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脳梗塞リハビリ リバイブあざみ野

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脳梗塞と手術

2025/10/15

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脳梗塞の手術と予後をわかりやすく解説|原因・症状・治療・回復まで

🧠 導入:脳梗塞とは何か

脳梗塞(のうこうそく)とは、脳の血管が血栓や動脈硬化で詰まり、脳の一部に血液が届かなくなる病気です。血流が止まると酸素や栄養が失われ、数分で脳細胞にダメージが生じます。

脳梗塞は主に以下の3タイプに分かれます(初出時に定義を付記)。

  • アテローム血栓性:血管の内側にコレステロールなどがたまり詰まるタイプ。
  • 心原性塞栓症:心臓内でできた血栓が飛んで脳で詰まるタイプ。
  • ラクナ梗塞:細い血管が詰まり、小さな梗塞を生じるタイプ。

発症からの時間で治療選択が変わります。例えば血栓を溶かす薬(t-PA)や血管内で血栓を取り除く手術は、時間依存性が強い治療法です。

「手術で治るのか」「術後の予後は?」と疑問に思う方へ。この記事は、検査・手術・回復までを順を追ってやさしく解説します。


🚨 原因と背景要因

🧭 主要なリスク要因

脳梗塞は一夜にして起きる印象がありますが、多くは長年の生活習慣や血管の老化が積み重なって生じます。主なリスクは次の通りです。

  • 高血圧(血管に強い圧力がかかる)
  • 糖尿病(血管壁の損傷を招く)
  • 高コレステロール血症(血が詰まりやすくなる)
  • 喫煙・多量飲酒・肥満
  • 心房細動など心疾患(心内で血栓ができ、脳へ飛ぶ)

血管はゴムホースのようなもの。長年の負荷で弾力を失い、内部に“汚れ”が付着すると血流が滞りやすくなります。

年齢や家族歴も無視できません。若年化の傾向はありますが、定期検診で血圧や血糖、脂質を管理することが予防につながります(出典:日本脳卒中学会)。


⚡ 症状と早期サイン

🧭 典型的な症状(突然起こるのが特徴)

脳のどの部位が障害されるかで症状は変わります。代表例を示します。

  • 片側の手足や顔のしびれ・力が入らない(片麻痺)
  • 言葉が出にくい、相手の話が理解できない(失語)
  • 視界が欠ける、複視(視覚障害)
  • ふらつき、歩行困難(バランス障害)
  • 強い頭痛・めまい・嘔気

簡単チェック法「FAST」:Face(顔)、Arm(腕)、Speech(言葉)、Time(時間)。当てはまるなら迷わず119番です。発症から4.5時間以内の治療可否が回復に影響します(出典:AHA/日本脳卒中学会)。

TIA(一過性脳虚血発作)は一時的に症状が消えても重要な警告です。放置せず受診を。


🏥 診断と手術治療の流れ

🧭 到着後に行う検査(テスト)

救急外来では以下の検査で「出血か梗塞か」を速やかに判断します。

  • CT:出血の有無を迅速に判断。
  • MRI/MRA:梗塞部位や血管の狭窄・閉塞を詳しく評価。
  • 心電図・心エコー:心原性のリスクを確認。
  • 血液検査:血糖・凝固系など全身状態を把握。

⚡ 急性期治療の選択肢

発症からの時間で選べる治療が変わります。

  • t-PA(血栓溶解療法):発症から原則4.5時間以内の静脈投与で血栓を溶かす。
  • 血管内治療(血栓回収):カテーテルで血栓を直接除去。適応時間は状況により6〜24時間まで拡張されることがある。

適応には出血の有無や患者の基礎疾患が関係します。医師が総合判断します。

💊 術後と再発予防

急性期治療後は集中管理のもとで脳浮腫や合併症を監視します。再発予防には以下が重要です。

  • 抗血小板薬や抗凝固薬(心房細動等の場合)
  • 血圧・血糖・脂質のコントロール
  • 生活習慣改善(禁煙・減塩・運動)


♻️ 予防と回復(リハビリ)の実際

🧭 日常でできる予防の基本

脳梗塞の再発予防や初発予防は、薬物療法と生活習慣の両輪です。まずは定期的な健康チェックを習慣にしましょう。

  • 血圧管理:家庭での測定を習慣に。
  • 血糖・脂質のコントロール:医師の指示で薬を継続。
  • 禁煙・節酒・適正体重の維持。
  • 有酸素運動(医師・理学療法士の指導のもとで週数回)

「何から始めれば?」と思う方は、まずは主治医に現在の生活について相談することが手っ取り早い一歩です。

🏃‍♂️ 退院後のリハビリ(PT/OT/ST)のポイント

リハビリは症状の重さに応じて個別化されます。ポイントは早期開始と段階的負荷です。

  • PT(理学療法):歩行や姿勢、筋力回復を中心に。
  • OT(作業療法):日常生活動作(着替え・食事)の回復支援。
  • ST(言語聴覚療法):言語や嚥下(飲み込み)のリハビリ。

家族は環境整備(手すり・段差の解消)や、患者の小さな変化を記録することが重要です。小さな進歩が回復の積み重ねになります。

🤝 家族・地域での支援と社会復帰

介護保険や地域包括支援センター、訪問リハビリなど地域資源を早めに活用しましょう。仕事復帰は段階的に行うのが安全です。

回復の程度は個人差があります。だからこそ、専門家と目標を共有し、現実的なステップを一つずつ進めることが大切です。


📌 まとめ

脳梗塞は「時間との勝負」です。早期発見と適切な急性期治療(t-PAや血栓回収)により、後遺症を小さくできる可能性があります。一方で、退院後のリハビリや生活習慣の改善が予後を左右します。

📢 迷ったら、まず119番

症状が突然でいつもと違うならためらわず119番を。気になる症状が当てはまるときは脳卒中・心血管イベントの可能性があります。最寄りの対応医療機関へすぐ相談してください。

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❓ よくある質問

Q1: t-PAは発症後どのくらいまで使えますか?

A1: 一般的には発症後4.5時間以内が基準ですが、個々の状況によっては適応が変わることがあります。詳しくは専門医の判断が必要です。

Q2: 手術で脳梗塞は完全に治りますか?

A2: 術後に血流を回復できても、ダメージの程度により回復は個人差があります。手術は回復の可能性を高めるための治療であり、追加のリハビリや薬物療法が重要です。

Q3: 予後はどのくらいで分かりますか?

A3: 予後は発症直後から数週間〜数か月で変化します。急性期の治療成績や初期の回復速度、合併症の有無で予後の見通しが左右されます。

Q4: 再発予防は具体的に何をすればいいですか?

A4: 抗血小板薬や抗凝固薬(適応時)、血圧・血糖・脂質の管理、禁煙、適度な運動、減塩などが基本です。個別には主治医と相談しましょう。

📚 参考文献

  1. 脳卒中治療ガイドライン2021(日本脳卒中学会) — https://jsts.umin.jp/
  2. 脳卒中(脳梗塞・脳出血など)(厚生労働省 e-ヘルスネット) — https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/
  3. 脳梗塞の治療と再発予防(国立循環器病研究センター) — https://www.ncvc.go.jp/
  4. Stroke – Diagnosis and treatment(Mayo Clinic, 2024) — https://www.mayoclinic.org/
  5. Thrombolysis for acute ischaemic stroke(Cochrane Library, 2023) — https://www.cochranelibrary.com/

監修:理学療法士/脳卒中リハビリ専門。執筆協力:医療情報ライター。公開日:2025-10-15 / 最終更新日:2025-10-15