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脳梗塞リハビリ リバイブあざみ野

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【パーキンソン病の症状について】

2024/09/27

【パーキンソン病の主症状について】

パーキンソン病は、脳の黒質という部分にあるドーパミン産生神経細胞の減少が原因で発症します。その結果、運動機能が次第に低下し、日常生活に大きな影響を及ぼします。以下では、パーキンソン病の主要な運動症状と非運動症状について、さらに詳しく説明します。

1. 運動症状

・振戦(しんせん)

振戦は、特に安静時振戦と呼ばれ、手や足が静止しているときに起こる不随意な震えです。この震えは動作を開始したり、意図的に動かそうとすると減少する特徴があります。手の親指と人差し指が震える「丸薬丸め振戦」と呼ばれる特徴的な振戦が見られることもあります。

 

・筋強剛(きんきょうごう)

筋肉が硬直し、鉛管様または歯車様の抵抗を感じることがあります。患者は動作の際に筋肉が滑らかに伸び縮みせず、関節を動かすたびに引っかかるような感覚が生じます。筋強剛は全身の筋肉に影響を与え、歩行や立ち上がる動作などが難しくなります。

 

・無動(むどう)・寡動(かどう)

無動とは動作が極端に減少する症状で、寡動は動作が遅くなることを指します。日常的な動作(歩行、着替え、顔を洗うなど)が遅くなり、表情筋の硬直から表情が乏しくなる「仮面様顔貌(かめんようがんぼう)」と呼ばれる症状も見られます。また、動きの開始や切り替えが難しくなり、歩き出すことに時間がかかったり、歩行中に突然停止してしまう「フリーズ現象」も典型的です。

 

・姿勢保持障害

姿勢保持が困難になり、バランスを取る能力が低下します。このため、転倒のリスクが高まります。前かがみの姿勢が特徴的で、足をすりながら歩く「小刻み歩行」が見られます。

 

2. 非運動症状

・自律神経症状

パーキンソン病は自律神経にも影響を与えます。具体的には、以下のような症状があります:

・便秘: 腸の動きが鈍くなり、排便が困難になります。

・発汗異常: 異常な発汗(過剰または不足)が見られます。

・低血圧: 特に立ち上がった際に血圧が急激に下がり、めまいやふらつきが生じることがあります(起立性低血圧)。

・排尿障害: 頻尿や排尿困難が発生することがあります。

 

・睡眠障害

パーキンソン病患者は、以下のような睡眠の問題を抱えることがあります:

・不眠: 入眠困難や夜間の頻繁な覚醒が見られます。

・REM睡眠行動障害: 夢の中で暴れたり、大声を出すことがあり、これはREM睡眠中に筋肉が弛緩しないことによるものです。

 

・精神・認知症状

・抑うつ: パーキンソン病患者の多くがうつ病を併発します。これは、ドーパミン不足だけでなく、病気の進行に対する心理的なストレスも要因となります。

・認知機能の低下: 記憶力や注意力が低下し、認知症に進行する場合があります。これは「パーキンソン病認知症」と呼ばれ、病気の進行に伴って出現することが多いです。

 

症状の進行

パーキンソン病の症状は徐々に進行し、初期段階では片側の手足などに限られることが多いですが、時間が経つにつれて両側に広がります。進行の程度やスピードは患者ごとに異なり、運動症状が顕著な場合もあれば、非運動症状が強く現れる場合もあります。

 

治療

パーキンソン病の治療には、主に薬物療法(ドーパミン補充療法)や、運動療法、外科的治療(深部脳刺激療法)などが用いられます。

 

【中脳の役割について】

中脳(ちゅうのう)は脳幹の一部で、脳全体の中央に位置し、視覚、聴覚、運動制御、反射機能などに関わる非常に重要な領域です。中脳は主に大脳脊髄をつなぐ情報伝達の中枢として働きますが、さらにいくつかの特定の機能を担っています。以下では、中脳の主要な役割について詳しく説明します。

 

1. 中脳の構造

中脳は、主に以下のような部位に分けられます。

・被蓋(ひがい): 脳幹の中央部分で、運動と感覚情報を伝達する。

・四丘体(しきゅうたい): 視覚と聴覚に関与する。

・黒質(こくしつ): ドーパミンを生成し、運動の制御に関わる。

・赤核(せきかく): 筋緊張の調整や、四肢の運動制御に関与。

 

2. 中脳の主な役割

・運動制御(黒質と赤核)

黒質はドーパミンを産生し、大脳基底核に情報を送ることで、運動の調整に重要な役割を果たします。黒質は特に、運動の開始や滑らかな動作をサポートする役割を持ちます。パーキンソン病は、この黒質のドーパミン産生細胞が徐々に失われることで発症し、運動症状が現れます。

赤核は運動制御、特に四肢の運動に関与しており、運動の精緻さやバランスを維持するのに重要です。赤核は小脳と連携して、筋緊張を調節し、身体の姿勢を維持します。

 

・反射と視覚・聴覚の情報処理(四丘体)

中脳の四丘体には、上丘(視覚反射に関与)と下丘(聴覚反射に関与)の2つの部分があります。

・上丘(視覚反射): 上丘は視覚情報の処理に関わり、目の動きや視覚反射を制御します。たとえば、視覚刺激に反応して、素早く目や頭を向ける動作を行うのは上丘の働きです。

・下丘(聴覚反射): 下丘は聴覚情報を処理し、聴覚刺激に対する反射的な行動(音に驚いて振り返るなど)を制御します。聴覚情報は下丘で処理され、大脳に伝達されて意識的な音の認識につながります。

 

・眼球運動の制御

中脳は、特に**被蓋(ひがい)**を介して、眼球運動の制御に深く関わっています。中脳にある神経核(特に動眼神経核と滑車神経核)は、眼球を動かす筋肉を支配し、眼球を上下左右に動かす機能を制御します。この制御が損なわれると、**眼振(がんしん)複視(ふくし)**が発生することがあります。

 

・痛覚と温度感覚の伝達

中脳の一部は、痛みや温度感覚の伝達にも関与しています。脊髄からの痛覚・温度感覚の情報は中脳を経由して大脳皮質に伝わり、そこで意識的な痛みの感覚として認識されます。この機能は、生存に不可欠な感覚フィードバックを提供し、適切な反応を引き起こすために重要です。

 

・睡眠と覚醒の調節(中脳被蓋)

中脳の被蓋部は、睡眠と覚醒の調節に関与する網様体賦活系(もうようたいふかつけい)の一部です。このシステムは脳の覚醒状態を維持し、刺激に対する反応性を高める役割を持っています。中脳が正常に機能している場合、覚醒状態が維持され、注意力や意識が保たれます。これが損なわれると、昏睡や意識障害が発生する可能性があります。

 

3. 中脳の役割の重要性

中脳は、大脳と脊髄の間での情報の中継点として、非常に多くの機能を果たします。運動、感覚、視覚や聴覚の反射、覚醒状態の維持など、生命に直結する重要な機能が集中しているため、損傷や病気が発生すると多岐にわたる神経障害が引き起こされます。

 

4. 中脳の損傷や障害

中脳が損傷されると、以下のような症状が現れる可能性があります:

・運動障害: 黒質が損傷されると、パーキンソン病のような運動制御障害が現れます。

・視覚・聴覚反射の異常: 上丘や下丘の損傷により、視覚や聴覚に対する反応が遅れることがあります。

・眼球運動障害: 中脳にある動眼神経核や滑車神経核の障害は、眼球運動の異常や視覚問題を引き起こします。

 

中脳は、脳全体の機能に対して重要な役割を果たしているため、その健康状態は日常的な運動機能や感覚反応、意識の維持に深く関わっています。