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脳梗塞リハビリ リバイブあざみ野

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パーキンソン病の症状とは ~見逃さない初期のサインと進行の理解~

2025/06/03

✅ はじめに

「なんとなく歩きにくい」「手が震える」「動きが鈍くなった」……それは加齢のせいだけではなく、パーキンソン病の始まりかもしれません。

パーキンソン病は進行性の神経変性疾患であり、早期に気づき、医療に繋がることで生活の質(QOL)を保つことができます。この記事では、パーキンソン病の代表的な症状と、その特徴、気づき方、進行による変化を詳しくご紹介します。


第1章|パーキンソン病とは?

● どんな病気?

パーキンソン病は、脳の中にある「黒質(こくしつ)」という部分の神経細胞が減少し、ドーパミンという神経伝達物質が不足することで発症します。

このドーパミンは、体の動きをスムーズに調整する役割を担っており、不足することでさまざまな運動障害が出てきます。

● 発症年齢と頻度

  • 発症は50〜70代が中心ですが、若年発症(40歳未満)もあります。

  • 日本では約20万人以上がパーキンソン病と診断されています。


第2章|代表的な4つの運動症状(運動徴候)

1. 安静時振戦(しんせん)

特徴:

  • 安静にしている時(椅子に座って手を膝に置いているときなど)に、指先や手、足などが細かく震える

  • 緊張やストレスで悪化しやすく、動かしているときは止まることも多い

気づきの例:

  • 「字を書くときは止まるが、テレビを見ているときに手が震える」

  • 「コップを持つときには震えないけど、じっとしていると震える」


2. 筋強剛(きんきょうごう)=筋肉のこわばり

特徴:

  • 関節を動かすと、歯車のようにカクカクとした抵抗感がある

  • 体全体が硬く感じられ、動き出しにくくなる

気づきの例:

  • 「服の袖に腕が通しにくくなった」

  • 「肩や腰がいつもこわばっていて、マッサージでもとれない」


3. 寡動(かどう)・無動(むどう)=動きが少なくなる

特徴:

  • 動作の開始が遅くなる(運動開始困難

  • 全体的な動きがゆっくりになる

  • 表情が乏しくなり「仮面様顔貌(かめんようがんぼう)」と呼ばれることも

気づきの例:

  • 「歩くときに腕を振らなくなった」

  • 「話しかけても反応が遅い」「笑顔が減った」


4. 姿勢反射障害(バランスの崩れ)

特徴:

  • バランスを崩したときに、とっさに足が出せない

  • 転倒しやすくなり、後ろに倒れることが多い

気づきの例:

  • 「人にぶつかったときに踏ん張れず、尻もちをついた」

  • 「小さな段差でつまずきやすくなった」


第3章|非運動症状にも注意を

パーキンソン病は「動きの病気」と思われがちですが、実は**運動以外の症状(非運動症状)**も多く見られます。

主な非運動症状

症状 特徴と影響
自律神経症状 便秘、排尿障害、起立性低血圧など
睡眠障害 レム睡眠行動障害(寝言・夢の中で暴れるなど)
嗅覚低下 早期からみられる。香水や味の違いに気づきにくくなる
うつ・不安 感情のコントロールが難しくなる
認知機能の低下 注意力や記憶力が徐々に低下するケースも

嗅覚の低下は発症の数年前から出ることがあり、初期の重要なサインです。


第4章|進行による変化と日常生活への影響

パーキンソン病は進行性の病気です。ただし、進行のスピードや症状の現れ方には個人差があります。

進行に伴って現れる変化:

  • 歩幅が狭くなり、小刻み歩行になる

  • 前屈姿勢(前かがみ)になり、歩きにくくなる

  • 声が小さく、単調になり、話しづらくなる

  • 食事や着替えなどの日常動作が困難に

🧾【図解】
パーキンソン病の進行ステージ(ホーン・ヤール分類)のイメージ図


✅ まとめ|「変化」に気づくことが早期発見のカギ

  • パーキンソン病の初期症状は、加齢や疲れと間違われがちです。

  • 「なんとなく動きづらい」「手が震える」など、小さな変化を放置せず、早めに神経内科や専門医に相談しましょう。

  • 適切な治療(薬物療法やリハビリ)により、症状の進行を遅らせ、生活の質を維持することが可能です。


📋 おまけ:気づきチェックリスト

  • □ 手足が震えることがある(安静時)

  • □ 歩くときに腕を振らなくなった

  • □ 表情が少なくなった、声が小さいと言われる

  • □ 便秘が続いている

  • □ 睡眠中に暴れる・寝言が多い

▶ 2つ以上当てはまる場合は、神経内科での受診をおすすめします。