VOL.34 脳内の静脈の分布 ~長兄small talk~
こんにちは長兄です。ここ横浜は晴天が続きますが、まだ10月にもかかわらず、もう既に12月初旬の寒さの日もしばしば。本当に毎日洋服選びには悩まされます(基本毎日ジャージですが・・・)。
前回に続いて今までやってこなかったシリーズで最近少し楽しいと感じていることパート2。それは・・・・・・動画&画像編集。これまでは難しそう、時間がかかりそうなどなどから敬遠してきましたが、最近はおじさんでもスマホでサクサク出来るアプリをいくつか発見し、それらを組み合わせることで必要最低限レベルの動画が作成出来るようになってきました。本当にアプリを作ってくれた方々には感謝感謝。ただ、動画の整理は毎日やらないと大変な事になるのでそれだけは欠かさずに。
さて、今回は「脳内の静脈の分布」お話です。あまり馴染みはないですが、
栄養を運び終えた血液は、静脈血となり静脈を経由して心臓へと戻る。脳をめぐる静脈は表面を走る浅静脈と、深部を走る深静脈に大別される。
二酸化炭素などの不要な物質は、静脈血にのって心臓へと戻る。脳の静脈には、脳表面の浅静脈と、脳深部の深静脈がある。
細い静脈(細静脈)によって脳表に集められた浅静脈は、上大脳静脈、下大脳静脈、浅中大脳静脈、上吻合静脈、下吻合静脈を介し、静脈洞に注ぐ。
一方の深静脈では、視床線条体静脈、脈絡叢静脈などの細静脈が脳深部から集まり、左右の内大脳静脈を形成する。さらに左右の内大脳静脈が合流し、大大脳静脈へ注ぐ。
浅静脈は大脳表面から直接、静脈洞に注ぎ出すが、深静脈は大脳深部の血液を集めて大大脳静脈に集まり、ここから静脈洞に注いでいる。
【静脈洞・内頚静脈を経由し、血液が心臓に戻る】
浅静脈も深静脈も、最終的にはすべて静脈洞に静脈血を注ぐ。静脈洞には、上矢状静脈洞、下矢状静脈洞、海綿静脈洞、錐体静脈洞、横静脈洞などがある。
大脳縦裂内の硬膜、大脳鎌の上部には、もっとも大きな静脈洞である上矢状静脈洞が拡がっている。その下部の下矢状静脈洞から流れる静脈血は、頭蓋後部にある直静脈洞、横静脈洞へと流れ、最終的に内頚静脈に至る。
頭蓋底部を走る静脈洞には、上錐体静脈洞と下錐体静脈洞があり、その流れは海綿静脈洞へと続く。また脳底には、脳底静脈叢があり、海綿静脈洞と下錐体静脈洞へと続いている。
脳底の静脈洞も、最終的に内頚静脈へと流れ、その後静脈血は心臓に戻っていく。
【海綿静脈洞の内部をさまざまな脳神経が通る】
硬膜と頭蓋骨の間を走る静脈洞を、硬膜静脈洞という。上矢状静脈洞がその代表だが、海綿静脈洞もそのひとつである。
海綿静脈洞は、脳底面で下垂体を取り囲むように存在しており、その名の通り内腔は海綿状を呈している。
その海綿状の組織のなかを、動眼神経、滑車神経、外転神経、眼神経、上顎神経などの脳神経が貫通している。
そのため海綿静脈洞で、炎症や腫瘍、あるいは内頚動脈の血圧上昇などが起こると、脳神経の圧迫に伴う諸症状が現れる。こうした症状を、海綿静脈洞症候群という。
また海綿静脈洞は、上眼静脈を介して顔面の静脈ともつながっているため、顔面の炎症により海綿静脈洞が圧迫されることもある。
【頚部~脳の静脈分布】
脳の静脈系には、おもに脳後部を走り、脳表面をめぐる浅静脈系と、脳底部で独立して静脈血を還流させる深静脈系がある。どちらの系統も、最終的に左右2本の内頚静脈に集まり、心臓へと戻っていく。
引用引用文献
ぜんぶわかる 脳の辞典:p62,63 成美堂出版