小脳梗塞になったら?~リハビリで後遺症を最小限にする方法~
「ふらつく」「まっすぐ歩けない」「頭がクラクラする」
それ、小脳梗塞かもしれません。
小脳は「体のバランスや動きの調整」をつかさどる場所。
ここに障害が起きると、**手足は動いているのに“うまく動かせない”**という、
非常にやっかいな症状が出ます。
今回は、小脳梗塞のリハビリに焦点を当て、
回復のポイントや注意点、自宅でできる工夫まで詳しくお伝えします。
目次
◆ 小脳梗塞ってどんな病気?
小脳とは、後頭部の下のほうにある小さな脳の一部です。
ここが梗塞(血管が詰まる)すると…
- バランスが取れない
- ふらつきがひどい
- 手が震える、細かい作業ができない
- めまいや吐き気が強い
これらの症状が現れます。
運動麻痺は軽いのに、日常生活がしにくいというケースが多く、
見逃されがちなのも特徴です。
◆ 小脳梗塞のリハビリが重要な理由
小脳梗塞の症状は、「慣れ」や「再学習」で改善する可能性が高いとされています。
そのため、リハビリをしっかり行うことで回復が見込めるのです。
✅ リハビリの目的:
- バランス能力を取り戻す
- 歩行時のふらつきを減らす
- 細かい動作を再びコントロールできるようにする
- めまいによる不安を克服する
◆ 入院中のリハビリ:早期スタートがカギ
● 主な内容:
- 平行棒での歩行訓練
- 座位・立位のバランス練習
- ステップ練習や段差昇降
- 上肢の協調運動訓練(例:水をコップに注ぐ動作)
“倒れない体”を再びつくることが目標です。
また、心理的に不安定になりやすいため、不安へのサポートも重要です。
◆ 退院後・自宅でできるリハビリの工夫
病院でのリハビリが終わっても、回復はまだ途中です。
日常生活の中でリハビリを“続ける”ことが後遺症を最小限にするカギです。
● 自宅でできるリハビリ例
- 壁を使った片足立ち(転倒注意)
- 椅子に座ってバランスボールに乗る
- 両手を使う作業(料理、洗濯物を干すなど)
- ラジオ体操やストレッチで体を整える
- めまいに慣れるための「段階的な頭の動き練習」
● 注意点:
- 無理せず少しずつ。
- 転倒に注意。滑りやすい床は避ける。
- 不安があるときは、かかりつけ医や理学療法士に相談を。
◆ 回復のスピードは人それぞれ
小脳は可塑性(新しい神経回路ができる力)が高いと言われています。
つまり、「時間をかければ回復が見込める」脳です。
でも、それは**“あきらめずにリハビリを続けた人だけに訪れる未来”**です。
「もう歳だから無理かも…」
「治らないって言われたから…」
そんな風にあきらめるのが一番もったいない。
◆ まとめ:小脳梗塞後の人生は、“動くこと”で変えられる
小脳梗塞のリハビリは、「ただ動かす」のではなく、
**「再び自分の体をコントロールする訓練」**です。
転びやすさや不安感は、少しずつ軽くできます。
大切なのは、正しい知識と、小さな挑戦の積み重ね。
あなたや家族が「もう一度、普通に暮らせる」ために――
今できる一歩を、今日から踏み出してみませんか?