脳卒中後に仕事へ復帰したい方へ|復職前に確認したいポイント
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脳卒中後に仕事へ復帰したい方へ|復職前に確認したいポイント
脳卒中後、「そろそろ仕事に戻りたい」と考える一方で、本当に以前のように働けるのか、不安を感じることもあるでしょう。
復職を考える際、歩けるようになったか、手が動くようになったかといった身体の状態だけで判断することは難しい場合があります。通勤や勤務時間に耐えられるか、集中力を保てるか、疲れが翌日まで残らないかなど、実際の仕事を続けるためにはさまざまなことを確認する必要があります。
また、脳卒中後の状態や仕事の内容、職場環境は人によって異なります。そのため、「この状態なら復職できる」と一律に決めることはできません。
大切なのは、復職できるかどうかを一度で判断しようとするのではなく、現在の状態と仕事に必要なことを一つずつ整理していくことです。
脳卒中後の復職では「できる動作」と「仕事を続けられるか」を分けて考えます
復職を考えるとき、「日常生活ができるようになったから仕事もできるはず」と考えることがあるかもしれません。
しかし、日常生活と仕事では求められる能力が異なる場合があります。
例えば、短時間の歩行は問題なくても、通勤を含めた移動を毎日続けると負担になることがあります。また、身体を動かす仕事では、立ち続けることや荷物を扱うこと、細かい作業が必要になることもあります。
デスクワークでも、長時間座っていることだけでなく、画面を見続けること、複数の作業を進めること、周囲とやり取りすることなどが必要になります。
復職前には、次のような点を整理してみるとよいでしょう。
- 通勤を含めた移動を無理なく行えそうか
- 勤務中に必要な姿勢や動作を続けられそうか
- 疲れが強くなりすぎないか
- 集中して作業を続けられるか
- 仕事の手順を理解し、必要な判断を行えるか
ここで重要なのは、できないことだけを探すことではありません。
「今できること」と「負担になりやすいこと」を分けて考えることで、復職に向けて何を準備すればよいかが見えやすくなります。
体力や疲れ方は、実際の生活の中で確認することが大切です
脳卒中後は、以前と同じように動けるように感じていても、活動が続くと疲れやすさを感じることがあります。
そのため、短時間の動作ができるかだけでなく、活動した後にどの程度疲れるのか、その疲れが生活にどのような影響を与えるのかを確認することも大切です。
例えば、外出した日に帰宅後は何もできなくなる、翌日に強い疲れが残るといった場合には、仕事を始めた際の負担についても考える必要があります。
一方で、疲れがあるから復職できないと決めつける必要もありません。
仕事の内容や勤務の仕方、休憩の取り方、通勤方法などによって負担が変わる場合があるためです。
復職に向けて生活を整えるときは、仕事だけを想定して生活全体を疲れさせすぎないことも重要です。
普段の生活の中で活動量を少しずつ確認しながら、自分にとって負担になりやすい場面を把握していきましょう。
仕事の内容を具体的に整理すると、復職前に確認することが見えやすくなります
「仕事に戻る」と考えるだけでは、何を準備すればよいのか分かりにくいことがあります。
そこで、自分の仕事をできるだけ具体的に書き出してみる方法があります。
例えば、
- 長時間歩く必要がある
- 立ったまま作業する
- パソコン操作を行う
- 細かい手作業がある
- 重い物を扱うことがある
- 複数の仕事を同時に進める
- 電話や対面での対応が多い
などです。
仕事に必要な動作や作業が分かれば、現在の状態と照らし合わせやすくなります。
「できる・できない」の二択だけではなく、「できるが疲れやすい」「時間がかかる」「環境によって難しい」といった整理も役立ちます。
また、仕事内容によっては、以前とまったく同じ働き方だけが選択肢とは限りません。
業務内容や勤務時間、休憩の取り方などについて職場と相談することで、復職の方法を検討できる場合もあります。
どのような配慮が可能かは職場によって異なるため、一人で結論を出さず、必要に応じて相談することが大切です。
復職前は主治医やリハビリ専門職、職場と情報を共有しましょう
脳卒中後の復職では、自分の感覚だけで判断するのが難しい場合があります。
自分では問題なくできていると思っていても、専門職から見ると注意が必要な点があることもあります。反対に、自分では自信がなくても、確認してみると仕事につながる能力が保たれている場合もあります。
復職について不安があるときは、主治医やリハビリテーション専門職に、具体的な仕事内容を伝えて相談してみましょう。
「仕事に戻れますか」とだけ聞くよりも、「通勤でこれくらい歩く」「このような作業がある」と仕事内容を具体的に伝えるほうが、相談内容を整理しやすくなります。
また、職場側にも現在の状況や不安な点を必要な範囲で共有することが、復職後の働き方を考えるうえで役立つ場合があります。
復職は本人だけの努力で進めるものではありません。
医療機関、リハビリテーション専門職、職場など、相談できる相手と情報を共有しながら考えることで、一人で抱え込まずに済むことがあります。
復職後も状態を確認しながら働き方を考えることが大切です
復職できたことが、そのまま「以前と同じように問題なく働き続けられる」という意味とは限りません。
実際に仕事を始めてみると、通勤や業務による疲れ方、集中力の変化、身体への負担など、新たに気づくことがあります。
そのため、復職前だけでなく、復職後も自分の状態を確認することが大切です。
疲れが強く続く、以前より症状が悪化したように感じる、仕事中に身体の動かしにくさや体調面で不安がある場合は、無理を続けず、早めに医療機関へ相談しましょう。
また、仕事を続けるために必要なリハビリテーションや生活上の工夫について、改めて専門職に相談することも一つの方法です。
復職を「成功か失敗か」で考える必要はありません。
働きながら状態を確認し、その時点での自分に合った働き方を考えていくことも、長く仕事を続けるためには大切です。
まとめ
脳卒中後の復職を考えるときは、身体が動くかどうかだけで判断するのではなく、通勤、体力、疲れやすさ、集中力、仕事内容、職場環境などを整理することが大切です。
まずは、自分の仕事に何が必要なのかを書き出し、現在できることと負担になりやすいことを確認してみましょう。
そのうえで、主治医やリハビリテーション専門職、必要に応じて職場とも相談しながら、復職に向けた準備を進める方法があります。
焦って以前と同じ働き方に戻そうとするよりも、今の状態を確認しながら、続けやすい働き方を考えることが次の一歩になります。
本記事は一般的な情報を提供するもので、個別の復職可否や診断、治療を判断するものではありません。復職について不安がある場合は、主治医や医療機関、リハビリテーション専門職へご相談ください。
参考情報
- 国立循環器病研究センター|脳卒中の基礎知識
https://www.ncvc.go.jp/hospital/pub/knowledge/disease/stroke-2/ - 国立循環器病研究センター|脳卒中の症状と対応
https://www.ncvc.go.jp/hospital/pub/knowledge/case/brain/ - 東京都保健医療局|救急相談 #7119
https://www.hokeniryo1.metro.tokyo.lg.jp/junkanki-portal/disease_free/7119.html - 総務省消防庁|救急受診ガイド
https://www.fdma.go.jp/publication/portal/post8.html - 日本脳卒中協会|啓発資料
https://www.jsa-web.org/wp-content/uploads/2024/09/press20240910sam.pdf
迷ったら、まず相談を
症状が急に強くなった、いつもと違うと感じる場合は、早めに医療機関へ相談してください。
突然のしびれ、ろれつが回らない、強い頭痛などがあれば救急要請を検討してください。









