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脳梗塞リハビリ リバイブあざみ野

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【パーキンソン病の歩き方】

2024/11/22

【パーキンソン病の歩き方の特徴】

パーキンソン病の患者の歩き方には、特徴的な動作や姿勢の変化が見られます。以下に、パーキンソン病における代表的な歩行の特徴を詳しく説明します。

1. 小刻み歩行(小歩行)

・歩幅が狭くなり、一歩一歩が短くなるのが特徴です。

・小さな歩幅でトコトコと歩くような動きになり、特に前進する際にこの傾向が強く見られます。

・歩き始めや方向転換、停止が難しくなり、歩行がぎこちなく感じられます。

 

2. すくみ現象(フリーズ)

・突然足が動かなくなり、体がすくむように立ち止まってしまう現象です。

・歩き始めや狭い場所、障害物の前などで起こりやすく、再び歩き出すのに苦労することがあります。

・これは歩行の自動制御がうまく機能しないために生じ、転倒リスクが高まります。

 

3. 前かがみ姿勢(前屈姿勢)

・パーキンソン病では体の重心が前方に移り、前かがみの姿勢になることが多いです。

・この姿勢のためにバランスが取りづらく、転びやすくなります。

・歩行中も重心が前方にあるため、自然に速足になり、バランスを崩してしまうことがあります(突進現象)。

 

4. 腕の振りが少ない(減少した腕の振り)

・健康な人は歩行中に自然と腕を振りますが、パーキンソン病の患者は腕の振りが減少します。

・特に片側の腕を動かさないことが多く、これにより体のバランスが取りづらくなります。

・手足の動きの非対称性が、歩き方をぎこちなく見せる要因となります。

 

5. 突進現象(プロパルション)

・前かがみ姿勢と小刻み歩行が合わさると、歩行の勢いがつきすぎて自分で止まれなくなることがあります。

・そのため歩くスピードが速くなり、前方に倒れ込むように歩く「突進現象」が発生します。

・これはバランス感覚が低下しているために生じ、転倒のリスクが非常に高いです。

 

6. リズムのない歩行

・健常者の歩行は一定のリズムを保ちますが、パーキンソン病ではそのリズムが不規則になります。

・歩幅や歩調が一定でないため、転びやすく、また歩行そのものに負担がかかります。

 

7. 歩き始めの困難(開始困難)

・動き始める際に足が出にくくなることがあり、これは「開始困難」と呼ばれます。

・特に椅子から立ち上がって歩き出すときや、狭いスペースでの動き出しが難しくなります。

・一旦歩き出すと歩行が続けられる場合も多いですが、初動が非常に遅くなります。

 

8. 方向転換の難しさ

・方向を変える際に、小さなステップを繰り返してやっと向きを変えるため、スムーズに方向転換できません。

・このため、狭い場所や障害物の多い場所での動きが難しくなり、さらにすくみ現象が起こることもあります。

これらの特徴は、パーキンソン病の進行により徐々に強く現れることが多いです。歩行訓練や理学療法を活用することで、これらの歩行の問題を軽減することが可能です。

 

 

【なぜ歩き方が変わるのか】

パーキンソン病でこのような歩行の問題が起こるのは、主に脳の中の「黒質(こくしつ)」という部分でドーパミンを作る神経細胞が減少することに原因があります。ドーパミンは、体の動きをスムーズに調整するための重要な神経伝達物質です。以下に、パーキンソン病における特徴的な歩行の問題の原因について詳しく説明します。

1. ドーパミンの減少と運動調整の障害

・ドーパミンは、脳の基底核(特に黒質と線条体)を通じて運動の滑らかさを制御します。

・パーキンソン病ではドーパミンが減少するため、脳が運動の開始、持続、停止をうまく調整できなくなり、歩き始めや止まる際に動作がぎこちなくなります。

・小刻み歩行やすくみ現象も、この運動調整の障害が原因です。

 

2. 基底核の機能低下

・基底核は、筋肉の緊張を調整し、無意識に行われる動作(歩行中の腕の振りや姿勢の維持)をコントロールする役割を担っています。

・パーキンソン病では基底核の機能が低下し、これにより歩行時の腕の振りが減少したり、バランスが崩れやすくなります。

 

3. 姿勢反射障害

・姿勢を保つための反射的な動作(姿勢反射)が弱まるため、前かがみになりやすく、また体の重心を保つのが難しくなります。

・前かがみ姿勢により重心が前方にずれ、突進現象(プロパルション)が起こりやすくなるため、転倒のリスクが高まります。

 

4. 開始困難とすくみ現象(フリーズ)

・開始困難やすくみ現象は、脳が「動作開始」の指令をうまく伝達できないために起こります。

・ドーパミンが不足していることで、動作のスイッチが入らず、歩き始めや方向転換が難しくなるのです。

・また、精神的なプレッシャーや狭い空間でこの症状が出やすいこともわかっています。

 

5. 小刻み歩行とリズムの乱れ

・健康な人では歩行中に歩幅や歩調が一定のリズムで維持されますが、パーキンソン病ではそのリズムが崩れやすくなります。

・基底核のドーパミン不足により、歩幅が縮まり、歩調が不規則になることで、転びやすくなります。

 

6. 非対称性と筋固縮

・パーキンソン病の運動症状は左右で異なることが多く、片側の筋肉がより強くこわばるため、歩行時の腕の振りが片側だけ少なくなることがあります。

・これにより体のバランスが崩れ、ぎこちない歩行につながります。

 

7. 脳の自動運動制御の低下

・健常者では歩行などの基本的な動作は意識せずに行われますが、パーキンソン病では意識して歩かなければならないことが多く、自然な歩行が難しくなります。

・これは、自動的な運動を制御する神経回路が正常に働かないためです。

これらの要因が組み合わさり、パーキンソン病の歩行特有の現象が引き起こされます。

 

 

【パーキンソン病の歩行に対するリハビリテーションについて】

パーキンソン病の歩行リハビリテーションは、筋力やバランスの向上、歩行の質の改善を目指して行われます。リハビリテーションを通じて、転倒リスクを減らし、日常生活での動作をサポートすることが可能です。以下に、具体的なリハビリテーションの方法とそのポイントを詳しく説明します。

1. 歩行訓練

・大きな歩幅で歩く練習:パーキンソン病では歩幅が小さくなりやすいため、意識的に大きな歩幅で歩く練習を行います。地面にマーカーを置き、目標地点に向かって大きく足を出すよう指導します。

・テンポに合わせた歩行:メトロノームや音楽に合わせて歩くと、歩調が一定になり、リズムを保ちやすくなります。リズムを外部の音に合わせることで、小刻み歩行やすくみ現象の改善に役立ちます。

・鏡を使ったフィードバック:鏡の前で歩行することで、自分の姿勢や動きを確認しながら歩く練習ができます。前かがみ姿勢やバランスを意識的に修正するために効果的です。

 

2. バランストレーニング

・立位バランス訓練:両足を肩幅に開き、片足立ちや横方向の動き、体の重心移動などを行うことで、立位バランスの安定性を高めます。

・体幹強化運動:体幹の筋力を強化することで、歩行中の姿勢を安定させます。プランクやツイストなど、体幹を使うエクササイズが推奨されます。

・バランスボールやバランスパッドを使った練習:これらの不安定な道具を利用して体重移動やバランスの維持練習を行うことで、バランス感覚を養います。

 

3. 筋力トレーニング

・下肢筋力の強化:特に太ももやふくらはぎなど、下肢の筋肉を鍛えることが重要です。スクワットやカーフレイズ、レッグプレスなどのエクササイズが効果的です。

・体幹の筋力強化:体幹を安定させる筋肉を強化することで、姿勢保持や歩行時のバランスが向上します。特に腹筋や背筋、骨盤周りの筋肉のトレーニングを取り入れます。

 

4. すくみ現象(フリーズ)への対策

・視覚的なガイドラインを使う:地面に貼ったテープや線を目安に歩行すると、すくみ現象が軽減されることがあります。また、床に置いた障害物を超えるように意識して歩くことも効果的です。

・「ステップスルー」訓練:動き出す際に一歩前に踏み出す練習を行うことで、動作開始の困難を軽減します。

・カウントや合図を活用する:歩き出す際に「1、2、3」とカウントしてから歩行を開始することで、すくみを回避しやすくなります。

 

5. 方向転換の練習

・ゆっくりとした方向転換の練習:方向を変える際には小さなステップを繰り返すことが多いため、方向転換の際に注意を払いながら、ゆっくりとした動作で練習します。

・視線の先を意識する:進む方向を先に見てから方向転換することで、自然な動きを促し、バランスを保ちやすくなります。

 

6. 補助具の利用

・歩行補助具(杖や歩行器):歩行の安定が難しい場合には、杖や歩行器の使用を検討します。補助具は特に外出時に役立ち、転倒のリスクを低減します。

・レーザー付き歩行器:レーザー光線を地面に照射するタイプの歩行器は、視覚的ガイドとして作用し、すくみ現象が起こりにくくなります。

 

7. 定期的な歩行評価と調整

・パーキンソン病は進行性の疾患であるため、定期的に歩行状態を評価し、リハビリテーションの内容を調整することが大切です。理学療法士が歩行の変化を観察し、適切なアプローチを取り入れます。

 

8. 心理面のサポート

・歩行障害による転倒への恐怖や、すくみ現象に対する不安が歩行をさらに困難にすることがあります。心理面のサポートやカウンセリングもリハビリテーションの一環として大切です。

歩行リハビリテーションは、理学療法士の指導のもと、無理のない範囲で継続的に行うことが効果的です。