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「若年性パーキンソン病」って何?30代・40代で発症する5つのサイン

2025/07/07

パーキンソン病 若年性

 

🧭 はじめに

「パーキンソン病って、お年寄りの病気じゃないの?」
実はそう思っている方、かなり多いんです。でも最近では、30代や40代といった“働き盛り”の年代でパーキンソン病を発症するケースも増えてきています。
これを「若年性パーキンソン病」と呼び、進行の仕方や生活への影響も高齢者とは少し違った特徴があります。

初期症状が“疲れ”や“老化”と勘違いされやすいだけに、発見が遅れてしまうことも……。
そこで今回は、「若年性パーキンソン病とは何か?」をテーマに、30〜40代で見逃しがちな5つのサインについて、わかりやすく解説していきます。

 

✅ 若年性パーキンソン病とは?その特徴と背景

「若くてもなるの?」と驚かれることが多い若年性パーキンソン病。
まずは、そもそもどんな病気なのか、そして高齢発症との違いについて見ていきましょう。

💡 若年性パーキンソン病ってどういうもの?

パーキンソン病は、脳内でドパミンという神経伝達物質が減っていくことで、運動や自律神経にさまざまな症状があらわれる病気です。

通常は60歳以降での発症が多いですが、40歳未満で発症した場合は「若年性パーキンソン病」と診断されます。
なかには30代や20代で発症するケースも報告されています。

若年性の特徴としては、

  • 進行がゆるやか

  • 薬の副作用が出やすい

  • 社会生活や仕事への影響が大きい

といった傾向があり、日常生活への影響の出方が少し違ってきます。

特に仕事や育児、家計の中心であることが多い世代だからこそ、「ただの疲れ」として放置されやすいのが問題なんです。

💡 遺伝との関係や原因は?

パーキンソン病の原因は完全には解明されていませんが、若年性の場合、遺伝的な要因が比較的強く関わっているといわれています。

とくに「PARK2」「PINK1」といった遺伝子変異が関与している例もあり、家族歴がある場合は注意が必要です。

ただし、すべての若年性パーキンソン病が遺伝性というわけではありません。
ストレスや環境要因、脳内の酸化ストレスなども複雑に絡み合って発症に至るケースもあるのです。

👉 若年性のパーキンソン病は、“本人のせいでも育て方のせいでもない”ということを強調しておきたいと思います。自責の念を感じる必要はまったくありません。

👪 家族や周囲の目線も大切に

若年性で発症すると、「まだ若いのに」「気のせいじゃない?」と言われてしまうことも。
それがさらに症状を我慢することにつながり、診断が遅れるケースが後を絶ちません。

周囲が変化に気づいて声をかけてあげること、本人が違和感を感じたら早めに専門医に相談することが、とても大切です。

 

✅ 見逃されがちな初期症状とは?

若年性パーキンソン病の怖さは、その初期症状があまりにも日常的であることです。
「ちょっと疲れてるだけかも」「最近年かな」といった感覚で、気づかれないまま何年も放置されてしまうことも少なくありません。

ここでは、特に見逃されやすい代表的なサインを2つピックアップしてご紹介します。

🔍 サイン1:片側だけの手足の震え(安静時振戦)

「なぜか右手だけ小刻みに震える」「コップを持つときだけ震える」といったように、最初は体の一部だけに震えが出ることがあります。
しかも、動いているときではなく、じっとしているときに震えるのが特徴です。これを「安静時振戦(あんせいじしんせん)」と呼びます。

緊張しているときや寒いときにも手が震えることはありますが、パーキンソン病の場合はリラックスしているときにも震えるため、違和感として気づく人が多いです。

また、「文字が書きづらくなった」「箸をうまく使えなくなった」など、日常の中で“できていたことがスムーズにできなくなる”変化も要注意です。

🔍 サイン2:歩き方の変化やすり足

「最近、歩幅が狭くなった気がする」「なんだか靴が引っかかる」と感じたことはありませんか?
これはパーキンソン病の初期にみられる典型的なサインのひとつで、すり足歩行と呼ばれます。

具体的には、

  • 足が前に出にくい

  • かかとから着地しにくい

  • 歩き始めに時間がかかる(歩行開始遅延)

といった特徴があり、特に片足だけぎこちない動きになっている場合は、神経系の異常を疑うべきサインです。

最初は本人も気づきにくいですが、家族や同僚が「あれ?最近歩き方変わった?」と感じることも多いです。

🏡 日常生活の中で気づける工夫とは?

若年性パーキンソン病は、日常のささいな違和感の積み重ねがヒントになります。
たとえば…

  • 手書きの日記やメモの字が変わっていないか

  • 靴底の減り具合が左右で違っていないか

  • 自宅の階段を上る時に、片側ばかりに手すりを使っていないか

こうした「いつもと違う」をあえて観察する視点を持つだけで、早期発見のきっかけになることがあります。

また、スマートウォッチ歩数アプリを活用して、無意識の動作の変化をデータで可視化するのもおすすめです。

 

✅ なぜ見逃されやすいのか?診断がつくまでの壁

「病院に行ったけれど、異常なしって言われた」
「ストレスかもしれませんね」で終わってしまった——
こうした声、若年性パーキンソン病では珍しくありません。

🔍 “年齢のせい”や“メンタルのせい”と誤解されがち

30代〜40代の若い世代で「手が震える」「歩きにくい」と言っても、医療者側も神経疾患を最初から疑うことが少ないのが現実です。
多くは、「ストレスによる自律神経の乱れ」や「軽いうつ症状」などと判断されてしまいます。

特に働き盛りの方は、

  • デスクワークの疲れ

  • 育児・介護による睡眠不足

  • 慢性的なストレス

などが重なっていることも多く、「まあ仕方ないか」と自分で納得してしまいがちなんですね。

🔍 診断まで平均2〜3年かかることも

若年性パーキンソン病は、発症から診断がつくまでに平均2〜3年かかるケースもあります。
特に症状がゆっくり進行するタイプでは、「なんとなく調子が悪い状態」がずっと続いてしまうため、本人も医師も決定打に欠けてしまうのです。

神経内科など専門医にたどり着くまでに、整形外科や心療内科、内科を数カ所まわったという方も。

👉 「おかしい」と感じたら、ためらわずに神経内科を受診する——
それだけで大きく道が変わることがあります。

 

✅ 若年性パーキンソン病とどう向き合うか ~治療・仕事・生活支援~

若年性パーキンソン病と診断されたあとは、長く付き合っていく覚悟が必要になります。でも、同時に「自分らしく生きていくための選択肢」もたくさんあります。

🧠 治療薬とリハビリ:年齢によって調整が必要

パーキンソン病の基本的な治療薬はL-ドパ製剤を中心としたドパミン補充療法ですが、若年性の場合は**薬の副作用(ジスキネジアなど)**が出やすいため、慎重な投与が求められます。

最近では、L-ドパをできるだけ遅らせる「MAO-B阻害薬」「ドパミンアゴニスト」などの使用も一般的になってきています。

リハビリも非常に重要で、特に以下が有効です。

  • 姿勢や歩行の安定を目指す運動療法

  • 声や表情のトレーニング(発声リハ)

  • 小さな動作をなめらかにする練習(巧緻運動)

若年性の方は、仕事や育児との両立もあるため、リハビリの“継続しやすさ”を工夫することがカギになります。

💼 働きながら治療を続けるために

「病気を理由にキャリアをあきらめたくない」
そんな気持ち、当然だと思います。

若年性パーキンソン病の方は、症状の波に悩まされながらも、フルタイムで働き続けている人もたくさんいます。
在宅勤務、フレックスタイム制度、通院配慮など、職場との相談によって実現できる環境は意外と多いんです。

また、障害者手帳や就労支援制度など、国や自治体のサポートを活用することも可能です。

👪 周囲の理解とチームで支える視点

家族や職場の人に話すのが怖い、と感じることもあると思います。
でも、周囲の理解があるだけで、毎日の安心感はまったく違ってきます。

「こういうときに手を貸してくれる人がいる」
「この仕事だけは自分のペースでやらせてもらえる」
そんな環境を整えていくことが、長く向き合ううえで本当に大切です。

 

✅ まとめ 若年性パーキンソン病と“今”を生きるために

若年性パーキンソン病は、決して「老後の病気」ではありません。
今この瞬間にも、30代・40代で発症して戸惑っている方がいます。

症状が軽いからといって我慢せず、「なんかおかしいな」と感じたときこそ、早めに専門医へ。
そして、もし診断を受けたとしても、人生をあきらめる必要はまったくありません。

薬も、リハビリも、社会の制度も、あなたの味方です。

誰かと比べなくていい、自分らしい生活を続けていくために、まずは自分の体と、しっかり向き合ってみませんか?

この記事が、「もしかして…」と不安を感じている誰かの背中をそっと押すきっかけになりますように。

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