VOL.38 脊髄の構造 ~長兄small talk~
こんにちは長兄です。日曜~昨日まで秋休みと称して5連休を頂きました。昨年の6月から始まったこの事業。とにかく右も左も分からず走り続けたこの1年半。まだまだ課題は山積していますが少しずつ形になってきているのかな!?そんな中での小休止。久しぶりに近くの箱根まで足を伸ばしてきました。秋の箱根は紅葉はもちろんのこと、芦ノ湖や、温泉など癒しの要素がいっぱいで仕事を忘れリフレッシュしてきました。また今日から年末まで全力リハビリを提供して参ります。
さて、今回は「脊髄の構造」お話です。
神経系の全貌を理解するには、脳と双璧をなす神経器官である、脊髄について知ることも欠かせない。ここでは脊髄を構成する要素を、詳しく見ていきたい。
脊柱の椎骨と椎弓の間隙である脊柱管の中にある脊髄は、長さ40~45㎝、直径約1㎝の円柱型をしている。
脊髄は、脳と同様に内側から軟膜、クモ膜、硬膜の3層の膜(髄膜)に覆われている。硬膜と椎骨の間には、静脈叢や脂肪組織が存在している。
脊髄の表面には縦に溝があり、特に深い前正中裂と後正中溝が脊髄を左右に分ける。溝が比較的浅い前外側溝と後外側溝は、根糸と呼ばれる神経線維の束が出ていく場所である。前外側溝から出た根糸は、複数集まって前根(糸)になり、後外側溝から出た根糸は後根(糸)になる。後根は硬膜内で脊髄神経節という膨らみをつくり、その後、前根と合流して1本の脊髄神経となり、脊柱管を出て末梢器官へ向かう。
【神経が集まる箇所は特に太くなる】
脊髄にも、脳と同様、灰白質と白質がある。脳と大きく異なるのは、内側に灰白質があり、外側に白質が存在する点である。
灰白質領域には機能が異なる区分があり、それぞれ前角、後角、側角と呼ばれている。前角にはおもに運動ニューロンが、後角にはおもに感覚ニューロンが、側角にはおもに自律神経が存在する。
白質領域は、上方の中枢に情報を伝導する上行性線維と、下方へと伝導する下行性線維の通り道である。上行性線維は感覚性で脊髄の後角から始まり、後索を通って延髄の核に向かう経路と、前側索を通って視床に向かう経路などがある。下行性線維は運動性で、大脳皮質から側索を通って脊髄の前角に達する経路がある。
脊髄は、高さによって太い箇所と細い箇所があり、灰白質と白質の分布も異なっている。頚髄と腰髄の特に膨らんだ部分は頚膨大、腰膨大と呼ばれ、上肢と下肢関連の複雑な情報処理を行っている。
1. 頚髄
同じ頚髄でも脳に近い第2頚髄は白質が多い円柱型だが、第8頚髄になると上肢の動きに対応するため、運動ニューロンが多く、前角が非常に発達する。
胸部や腹部の内臓に分布して、その働きを支配する自律神経ニューロンが多いため、側角が発達している。
3. 腰髄
下肢の複雑な動きをコントロールするため、灰白質領域が増大している。尾側に向かうほど、下行性線維が減っていくため、白質が少なくなる。
4. 仙髄
上行性線維も下行性線維も少なくなるため、仙髄から尾髄、脊髄の下端である脊髄円錐の白質容積は非常に少なくなる。
参考文献
ぜんぶわかる 脳の辞典:p74,75 成美堂出版