脳梗塞の退院後、治療は何を続ける?通院とリハビリの流れを整理
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脳梗塞の退院後、治療は何を続ける?通院とリハビリの流れを整理

退院後も治療の一部は続く
脳梗塞で入院を乗り越えて退院できたのに、家に戻ってから「これからの治療はどうなるのだろう」「また同じことが起きたらどうしよう」と不安が強くなることがあります。体は少しずつ動かせるようになってきても、通院、薬、リハビリ、生活の調整が同時に始まり、何から手をつければよいか迷いやすい時期でもあります。
この記事では、退院後しばらくの時期に起こりやすい不安を前提に、治療とリハビリをどう整理して考えると次の一歩が選びやすいかを、一般論として順番にまとめます。細かな方針は人によって違うため、決めつけずに「確認のしかた」を中心に扱います。
退院はゴールというより、生活に戻るための区切りです。病院にいる間は予定が決まっていて、相談相手も近くにいます。一方、家に戻ると、自分で判断しなければならない場面が増えます。すると、少しの違和感でも「悪化かもしれない」と考えやすくなります。
この時期の不安は、弱さや気持ちの問題と決めつける必要はありません。環境が変わり、情報が散らばりやすいことが影響している場合があります。まずは「退院後も治療の一部は続く」という前提で、何が続き、何が変わるのかを整理していくのが現実的です。
通院・薬・リハビリ・生活調整の役割分担
退院後の「治療」は、手術や点滴のようなものだけを指すとは限りません。退院後も続く通院や再発予防の取り組み(医師の指示)を含めて考えると、見通しが立ちやすくなります。
大きく分けると、次のような役割があります。
- 通院:体の状態の確認、薬の調整、検査のタイミングの相談
- 薬:再発予防などの目的で続くことがある(開始や中止は医師に確認)
- リハビリ:動きや生活動作を安全に広げる練習、疲れやすさへの対策
- 生活調整:転倒を避ける工夫、休み方の見直し、家族の支え方の調整
この全体像が頭に入ると、今の困りごとがどこに属するかを切り分けやすくなります。「全部いっぺんに完璧にやる」より、「今いちばん困っているところ」から順に扱うほうが続けやすいです。
回復の見通しと「できること」の積み上げ方
退院後しばらくは、回復のペースが日によって違うと感じることがあります。調子が良い日がある一方で、疲れが強い日も出ます。こうした揺れがあると「このまま良くならないのでは」と不安になりがちです。
目標を立てるときは、いきなり大きな目標だけにしないほうが安全です。例えば「外出を増やす」より先に、「家の中で安全にできることを増やす」「疲れたときの休み方を決める」など、手前の段階を作ると迷いが減ります。
家族がいる場合は、本人ができることと、手伝ってもらうことを分けておくと、気持ちの負担が軽くなることがあります。できることを少しずつ積み上げる考え方は、結果的に不安の波を小さくする助けになる場合があります。
不安が強いときに起きやすいこと:動きすぎ・動かなすぎの両極を避ける
不安が強いと、行動が両極に振れやすくなります。ひとつは「取り戻さなきゃ」と焦って動きすぎる方向、もうひとつは「また怖いから」と動きを避けてしまう方向です。どちらも、体の疲れや気持ちの負担につながることがあります。
大切なのは、今日の体調に合わせて量を調整することです。動く日でも、途中で休む場所や時間を先に決めておく。逆に、休む日でも、まったく動かないより「安全にできる範囲を少しだけ残す」。このように「両極を避ける設計」にすると、続けやすくなります。
もしリハビリの内容や負荷が合っているか迷うときは、回数や時間を増やす前に、疲れの出方や翌日の影響をメモして相談材料にするのが現実的です。
家でできる整理
退院後しばらくの不安を減らすために、家でできることは「頑張ること」ではなく「整理すること」です。紙でもスマホでもよいので、次の3つを短く書き出してみてください。
- 困っている動作(例:歩く、立つ、手が使いにくい、疲れやすい)
- 困る時間帯や場面(例:朝、外出、風呂、買い物)
- いちばん心配なこと(例:再発が怖い、転ぶのが怖い)
このメモがあると、通院のときに話が早くなります。家族が同席できるなら、本人の困りごとと、家族が困っていることを分けて書いておくのも有効です。支え方の線引きが曖昧だと、双方の負担が増えやすいからです。
横浜市青葉区で生活を続けながら支援を考える場合も、相談先に「何を相談したいか」が伝わると、必要な情報につながりやすくなります。
相談や受診の目安
退院後は、体の変化に敏感になりやすい時期です。迷ったときは、自己判断で抱え込まず、まず医療機関に連絡して状況を確認するのが安全です。あわせて、怖さだけで動けなくならないよう、できる範囲の生活を続ける視点も大切です。
とくに、言葉が出にくい、顔や手足の片側が急に動かしにくいなど「いつもと明らかに違う急な変化」があるときは、早めの相談が勧められています。明らかな急変で緊急性が疑われる場合は、救急要請が必要になることもあります。
体の疲れやすさなどは日によって揺れることもありますが、自己判断で抱え込まず、メモをもとに通院や相談の場で確認していくほうが安心につながりやすいです。
📢 迷ったら、まず相談を
「これって脳梗塞かも…?」と感じたら受診のサインです。症状が突然・いつもと違うなら、ためらわず119番を。退院後のリハビリや在宅支援のご相談は、地域の医療機関・保健所・ケアマネジャーにお問い合わせください。
🗂 よくある質問
- Q. 脳梗塞の退院後、治療はいつまで続くの?
- 目的によって期間が変わることがあります。薬や通院は再発予防のために続く場合があり、自己判断でやめず、医師に確認することが大切です。
- Q. 退院後しばらく不安が強いのは普通ですか?
- 環境が変わり、判断する場面が増えるため、不安が強くなることがあります。気持ちの問題と決めつけず、困りごとを整理して相談材料にする方法が役立つ場合があります。
- Q. 退院後、リハビリはどれくらい頑張ればいいですか?
- 一律には言えません。疲れの出方や翌日の影響を見ながら調整する考え方が現実的です。迷うときは記録を持って相談すると方向が定めやすくなります。
- Q. 動いたほうがいいのか、休んだほうがいいのか分かりません
- 動きすぎと動かなすぎの両極に偏ると負担が増えることがあります。体調に合わせて量を調整し、「安全にできる範囲」を少し残す工夫が助けになる場合があります。
- Q. 家族はどこまで手伝えばいいですか?
- 本人ができることと、手伝ってもらうことを分けておくと、双方の負担が減ることがあります。支え方の線引きは、通院やリハビリの相談の場で一緒に確認すると安心です。
- Q. 退院後に「いつもと違う」と感じたら、すぐ受診したほうがいいですか?
- 迷ったら、まず医療機関に連絡して状況を確認するのが安全です。言葉が出にくい、顔や手足の片側が急に動かしにくいなど、いつもと明らかに違う急な変化がある場合は早めの相談が勧められています。明らかな急変で緊急性が疑われる場合は、救急要請が必要になることもあります。
🔗 参考サイト
- 厚生労働省:脳卒中の治療と仕事の両立 お役立ちノート(PDF)
- AHA/ASA:成人の脳卒中リハビリテーション指針(2016)
- AVERT試験:超早期離床の検証(2015)
- AHA/ASA:Poststroke Depression 科学声明(2017)
- WHO:Rehabilitation 2030 initiative









