脳梗塞は治る?退院後しばらくの回復の見通しと、家で最初にやること
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脳梗塞は治る?退院後しばらくの回復の見通しと、家で最初にやること

脳梗塞は「治る/治らない」だけで決まらない
退院して、家に戻れた。ほっとしたのに、ふとした瞬間に不安が出てくることがあります。
立ち上がる、歩く、手を使う、会話をする。病院では人の手があったのに、家では自分たちで回していく。そうなると、「この先どうなるんだろう」「元に戻れるのかな」と考えやすくなります。
検索で「脳梗塞 治る」と調べるのも、自然な流れです。ただ、ここで大事なのは、言い切れる答えを急いで探すより、退院後しばらくの回復の見通しを落ち着いて整理し、家での優先順位を決めることです。この記事は、そのための地図を一緒に作る内容です。本人と家族が同じ方向を見られるように、一般的な考え方を順番にまとめます。
脳梗塞の回復は、白黒で割り切りにくいところがあります。「完全に元通りになるか」という一点だけで見ると、希望が上がったり下がったりしやすいです。そこで見方を変えて、「生活の中で困っていることが、どれくらい減っていくか」「安全にできることが増えるか」を軸にすると、現実に沿った見通しが立ちやすくなります。
回復の見通しは「時間」と「生活の困りごと」で見ていく
回復の進み方には個人差があり、同じ人でも日によって波が出ることがあります。良い日があっても、次の日に疲れが出て落ち込むことがあります。ここは努力不足と決めつけるより、体力や集中の回復がまだ途中である、と捉えた方が建設的です。
できることが増える日と、揺れる日がある
家族にとっても、この前提は助けになります。今日できたことが、明日できない日があっても、すぐに悪化と結論づけず、「今は負荷を調整する日かもしれない」と切り替えやすくなるからです。
退院後しばらくで起きやすい変化
体力・注意・動きや感覚などは揺れることがあります
退院後しばらくは、生活のリズムが変わります。病院では予定が組まれていましたが、家では自分で段取りを作る必要があります。そのぶん、疲れ方が目立つことがあります。
疲れやすさと集中の落ち込み
よくあるのは、体力が続きにくい、集中が切れやすい、注意が散りやすいといった変化です。外から見ると元気そうでも、本人は内側の疲労を強く感じていることがあります。
手足・感覚・言葉のゆらぎ
手足の動きや感覚、しびれ、言葉の出にくさも、一定ではなく揺れる場合があります。調子が良い時間帯と悪い時間帯が出ることもあります。
気持ちの落ち込みや不安が強くなること
また、不安や落ち込みが強くなることも珍しくありません。後遺症そのものだけでなく、「また起きたらどうしよう」という怖さや、できないことが目につく状況が重なるためです。ここは気合いで押す場所ではなく、生活の組み立てで支える場所です。
安全を守りつつ、できることを増やす順番
家でのリハビリは、「たくさんやる」より「続けられる形を作る」ことが基本になります。優先順位の土台は安全です。転倒や無理な負荷が続くと、回復に向けた取り組みが続けにくくなる場合があります。
まずは転倒と無理の予防
まずは、危ない動きや場面を洗い出します。例えば、段差、浴室、夜間のトイレ、急いだ移動、片手での重い荷物などです。次に、そこでの工夫を決めます。手すりや椅子の位置、照明、動線、靴、家族の見守りのタイミングなど、生活側の調整が中心です。
小さく試して、うまくいった形を増やす
次に、「小さく試す」を基本にします。歩く距離をいきなり伸ばすより、同じ距離でも転びにくい形で歩けるか、疲れたあとにどう回復するかを見ます。手の練習も、速さや回数より、生活で使う場面に繋げやすい形にすると続きやすいです。
記録は「できたこと」を中心にする
記録をつけるなら、「できなかったこと」より「できたこと」を中心にします。例えば、昨日より立ち上がりが楽だった、休憩を挟んだら外出できた、声に出して確認しながら安全に動けた、などです。波がある時期ほど、積み上がりを見える形にする方が不安が増えにくいです。
手助けしすぎない線引きと、声かけのコツ
家族は「危ないことを避けたい」と「できるようになってほしい」の間で揺れます。どちらも大切なので、どちらかをゼロにするのではなく、線引きを決めるのが現実的です。
介助は「全部やる」ではなく「危ない所だけ支える」
介助は、全部やるのではなく、危ない部分だけ支える発想が基本になります。例えば、立ち上がりの最初だけ支える、段差だけ見守る、疲れが出たタイミングで休憩を提案する、といった形です。本人の動きを奪いすぎると、できることが増えにくくなる場合があります。一方で、無理をさせる必要もありません。ここは「安全を守りながら任せる」が目標です。
声かけは指示より確認
声かけは、指示より確認が役に立ちます。「こうして」より、「今どこが怖い?」「どこまでなら大丈夫そう?」「先に休む?」のように、本人が自分で調整できる問いかけにすると、落ち着いて動きやすくなります。
家族自身の休み方も計画に入れる
もう一つ大事なのは、家族自身の休み方です。付き添いが続くと、家族の疲労が積み上がります。疲れた状態だと、声かけが強くなったり、逆に過剰に手を出したりしやすくなります。休む日や外部の支援を入れる日も、回復計画の一部として考えるのが安全です。
情報の集め方と、比べ方
情報を増やしすぎない
不安が強いときほど、情報を集めたくなります。ただ、情報を増やしすぎると、かえって怖さが上がることがあります。まずは見る場所を決めるのがおすすめです。主治医やリハビリ担当者に確認する、信頼できる医療機関の説明を見る、など、入口をしぼるだけでも気持ちが落ち着きやすくなります。
他人と比べるより、昨日の自分と比べる
比べ方も工夫できます。他人の回復と比べると、焦りや落ち込みが増えやすいです。そこで、比べる相手を「昨日の自分」にします。昨日より疲れにくい工夫ができた、休憩の入れ方がうまくいった、段取りが整った。こうした変化は小さく見えても、生活を回す力そのものです。
不安が強い日は「整える行動」に寄せる
不安が強い日は、頑張るメニューを増やすより、整える行動に寄せるのが安全です。睡眠、食事、休憩、家の中の動線、予定の詰め込みすぎを減らす。回復を支える土台を整えることで、結果としてできることが増えやすくなります。
受診・相談の目安と、横浜市での相談先の選び方
退院後は、「急ぐサイン」と「急がないが相談したいサイン」を分けておくと迷いが減ります。
急ぐサイン(迷う場合も含めて早めに相談)
急ぐサインの例としては、急に片側の手足が動かしにくい、ろれつが回らない・言葉が出にくい、顔の片側が下がる、急に見えにくい、強いめまいで立てない、これまでにない強い頭痛、意識がぼんやりする、といった変化があります。こうした症状があるときは、迷う場合も含めて、早めに医療機関へ相談してください。
急がないが相談したいサイン(困りごとの相談)
一方で、急がないが相談したいサインもあります。例えば、疲れやすさが強くて生活が回らない、転びそうで外に出られない、家族の介助が増えて限界に近い、家の中の工夫がうまくいかない、不安が強い時期が続く、などです。こうした困りごとは、早めに相談して調整した方が、長い目で見て負担が減る場合があります。
外来リハ・訪問リハ・地域の窓口の使い分け
相談先は、目的で分けると整理しやすいです。通院しながら練習や調整を進めたい場合は外来リハビリ、家の環境そのものを整えながら進めたい場合は訪問リハビリが選択肢になります。制度やサービスの入口が分かりにくいときは、地域の相談窓口も役に立ちます。横浜市で退院後の生活やリハビリの相談先を探すときも、まずは「今いちばん困っていること」を一つに絞って相談すると話が進みやすくなります。
📢 迷ったら、まず相談を
「これって脳梗塞かも…?」と感じたら受診のサインです。症状が突然・いつもと違うなら、ためらわず119番を。退院後のリハビリや在宅支援のご相談は、地域の医療機関・保健所・ケアマネジャーにお問い合わせください。
🗂 よくある質問
🔗 参考サイト
- 厚生労働省:脳卒中の治療と仕事の両立 お役立ちノート(PDF)
- AHA/ASA:成人の脳卒中リハビリテーション指針(2016)
- AVERT試験:超早期離床の検証(2015)
- AHA/ASA:Poststroke Depression 科学声明(2017)
- WHO:Rehabilitation 2030 initiative









