下肢の筋力を鍛えることが推奨されます。

・歩行訓練:歩行のリズムを整えるために、リズムに合わせた運動や、視覚・聴覚刺激を利用して運動を補助することが有効です。

 

4. ストレス管理と生活習慣の改善

ストレスや疲労は不随意運動を悪化させることがあるため、日常生活でのストレス管理が重要です。

・リラクゼーション技法:呼吸法やヨガ、瞑想などのリラクゼーション法を取り入れることで、筋肉の緊張を緩和し、不随意運動を抑える助けになります。

・睡眠と休息:十分な睡眠を確保し、規則正しい生活リズムを保つことが重要です。疲労は不随意運動の悪化に繋がるため、休息をしっかり取ることが推奨されます。

 

5. 福祉用具の利用

不随意運動によって日常生活に支障をきたす場合、適切な福祉用具を使用することで、生活の質を向上させることができます。

・歩行補助具:歩行が不安定な場合、杖や歩行器を使うことで、転倒リスクを減らし、歩行の安全性を高めます。

・特殊なカトラリーや食器:手の不随意運動が原因で食事が難しくなった場合、専用の滑りにくい食器やカトラリーを使うことが役立ちます。

 

6. 環境調整

不随意運動の影響で家の中での転倒や事故を防ぐために、生活環境を整えることが重要です。

・バリアフリー化:段差をなくす、滑りにくい床材を使うなど、転倒リスクを減らす工夫が必要です。

・手すりの設置:廊下や階段、トイレ、浴室に手すりを設置することで、移動の際の安全性を確保します。

 

7. 心理的サポート

不随意運動による身体的・精神的ストレスを軽減するためには、心理的なサポートも重要です。カウンセリングやサポートグループを利用することで、不安や孤独感を和らげることができます。

まとめ

不随意運動に対する対処法は、主に薬物療法の調整、リハビリテーション、環境調整、生活習慣の改善などが挙げられます。個々の患者に応じた適切な治療とサポートを行うことで、日常生活での不便を減らし、生活の質を向上させることが可能です。