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脳梗塞の一種「ラクナ」とは?小さな血管が詰まる危険なサイン

2025/11/11


脳梗塞の一種「ラクナ」とは?小さな血管が詰まる危険なサイン

脳梗塞とラクナ梗塞の基本を知ろう

脳梗塞は、脳の血管が詰まって血流が途絶え、脳の一部が損傷してしまう病気です。その中でも「ラクナ梗塞(lacunar infarction)」は、脳の奥深くにある細い血管(穿通枝)が詰まるタイプを指します。病変は小さくても、場所によっては手足のしびれや言葉のもつれなど重大な症状を起こすことがあります。

ラクナとはラテン語で「小さな穴」という意味で、MRIなどで見ると小さな空洞(ラクナ)が確認されることが多いです。直径15mm以下の小梗塞が特徴とされ、高血圧や糖尿病などの生活習慣病が主な原因とされています。

ラクナ梗塞はなぜ起こるの?

脳の深部には、脳の働きを支える細い血管が多数走っています。これらは血圧の影響を強く受けやすく、長年の高血圧によって血管の壁が厚くなり、やがて血流が悪化して詰まりやすくなります。特に、基底核・視床・橋(きょう)と呼ばれる部位に多く発生します。

🔹 代表的な発生部位

基底核、視床、脳橋などの深部領域に生じやすい。これらの部位は運動・感覚や認知に関わるため、場所により症状が異なる。

📌 要点

ラクナ梗塞は小さな血管の詰まりによって起こる脳梗塞で、高血圧や糖尿病などが大きなリスク要因となる。
🪶 日常へのアドバイス

血圧や血糖値を定期的にチェックし、小さな体の異変を放置しないことが早期発見につながる。

ラクナ梗塞の症状と前兆を見逃さないために

ラクナ梗塞は、脳の深い部分にある小さな血管が詰まるため、出血や大きな梗塞のように派手な症状が出ないこともあります。しかし症状が軽くても、脳の重要な神経経路を傷つけると日常生活に影響を及ぼすことがあります。

よく見られる症状パターン

  • 純粋運動麻痺:顔や腕、脚などの片側が動かしにくくなる。
  • 純粋感覚障害:片側の手足や顔にしびれや感覚鈍麻が生じる。
  • 運動感覚麻痺:動きと感覚の両方が障害される。
  • 構音障害と手の不器用さ:言葉がもつれたり、細かい動作がしにくくなる。

これらの症状は数分から数時間で軽快することもありますが、一過性脳虚血発作(TIA)の可能性もあり、放置すると本格的な脳梗塞へ移行する危険があります。

どんなサインに注意すべき?

「手がしびれるけどすぐ治る」「一瞬だけ言葉が出にくい」といった一過性の症状も、ラクナ梗塞の前兆であることがあります。特に高血圧や糖尿病を持つ方では注意が必要です。また、症状が軽いために疲れや年のせいと自己判断しがちですが、小さなダメージが蓄積していることもあります。

📌 要点

ラクナ梗塞は軽い片麻痺やしびれ、構音障害などで現れ、一過性でも脳の小血管のダメージが進行している可能性がある。
🪶 日常へのアドバイス

少しでも体の動きや感覚に違和感を覚えたらまず受診を。軽症のうちに原因を見つけることが将来の重症化を防ぐ鍵となる。

ラクナ梗塞の治療と再発予防の基本

疑われた場合、まず行われるのが脳画像検査(MRIやCT)です。MRIは小さな病変も検出できるため診断の決め手になります。発症直後であればt-PA静注療法が検討されることもありますが、ラクナ梗塞は血栓が小さいため一般的には抗血小板薬や降圧薬による内科的治療が中心です。

急性期の治療方針

  • 抗血小板薬(アスピリン、クロピドグレルなど):血小板の凝集を抑え再発を防ぐ。
  • 降圧薬:血管の負担を軽減し次の発作を防止。
  • 糖尿病・脂質異常症の治療:動脈硬化の進行を抑える。

これらの薬は再発予防のために継続治療が重要です。

リハビリテーションの役割

手足の動きや言葉に軽い障害が残る場合には、早期からの理学療法・作業療法・言語療法が推奨されます。脳の可塑性を引き出すため、継続的なリハビリが回復を助けます。

📌 要点

治療は抗血小板薬・降圧薬などの内科的管理が中心で、再発防止のための生活習慣改善と薬物継続が欠かせない。
🪶 日常へのアドバイス

症状が治っても安心せず、定期通院と検査を続けること。継続的な治療が次の発作を防ぐ最大の武器になる。

ラクナ梗塞を防ぐための生活習慣とセルフケア

ラクナ梗塞は、高血圧・糖尿病・脂質異常症のコントロールが予防の柱です。毎日の食生活や運動、睡眠とストレス管理が血管の健康に直結します。

食事でできる予防

  • 塩分は1日6g未満を目標にする。
  • 野菜・果物を多く摂り、動物性脂肪を控える。
  • 魚(特に青魚)を週2〜3回取り入れる。
  • 間食や清涼飲料水を減らし糖分の摂取を調整する。

運動と睡眠の整え方

軽い有酸素運動を週150分以上行うことが推奨されます。一方で過度な運動や睡眠不足は血圧を急上昇させるため注意が必要です。睡眠時無呼吸症候群がある方は検査を検討しましょう。

📌 要点

予防には塩分制限・適度な運動・十分な睡眠・ストレス管理の4点が不可欠で、日々の積み重ねが重要です。
🪶 日常へのアドバイス

外食や忙しい日が続くときこそ「一歩手前で気をつける」意識を。血圧を測るだけでも今日から始められる予防です。

家族で支える再発予防とリハビリ継続

退院後も再発リスクは残るため、薬の継続・定期検査・生活習慣の維持が重要です。家族は焦らず見守り、地域資源を活用して支援を続けましょう。

退院後に気をつけること

  • 薬を自己判断で中止しない。
  • 定期的に血圧・血糖・コレステロールをチェックする。
  • 疲労や頭痛、ふらつきなどの再発サインを見逃さない。
📌 要点

退院後も生活・薬・血圧の管理と家族の支えが再発予防に直結する。
🪶 日常へのアドバイス

体調や行動を日記に記録しておくと、小さな変化に早く気づけます。

まとめ:ラクナ梗塞を正しく知り、日常から脳を守ろう

ラクナ梗塞は「小さな梗塞」と呼ばれますが、その影響は決して小さくありません。軽症でも再発を繰り返すことで多発性になり、認知機能や歩行に影響を及ぼす可能性があります。しかし多くは日常の管理で防げます。高血圧・糖尿病・脂質異常症の管理、塩分・脂質を控えた食事、適度な運動、十分な睡眠、服薬の継続、ストレス管理が予防の基本です。

📢 迷ったら、まず相談を

「これって脳梗塞かも…?」と感じたら受診のサインです。症状が突然・いつもと違うなら、ためらわず119番を。退院後のリハビリや在宅支援のご相談は、地域の医療機関・保健所・ケアマネジャーにお問い合わせください。

🗂 よくある質問

Q:

ラクナ梗塞は完治しますか?

A:

ダメージを受けた脳組織は完全には回復しませんが、早期発見とリハビリで機能を補い回復を図れます。再発予防が重要です。

Q:

脳ドックでラクナ梗塞が見つかったらどうすべきですか?

A:

無症候性であっても将来の脳卒中リスクが高まるため、生活習慣の改善と血圧管理を早めに始め、専門医と相談してください。

Q:

再発した場合、前より重くなりますか?

A:

繰り返すほど脳のダメージが蓄積しやすく、歩行や認知の問題が出やすくなります。早めの受診と薬の継続を。

Q:

どんな薬が使われますか?

A:

抗血小板薬(アスピリンなど)、降圧薬、糖・脂質を整える薬が中心です。医師の指示に従って服用してください。

Q:

リハビリはいつまで続ければよいですか?

A:

一般的には発症から半年〜1年で集中的なリハビリが区切られますが、機能維持のため自宅での運動は継続することが推奨されます。

📚 参考サイト