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脳梗塞リハビリ リバイブあざみ野

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脳梗塞の後遺症はいつまで続く?リハビリ期間とその実際

2025/08/12

🌱 はじめに

「脳梗塞の後遺症って、いつまで続くんだろう…」「リハビリって、どれくらいの期間が必要なの?」

脳梗塞を経験された方やそのご家族にとって、こうした疑問や不安はとても自然なものです。特にリハビリは、回復を左右する大切なプロセス。けれど、ネットや病院で得られる情報はあいまいだったり、人によって違ったりするので、余計に混乱してしまうこともありますよね。

この記事では、脳梗塞の後遺症がどのくらい続くのかリハビリの期間に関係するポイントについて、できるだけわかりやすく解説します。回復の目安や生活への影響についても触れていきますので、ご自身やご家族の「これから」を考えるヒントになれば幸いです。


✅ 脳梗塞リハビリの期間はどれくらい?

「リハビリの期間って、1ヶ月?それとも数年?」──患者さんからよく聞かれる質問のひとつです。実は、この問いに対する答えは一律ではありません。脳梗塞のタイプや重症度、年齢、もとの体力、サポート環境などによって大きく変わってきます。

ここではまず、リハビリの期間に関わる基本的な要素を見ていきましょう。

💡 急性期・回復期・生活期で分かれる「3つの時期」

脳梗塞後のリハビリは、大きく3つの段階に分かれています。

  1. 急性期(発症〜1〜2週間)
     この時期は、脳のダメージを最小限に抑える医療処置が中心。ベッド上での軽い運動や座位保持など、状態の安定を見ながら慎重にリハビリが始まります。

  2. 回復期(発症後2週間〜半年程度)
     機能の回復をめざして、集中的なリハビリが行われる期間です。一般的に回復が最も見込めるのがこの時期とされています。自分で立ったり歩いたり、日常生活の動作(ADL)を取り戻すための訓練が中心になります。

  3. 生活期(回復期以降〜)
     退院後の在宅生活を支えるフェーズです。自宅や通所、訪問リハビリで、維持・再発予防・社会参加などがテーマとなります。

この3つの時期の合計で、半年から1年以上リハビリを継続するケースも多くあります。

💡 回復スピードは人によってこんなに違う

脳梗塞後の回復には、「個人差」が大きく影響します。同じような発症部位でも、リハビリ期間や効果に差が出ることは珍しくありません。

主に影響するポイントとしては…

  • 脳梗塞の種類や重症度(ラクナ梗塞 vs アテローム血栓性 vs 心原性など)

  • 年齢や体力、持病の有無

  • 発症からリハビリ開始までの時間(早ければ早いほど効果的)

  • サポート体制(家族・医療・介護)

  • 本人のモチベーションや性格(意外と重要!)

たとえば、若くて軽症の方であれば数週間で退院できるケースもあれば、重度の麻痺や高齢であれば数ヶ月〜1年以上のリハビリが必要になることもあります。


💬 医療者の一言:
「リハビリの“期間”を気にしすぎず、“今できること”に目を向けることが、結果的に早い回復につながることも多いんです。焦らず、一歩ずつで大丈夫ですよ。」

✅ 後遺症が長引くケースとその対策

「リハビリを頑張っているのに、なかなか動きが戻らない…」「言葉が思うように出てこない…」
脳梗塞後、そんな焦りや不安を感じている方は少なくありません。実は、後遺症が長引くケースには共通の原因や傾向があるんです。

ここでは、「なぜ回復に時間がかかるのか」「どんな工夫があるのか」を、運動機能と言語・認知面に分けて見ていきましょう。


💡 運動麻痺が続く理由とリハビリの工夫

脳梗塞の後遺症の中でも、特に目立つのが「運動麻痺(うんどうまひ)」。手足が動かしにくくなったり、バランスがとれなくなったりする状態です。

この麻痺がなかなか改善しない背景には、以下のような理由があります。

  • 損傷した脳の部位が運動に関わる領域(運動野や内包)だった

  • 脳のダメージが広範囲で、神経の再接続が難しい

  • 筋力低下や拘縮(関節が固まる)を併発している

リハビリでは、**脳の可塑性(かそせい)**といって「別の神経が代わりに働く能力」を活かすアプローチが重要になります。繰り返し動かすことで、別の経路が発達してくるという仕組みです。

効果的な工夫としては、

  • 反復練習による運動学習

  • ミラーセラピーや電気刺激を使った訓練

  • 座る・立つ・歩くなど実生活動作に直結する動きの訓練

などがあり、“動かしやすくなる感覚”をつかむことが鍵になります。


💡 言語・認知の回復はなぜ遅れがち?

「話す・聞く・読む・書く」などの言語機能や、「記憶力・注意力・理解力」などの認知機能は、回復に時間がかかりやすいと言われています。

理由の一つは、これらの機能を支える脳の領域が複雑で広範囲にわたっていること。また、運動機能と違い、変化が外から見えにくいため、効果を感じにくく焦ってしまうこともあるのです。

主な障害にはこんなものがあります:

  • 失語症(しつごしょう):言いたい言葉が出てこない、話が理解できない

  • 失行・失認:日常動作ができない、物の認識があいまいになる

  • 注意障害や記憶障害:話の内容が飛んでしまう、段取りが取れない

これらへのアプローチは、言語聴覚士(ST)による専門的な訓練が中心となります。リハビリの進み具合はゆっくりかもしれませんが、繰り返しの刺激と環境調整が重要です。

たとえば、

  • カードや絵を使った言語訓練

  • 簡単な会話や日記での実践練習

  • 家族と一緒にコミュニケーションを意識した会話の工夫

など、生活の中での“使う”場面をつくることが、回復への近道になります。


💬 家族の視点:
「目に見えにくい“わかりにくい後遺症”こそ、焦らずじっくり支えることが大切だと思いました。本人の頑張りをちゃんと見てあげたいですね。」

✅ リハビリのゴールはどこ?日常生活と社会復帰

「いつまでリハビリを続ければいいの?」「どこが“ゴール”なのか分からない…」
脳梗塞からの回復には、“終わりが見えづらい”という側面がありますよね。ですが、ゴールを「完璧な回復」とだけ考える必要はありません。

リハビリの目的は、「その人らしい生活を取り戻すこと」。ここでは、日常生活や社会復帰を見据えた“ゴールの考え方”について掘り下げてみましょう。


💡 自立生活をめざす「実用的ゴール」とは?

脳梗塞リハビリのゴールは、人によってまったく異なります。
たとえば、

  • 一人でトイレに行けるようになること

  • 家族と一緒に外出できるようになること

  • 職場に復帰して再び働けるようになること

など、それぞれの生活背景によって目指すラインが違ってくるのです。

このように、「生活機能の自立」や「社会とのつながりの回復」を目指す目標を、私たちは“実用的ゴール”と呼ぶことがあります。

リハビリでは、以下のような支援を通じて、その人に合ったゴール設定を行います。

  • 理学療法(PT)での歩行訓練

  • 作業療法(OT)での着替え・調理・買い物など生活動作訓練

  • 言語療法(ST)での会話や認知機能の強化

  • 福祉用具・住宅改修の提案

  • 家族との協力体制づくり

「できないことを数えるより、“できること”を広げていく」ことが、リハビリの本質です。


💡 社会復帰・職場復帰へのステップ

働き盛りの方が脳梗塞を発症した場合、「職場復帰」は大きなテーマになります。

実際には、段階的な復帰が推奨されるケースが多く、以下のような流れで進んでいきます。

  1. 医師やリハビリチームとの相談で復帰の目処を立てる

  2. 通勤訓練や、模擬作業などの評価を受ける

  3. 短時間勤務や業務内容の調整からスタート

  4. 必要に応じて障害者雇用や制度活用を検討

復職には、医療だけでなく、会社側の理解や制度の利用(傷病手当、障害年金など)も大切です。

また、社会復帰=仕事とは限りません。趣味や地域活動、ボランティアなど、「社会とつながること」そのものが、人生の質(QOL)を高める鍵にもなります。


💬 日常生活との関係:
「リハビリのゴールは“もとの生活”に戻ることだけじゃない。今の自分に合った“新しい生活”をつくっていくことなんですね。」


✅ まとめ:脳梗塞リハビリ期間との付き合い方

ここまで、脳梗塞の後遺症とリハビリ期間について見てきました。最後に、ポイントを整理しておきましょう。

  • リハビリの期間は個人差が大きく、半年〜1年以上続くこともある

  • 後遺症の種類や程度により、回復スピードも変わってくる

  • リハビリの目的は、“できること”を取り戻し、その人らしい生活をつくること

  • 焦らず一歩ずつ、医療・介護・家族と協力しながら続けることが大切

リハビリは、ただ機能を回復させるためのものではありません。「生活を再構築するプロセス」そのものです。思うようにいかない日もあるかもしれませんが、“昨日より今日、今日より明日”の小さな前進が、確実に未来につながっていきます。


💬 医療者のひとこと:
「リハビリに正解はありません。でも、“あきらめずに向き合い続けること”が、いちばんの近道かもしれませんね。」