【医療従事者が解説】知らないと怖い「脳梗塞の種類」|後遺症を左右する決定的な違いとは?
目次
はじめに:脳梗塞はすべて同じではありません
「脳梗塞」と聞くと、脳の血管が詰まる病気というイメージはあると思いますが、実はいくつかの種類に分かれます。そして、その種類によって症状の出方や後遺症のリスク、治療方法まで異なるのです。
この記事では、医学的な用語をできるだけわかりやすく解説しながら、脳梗塞の種類とそれぞれの特徴、注意すべきポイントについて解説します。
結論を先に:脳梗塞には主に3つのタイプがあります
- ラクナ梗塞(小さな血管が詰まる)
- アテローム血栓性梗塞(動脈硬化で太い血管が詰まる)
- 心原性脳塞栓症(心臓から血栓が飛んでくる)
この3つは、原因・起こり方・対処法がそれぞれ異なります。
① ラクナ梗塞|高血圧の人は要注意!
特徴:
- 細い血管(穿通枝)が詰まる
- 比較的軽症なことが多い
- でも、繰り返すと認知症リスクが上がる
よくある症状:
- 手足のしびれ
- 口のまわりが動かしにくい
- 軽いろれつ障害 など
原因:
- 長年の高血圧や糖尿病
ポイント:
「症状が軽いから大丈夫」と思って放置すると危険。
**“沈黙の脳梗塞”**として知られ、気づかないうちに進行することも。
② アテローム血栓性脳梗塞|じわじわ進行するタイプ
特徴:
- 脳の太い血管が動脈硬化で狭くなり、血栓で詰まる
- ゆっくり進行することが多く、前兆が出やすい
よくある前兆:
- 一時的に手足が動かなくなる
- 言葉が出づらくなる(一過性脳虚血発作:TIA)
原因:
- コレステロールの蓄積
- 喫煙、糖尿病、高血圧、高脂血症
ポイント:
「一時的に治ったから大丈夫」はNG!
前兆(TIA)は本格的な脳梗塞の警告サインです。
③ 心原性脳塞栓症|突然、重く襲うタイプ
特徴:
- 心臓(特に心房細動)でできた血栓が、血流にのって脳に飛ぶ
- 突然発症し、重症になりやすい
よくある症状:
- 突然の意識障害
- 手足が一気に動かなくなる
- 激しいろれつ障害
原因:
- 心房細動(不整脈の一種)
- 心筋梗塞後、心臓弁膜症など
ポイント:
心臓の不整脈が脳の命を脅かす
高齢者に多く、再発リスクも高いため、早期発見と予防がカギ
【比較表】3つの脳梗塞のちがいを一覧でチェック!
種類原因症状進行重症度ラクナ梗塞細い血管が詰まる(高血圧など)軽めのしびれなどゆっくり比較的軽いアテローム血栓性動脈硬化による血管狭窄一過性の麻痺など徐々に中等度心原性脳塞栓症心房細動からの血栓突然の麻痺や意識障害急激重い・再発しやすい
よくある質問(Q&A)
Q. 脳梗塞の種類はどうやって判別するの?
→ 病院でのMRI・MRA・心電図・血液検査などの組み合わせで診断されます。
Q. どのタイプが一番怖いの?
→ 心原性脳塞栓症は急に重症化する可能性が高く注意が必要ですが、他のタイプも繰り返すと深刻な後遺症につながります。
最後に:知識が命を守る
「脳梗塞」は誰にでも起こり得る病気です。
そして、種類によって対応の仕方が大きく違うということを知っているだけでも、早期発見・早期治療につながります。
あなたや大切な人がもし脳梗塞になったら——。
この記事の知識が役に立つことを願っています。
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