パーキンソン病になりやすい性格とは?心と体にやさしい向き合い方
目次
パーキンソン病 なりやすい性格
「几帳面で、真面目で、人に迷惑をかけたくない」。
これは、パーキンソン病の患者さんからよく聞かれるご自身の性格の特徴です。
実は近年、「性格」と「パーキンソン病」の関係性に注目が集まっています。「ストレスを抱え込みやすい人は、パーキンソン病になりやすいのでは?」といった声もよく耳にしますが、医学的な根拠はあるのでしょうか?
この記事では、「パーキンソン病になりやすい性格とは何か?」というテーマについて、最新の知見をもとにわかりやすく解説していきます。
性格が原因で病気になるという話ではありません。だからこそ、「私が悪いんだ」と思い込まないでほしいんです。
読み終わるころには、きっと少し心が軽くなるはずです。
一緒に、パーキンソン病と性格の関係をやさしくひも解いていきましょう。
🌼パーキンソン病と性格に関係はあるの?
🧩もともとの性格傾向に特徴が見られる?
パーキンソン病の方に共通して見られる性格傾向として、研究や臨床現場でたびたび報告されているのが以下のような特徴です。
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真面目で几帳面
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責任感が強く、完璧を求めがち
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感情をあまり表に出さず、ストレスをためこみやすい
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周囲に気を使いすぎる傾向がある
こうした性格の傾向は、**いわゆる「タイプA性格」**と呼ばれることもあります。
ただし、これらの特徴は「悪い性格」ではまったくありません。むしろ、社会的には信頼され、周囲を支える立場でいることが多い性格とも言えるでしょう。
でも、こうした性格を持つ人ほど、自分の不調に気づくのが遅れたり、「がまんすれば大丈夫」と抱え込んでしまったりすることがあります。
そうした“頑張り屋さん”な気質が、もしかしたら発症リスクや進行と関わっているのではないか?と考えられているのです。
🧩ドーパミンと性格の関係も見えてきた
パーキンソン病は、脳のドーパミン神経が徐々に減っていくことで起こります。
実はこのドーパミン、感情のコントロールや「やる気」「快楽」とも深く関わっている神経伝達物質です。
いくつかの研究では、ドーパミンの分泌や受容のしくみがもともと弱い傾向にある人が、次のような性格傾向を持ちやすいとされています。
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慎重で不安になりやすい
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快楽を得るための行動が少ない
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周囲に適応しようと努力する傾向が強い
これらがすぐに「パーキンソン病になりやすい性格」と直結するわけではありませんが、脳内の性格的な傾向が病気の背景にある可能性が示唆されているのです。
ただし、これは決して「性格のせいで病気になる」という話ではないことを、くり返しお伝えしておきますね。
🌸几帳面で頑張り屋さんはなぜリスクが高いのか?
🧩ストレスと自律神経のバランス
几帳面で責任感が強い人ほど、「人に迷惑をかけたくない」と感じやすく、自分の気持ちよりも相手のことを優先しがちです。
その結果、慢性的なストレスを抱え込むようになります。
ストレスは体の中で自律神経のバランスを崩します。特に、交感神経が過剰に働き、リラックスのための副交感神経がうまく機能しなくなると、体はずっと“緊張状態”に。
このような状態が続くと、
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体の疲労がとれにくくなる
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睡眠の質が悪くなる
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血流が悪くなる
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炎症反応が慢性化する
といった不調があらわれ、やがて脳にも影響を及ぼすことがあるとされています。
パーキンソン病と自律神経の乱れとの関連も近年注目されていて、初期症状として便秘や発汗異常など、自律神経症状が出るケースもあるほどです。
🧩完璧主義の“がんばりすぎ”がもたらすもの
「ちゃんとやらなきゃ」「失敗したらダメ」と常に自分にプレッシャーをかけてしまうタイプの方は、いわゆる完璧主義に近い傾向を持っています。
このような性格は、仕事や家事を丁寧にこなせるという長所でもありますが、裏を返すと**「自分を休ませるのが苦手」**という面も持っています。
また、完璧主義の方は他人の評価を気にするあまり、自分の中にストレスをためやすく、「つらい」と口に出せないことも多いのです。
この“がんばりすぎ”は、体と心の緊張を慢性化させ、脳の神経伝達に必要なドーパミンの消耗を早めてしまうとも言われています。
とくに中高年期以降、体力や回復力が落ちてきたタイミングでストレスや過労が重なると、そこから発症の引き金になるケースも考えられています。
💡「気をつけよう」と思えることは、すでに一歩前に進んでいる証拠です。
ご自身の性格を否定せず、少しだけ“力の抜き方”を学んでいくことが、これからの体と心を守るヒントになりますよ。
🌻「なりやすい性格」とどう向き合えばいい?
🧩性格は変えなくていい、意識するだけで変わること
まず、大切なことを一つお伝えします。
それは、性格は変えなくてもいいということです。
几帳面でも、責任感が強くても、完璧主義でも、それはその人の魅力であり、努力を重ねてきた証でもあります。
ですから、「自分の性格がいけなかったんだ」と責める必要はまったくありません。
でも、ちょっとだけ意識の向け方を変えることはできます。
たとえば――
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完璧を目指すより「7割くらいでOK」と自分に許してみる
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誰かに頼ることを「弱さ」ではなく「賢さ」だと捉える
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自分の気持ちを否定せず、「今日は疲れた」と認める
このように“がんばりすぎない自分”を許せるようになると、心と体のバランスも整いやすくなっていきます。
それは結果として、パーキンソン病などの発症リスクを減らすことにもつながる可能性があるんです。
🧩心と体を守る日常のヒント
では、性格とうまく付き合いながら、心と体を守っていくためには、どんなことを日常で意識すればいいのでしょうか。
ちょっとした工夫として、次のようなことが役立ちます。
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1日の中に「何もしない時間」をあえて作る
→ 忙しい人ほど、休むことに「罪悪感」を感じてしまいがちですが、“ぼーっとする”時間こそ脳のリセットに必要です。 -
人に相談する練習をする
→ 「こんなことで相談していいのかな」と思わず、身近な人に話してみるだけでも、気持ちが軽くなることがあります。 -
自分を観察する習慣をもつ
→ 「今日は疲れているな」「ちょっとイライラしてるかも」など、自分の変化に気づくだけでも、ストレスの蓄積を防ぎやすくなります。
こうした心のメンテナンスは、パーキンソン病の予防や進行の緩和にもつながると考えられています。
薬やリハビリだけでなく、“心の養生”も大切なケアの一つなんですね。
🌼パーキンソン病は“性格のせい”ではない
ここまで読んでいただいた方に、最後に一番伝えたいことがあります。
それは、パーキンソン病は性格のせいではないということです。
確かに、ストレスや性格傾向が発症と関係している可能性は指摘されていますが、それは「なりやすい要因のひとつ」でしかありません。
遺伝、加齢、環境、運動習慣など、さまざまな要因が複雑に絡み合って発症するのがパーキンソン病です。
だからこそ、「私は真面目すぎたから」「がんばりすぎたから」と、自分を責める必要はありません。
大切なのは、これから自分をどう守っていくか、どう向き合っていくかということです。
📝まとめ 自分らしく生きるために大切なこと
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パーキンソン病には、几帳面・完璧主義といった性格傾向が関係している可能性がある
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ストレスやがんばりすぎは、脳や自律神経に負担をかける
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性格を変える必要はなく、“ゆるめ方”を知るだけでいい
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相談・休息・自己観察が、心と体を守る手段になる
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何よりも、自分を責めず、自分をいたわることが予防の第一歩
🌈あなたは、あなたらしくいていいんです。
がんばってきた自分に、ちょっとだけ優しくしてあげる。それが、明日をラクに生きるためのはじめの一歩です。
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