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脳梗塞リハビリ リバイブあざみ野

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脳梗塞と頭痛の前兆を見逃さないために|症状・診断・予防のポイント解説

2025/10/06


脳梗塞と頭痛の前兆を見逃さないために|症状・診断・予防のポイント解説

脳梗塞(のうこうそく)は、脳の血管が詰まって血流が途絶し、酸素や栄養が届かなくなる病気です。日本では脳卒中全体で年間およそ20万人以上が新規発症し、その約7割が脳梗塞といわれています(厚労省 2024年統計)。発症後に適切な治療を受けられるかどうかで、後遺症の重さや生活の質が大きく変わります。

脳梗塞にはいくつかのタイプがあります。

  • ラクナ梗塞:細い血管が詰まるタイプ
  • アテローム血栓性梗塞:太い血管にできた動脈硬化が原因で詰まるタイプ
  • 心原性脳塞栓症:心臓から飛んできた血栓が脳の血管を詰まらせるタイプ

これらの病態によって、症状の現れ方や重症度が異なります。

一方で、読者の多くが気になるのが「脳梗塞と頭痛の関係」でしょう。一般に、脳梗塞の典型症状は「片側の手足のしびれや脱力」「言葉の障害」「視力の異常」などですが、頭痛を伴う場合があることも医学的に知られています。特に動脈解離(どうみゃくかいり:血管の壁が裂ける状態)が原因の脳梗塞では、強い頭痛が先行することが多いのです。

このように、脳梗塞の病態を理解するうえで「なぜ頭痛が出るのか」という視点は欠かせません。血流が急に遮断されることによる脳のストレス反応、または血管壁の損傷に伴う痛みなどが関係していると考えられています。

📌 要点:
脳梗塞は血流が途絶して起きる病気
3つの主要タイプがあり、原因や重症度が異なる
頭痛は一部の脳梗塞で重要なサインとなる

🚨 脳梗塞と頭痛に関連する症状

脳梗塞は一般的に「片側のしびれ」「言葉の障害」「視覚の異常」などで気づかれることが多いですが、頭痛を伴うケースも無視できません。特に若年者や動脈解離が背景にある場合、頭痛は重要なサインとなり得ます。

🧠 頭痛の特徴と脳梗塞の違い

  • 突然の強い頭痛
    脳梗塞に伴う頭痛は、今までにない強さで突然出現することがあります。
  • 片側性の頭痛
    動脈解離による脳梗塞では、首から後頭部にかけて片側に痛みが集中する特徴がよく見られます。
  • 持続性の鈍い痛み
    小脳や後頭葉の梗塞では、長時間続く重い痛みが報告されています。

これらは片頭痛や緊張型頭痛と混同されやすいですが、神経症状が同時に出ているかどうかが大きな見分けのポイントです。

📌 頭痛に加えて注意すべきサイン

  • ろれつが回らない(言語障害)
  • 片腕や片足の脱力やしびれ
  • 視野の欠けや二重に見える視覚障害
  • ふらつきやめまい、吐き気

📝 受診の目安

脳梗塞は「時間との勝負」です。発症から4.5時間以内であれば「t-PA静注療法(血栓を溶かす治療)」の適応となる可能性があります(日本脳卒中学会 2023)。つまり、頭痛+神経症状を見たら一刻も早く救急搬送することが、後遺症を減らす有力な方法です。

📎 ポイント:
突然の強い頭痛は要注意
頭痛+神経症状の組み合わせは脳梗塞のサイン
発症から4.5時間以内の受診が予後を左右

🧪 脳梗塞と頭痛を見極めるための診断・検査

脳梗塞は症状だけでは確定できません。頭痛が伴う場合でも、片頭痛や脳出血など他の疾患と区別する必要があります。そのため、診断にはスピーディで正確な検査が欠かせません。

🔍 初期診察とスクリーニング

救急外来では、まず症状の発症時間を確認します。発症から何時間経過したかで、受けられる治療(特にt-PA療法)の可否が決まるからです。

また、医師や救急隊員は「FASTテスト」で簡易チェックを行います。

  • F(Face)顔のゆがみ
  • A(Arm)腕の脱力
  • S(Speech)言葉の異常
  • T(Time)発症時刻を確認し迅速行動

FASTで異常があれば、頭痛がある場合でも脳梗塞を強く疑うことになります。

📝 画像検査の重要性

  • CT(コンピュータ断層撮影)
    数分で実施可能。脳出血と脳梗塞を見分ける第一選択。早期の脳梗塞は映らないこともある。
  • MRI(磁気共鳴画像)
    脳梗塞の早期診断に有効。拡散強調画像(DWI)で発症直後の小さな梗塞も検出可能。
  • MRA/CTA(血管撮影)
    どの血管が詰まっているかを確認でき、血栓回収療法などの治療方針決定に直結。

📎 血液検査や心電図

  • 血糖値:低血糖との鑑別が必要
  • 心電図:心房細動など心臓由来の血栓の有無
  • 凝固関連:治療薬の可否判断に必要

🧭 頭痛と検査の関係

頭痛が強い場合、脳梗塞だけでなく脳出血やくも膜下出血との鑑別が最重要になります。そのため、「頭痛+神経症状」では必ずCTやMRIが行われるべきです。

📌 要点:
FASTは家庭でも役立つチェック
CTで出血と梗塞を区別、MRIで早期検出
頭痛がある場合は出血性疾患も考慮

🏥 脳梗塞と頭痛を伴う場合の治療・対応

脳梗塞の治療は、発症からどれだけ早く医療機関に到着できるかで大きく左右されます。特に頭痛を伴う場合は、脳出血など他疾患との鑑別が必要なため、迅速な診断と適切な治療開始が命を守ります。

🧭 急性期治療

  • t-PA静注療法(血栓溶解)
    発症から4.5時間以内に投与可能。出血リスクがあるため、CTで脳出血がないことを確認して実施。
  • 血栓回収療法(カテーテル)
    太い血管の閉塞に有効。発症から6〜24時間以内で適応の可能性。専門施設で実施。

📎 内科的治療

  • 抗血小板薬(アスピリン等):再血栓予防
  • 抗凝固薬(ワルファリン、DOAC):心原性梗塞に使用
  • 降圧薬・スタチン:血圧・脂質管理で再発予防

🔍 頭痛への対応

脳梗塞に伴う頭痛では、鎮痛薬を安易に使用しないことが重要です。原因が出血か梗塞かで対応が異なるため、医師の指示に従う必要があります。特に突然の強い頭痛(サンダークラップ頭痛)では出血性病変や動脈解離を念頭に検査・治療が行われます。

📝 回復期とリハビリ

治療後は早期リハビリテーションが後遺症を減らす鍵となります。発症直後からのリハビリで、運動機能や言語機能の回復が促進されます。

📎 ポイント:
t-PAは4.5時間以内、血栓回収は24時間以内
頭痛がある場合は出血性疾患の鑑別が必須
リハビリは早期開始が望ましい

🛡 脳梗塞と頭痛を防ぐための日常習慣

脳梗塞は「生活習慣病」と深く関わる病気です。高血圧・糖尿病・脂質異常症・喫煙といった因子が重なるほど発症リスクは高まります。頭痛をきっかけに受診して危険因子が見つかることも少なくありません。

🧭 食事の工夫

  • 減塩(1日6g未満):日本人は塩分摂取が多く、高血圧の原因に。
  • 野菜・果物・魚を多く:DHA/EPAは血栓予防に寄与。
  • 加工食品・揚げ物を控える:動脈硬化を進める飽和脂肪酸を減らす。

DASH食(減塩・高カリウム中心の食事)は脳梗塞予防にも有効とされています。

🔍 運動と体重管理

  • 有酸素運動を週150分以上(速歩など)
  • BMI25未満の維持で再発予防に寄与
  • 運動中に頭痛やめまいが出たら中止し受診

📌 睡眠とストレス管理

  • 睡眠時無呼吸症候群の評価:いびき・日中の眠気が強ければ検査
  • ストレス対策:深呼吸や趣味時間で自律神経を整える

📝 禁煙・節酒

  • 禁煙:喫煙は血管を傷つけ、脳梗塞リスクを上げる
  • 節酒1日純アルコール20g以下を目安に

📌 要点:
減塩・野菜・魚中心の食事で血管を守る
週150分の運動+体重管理が効果的
禁煙・節酒・良質な睡眠で頭痛も脳梗塞も減らす

✅ まとめ

本記事では「脳梗塞と頭痛」というテーマを、病態・症状・診断・治療・予防の視点から解説しました。典型症状は「片側のしびれや脱力」「言葉の障害」「視野の異常」ですが、一部の脳梗塞では頭痛が前兆や伴随症状となることがあります。CT/MRIによる早期診断と、発症4.5時間以内の治療が予後を大きく左右します。日常では高血圧・糖尿病・喫煙・肥満の管理が最重要です。

📢 迷ったら、まず相談を

「これって脳梗塞かも…?」と感じたら受診のサインです。症状が突然・いつもと違うなら ためらわず119番を。退院後のリハビリや在宅支援のご相談は、地域の医療機関・保健所・ケアマネジャーにお問い合わせください。

🗂 よくある質問

Q:脳梗塞の頭痛はどんな特徴がありますか?
A:突然強く出る、片側に偏る、神経症状を伴う頭痛が特徴的です。
Q:普段の片頭痛とどう区別すればいいですか?
A:片頭痛は光や音に敏感、吐き気を伴うことが多く、脳梗塞は急な発症+神経症状が大きな違いです。
Q:頭痛だけで脳梗塞を疑うべきですか?
A:頭痛単独では判断できませんが、しびれや言語障害を伴う場合は救急要請を検討してください。
Q:受診の目安は?
A:突然の頭痛+神経症状が同時に出たときは迷わず119番通報してください。
Q:予防のためにできることは?
A:減塩・運動・禁煙・体重管理が脳梗塞と頭痛の双方を防ぎます。
Q:家族に発症の可能性があるとき、どう対応すべき?
A:FASTテストで確認し、異常があれば即救急搬送が重要です。

📚 参考サイト