【脳梗塞 リハビリ めまい】脳卒中後のめまいから平衡感覚について!
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【脳梗塞 リハビリ めまい】脳卒中後のめまいから平衡感覚について!
平衡感覚は、身体の健康や運動のパフォーマンスにとって非常に重要な役割を果たします。これは、人間が移動する際に必要な機能であり、また、外部からの要因に対して適応する能力も備えています。例えば、地面が不安定なときや、物を持って歩くときなど、平衡感覚が働いていることを実感することができます。しかし、年齢とともに平衡感覚は衰退します。特に高齢者は、平衡感覚の低下によって転倒などの事故に遭遇するリスクが高くなります。
そのように重要な平衡感覚について学ぶために論文などから引用参照してみました。
めまいのメカニズム
めまいには、耳から生じるめまいと、脳から生じるめまい、加齢から生じるめまいがあるといわれています。ここでは脳から生じるめまいについて述べていきます。
脳幹には体の位置、平衡を司る神経系が集まり、その障害によって回転するめまいがおこることが多いと言われています。脳幹からの情報は視床、さらに大脳皮質へ伝えられます。ここの障害ではふわふわするようなめまいを感じることが多いと考えられています。
平衡感覚とは
1.平衡感覚とは
- 皮膚感覚や深部感覚、視覚を除いても、直進加速度や回転加速度を感じる感覚を平衡感覚あるいは前庭感覚という
- 平衡感覚によって、生体は全身の姿勢と運動、全身の空間における相対的位置などが感知
- 平衡感覚によって姿勢と運動の平衡や眼球運動も反射的に調整
2.平衡バランスの制御
- 脳幹系(反射依存型適応)と大脳皮質系(状況依存型適応)がある
- 脳幹系(反射依存型適応)…脳幹 ・ 脊髄 ・ 小脳から構成され,おもに静的平衡機能に関わる中枢による運動制御。姿勢反射として姿勢保持
- 大脳皮質系(依存型適応)…間脳・大脳基底核・大脳を含めた高次中枢プログラムにより,生活環境の中での運動誤差や外界の変化を知覚して運動を制御。姿勢制御に関与
平衡バランスは,脳幹 ・ 脊髄 ・ 小脳から構成され,おもに静的平衡機能に関わる中枢(反射依存型適応)とさらに間脳・大脳基底核・大脳を含めた高次中枢プログラムにより,生活環境の中での運動誤差や外界の変化を知覚して運動を制御する(状況依存型適応)脳幹系と大脳皮質系の 2つの経路に分類される。
脳幹系・大脳皮質系における神経回路では,視覚・体性感覚・前庭覚から得られた情報が前庭神経核で集約され,脳幹系では姿勢反射として姿勢保持に働き,大脳皮質系では統合された後,外側運動制御系と内側運動制御系として下降し,姿勢制御に関与する。
(1)脳幹系
- 感覚器からの情報を前庭神経核で統合,姿勢反射を誘発して平衡バランスを獲得
前庭脊髄反射は,前庭で受けた情報を体幹・四肢の伸筋に作用する。
頸動眼反射は,上位頸椎の固有受容器と外眼筋が連動し,眼球運動を起こす。
前庭眼反射は,歩行時など頭部の揺れを補正して対象物を認識できるように作用する。
前庭頸反射では,空間において前庭からの動きの情報,眼球からの情報を得て頭部を固定する働きがある
(2)大脳皮質系
- 外側運動制御系…上肢下肢体幹の運動に関与
- 内側運動制御系…頭頸部体幹の制御と視覚,体幹四肢の協調機能により姿勢制御に関与
(脳における平衡機能の統合メカニズム 浅井友詞 理学療法学 第 40 巻第 8 号 538 ~ 539 頁(2013 年))
https://www.jstage.jst.go.jp/article/rigaku/40/8/40_KJ00009391875/_pdf
3.まとめ
平衡感覚とは、直進加速度や回転速度を感じる感覚
平衡感覚によって姿勢と運動の平衡や眼球運動も反射的に調整
平衡管感覚の制御には脳幹系と大脳皮質系がある
脳幹の障害によるめまいは回転性、大脳皮質系によるめまいはふわふわすることが多い