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脳梗塞リハビリ リバイブあざみ野

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【パーキンソン病の症状と進行】

2024/11/12

【パーキンソン病とは】

パーキンソン病は、中枢神経系に影響を与える進行性の神経変性疾患で、主に運動機能の障害を引き起こします。この病気は、脳の黒質(こくしつ)という部分にあるドーパミンを分泌する神経細胞が徐々に減少することによって生じます。ドーパミンは、運動の調整に重要な役割を果たしており、その不足が運動障害の原因になります。

 

パーキンソン病の主な症状

パーキンソン病の症状は4つの代表的な運動症状から構成されています。

1.振戦(しんせん)

手や足、顎などが震える現象で、特に安静時に現れやすいです。

2.筋固縮(きんこしゅく)

筋肉が硬直し、動きがぎこちなくなります。

3.無動(むどう)または寡動(かどう)

動きが遅くなる、動きが少なくなるなどの症状。

4.姿勢反射障害

バランスが悪くなり、転倒しやすくなります。

 

その他の症状

運動症状だけでなく、以下のような非運動症状もよく見られます。

・うつや不安などの精神症状

・睡眠障害

・自律神経の異常(便秘、血圧低下、発汗異常など)

・認知機能の低下(一部の患者で認知症が発症することがあります)

 

パーキンソン病の原因

パーキンソン病の正確な原因はまだ解明されていませんが、遺伝的要因と環境的要因が複雑に絡み合って発症する可能性があると考えられています。また、加齢もリスク因子の一つです。

 

パーキンソン病の診断

パーキンソン病は、主に臨床症状と神経学的な検査を基に診断されます。MRIやPETスキャンなどの画像検査も補助的に使われることがありますが、現時点で確定的な診断方法は存在しません。

 

パーキンソン病の治療

パーキンソン病の根本的な治療法はまだありませんが、症状を緩和するための治療が行われます。

1.薬物療法:ドーパミンの代わりになる薬やドーパミンの分解を抑える薬を使用します。

2.リハビリテーション:理学療法、作業療法、音楽療法などが運動機能を維持するために行われます。

3.手術療法:脳深部刺激療法(DBS)など、症状の進行に応じて手術が検討されることがあります。

 

予後について

パーキンソン病は進行性の疾患であるため、症状は徐々に悪化していきますが、適切な治療とサポートにより、生活の質を長く維持できる可能性があります。

 

 

【パーキンソン病の症状】

パーキンソン病の症状は、運動に関わる「運動症状」と、精神や自律神経に関わる「非運動症状」に大きく分けられます。以下に主な症状を詳しく説明します。

運動症状

1.振戦(しんせん)

・手や腕、足、顎、頭などが震える症状で、特に安静時に現れやすいのが特徴です。リラックスしているときや片手だけを使っているときに特に出やすいです。

・振戦は、動作をしているときには軽減することが多いです。

 

2.筋固縮(きんこしゅく)

・筋肉が硬くなる症状で、筋肉の収縮が持続し、動作がぎこちなくなります。

・筋固縮が進むと、関節が動かしづらくなるため、関節や筋肉に痛みが生じることもあります。

・他者が腕や足を動かそうとするとき、一定の抵抗を感じることが特徴です。

 

3.無動(むどう)または寡動(かどう)

・動作が遅くなる(動作緩慢)または少なくなる症状です。身体を動かす速度や動きの滑らかさが低下し、日常動作に時間がかかるようになります。

・表情の変化が少なくなる(仮面様顔貌)や、歩行の際の腕の振りが少なくなるといった特徴も見られます。

 

4.姿勢反射障害

・バランスが悪くなるため、転倒しやすくなります。

・姿勢保持が難しく、急に姿勢を変えると転倒のリスクが高まります。このため、前屈姿勢になりやすく、歩行時には小刻みな歩行(すくみ足)が現れることもあります。

 

非運動症状

1.精神症状

・うつ症状や不安感がよく見られ、パーキンソン病患者の生活の質に影響を与えます。

・感情表現が乏しくなることや、やる気の低下(無気力症)も頻繁に見られます。

 

2.認知機能の低下

・パーキンソン病の進行と共に、一部の患者では認知症が発症することがあります。

・記憶力、注意力、問題解決能力の低下がみられることがありますが、アルツハイマー型認知症とは異なる特徴があります。

 

3.睡眠障害

・不眠症や睡眠中の異常行動(レム睡眠行動異常症)が起こりやすくなります。

・夜間の頻尿や足のむずむず感が睡眠を妨げる原因となることもあります。

 

4.自律神経の異常

・便秘、排尿障害(頻尿や尿失禁)、発汗異常(過剰な発汗や発汗不足)などが生じることがあります。

・立ち上がったときに血圧が急激に下がる起立性低血圧が起こることもあり、ふらつきや失神の原因となります。

 

5.嗅覚低下

・早期の段階から嗅覚の低下がみられることが多く、パーキンソン病の発症前兆となることもあります。

 

6.疼痛(とうつう)

・筋固縮や姿勢変化によって体の痛みが生じることがあります。肩こりや関節痛として現れることが多いです。

 

症状の進行

パーキンソン病の症状は徐々に進行しますが、患者によって進行速度や症状の現れ方が異なります。

 

 

【パーキンソン病の症状の進行度合い】

パーキンソン病の進行度は、主に症状の重さや患者の生活機能の低下に基づいて段階的に評価されます。一般的に「ホーエン・ヤール分類(Hoehn and Yahr分類)」という指標がよく使用され、5つのステージに分かれています。

 

ホーエン・ヤール分類(Hoehn and Yahr分類)

1.ステージ1(初期)

・片側のみ(左右どちらか一方)に軽い症状が現れます。典型的には片側の手や足の振戦や筋固縮が最初に見られます。

・症状は日常生活にほとんど影響を及ぼさず、本人が自覚する程度の軽いものであることが多いです。

 

2.ステージ2(中期初期)

・両側に症状が現れ、振戦や筋固縮が左右両方の手足に現れ始めます。

・姿勢や歩行が少しずつ影響を受け、日常動作がやや遅くなりますが、まだ自立して生活が可能です。

 

3.ステージ3(中期)

・姿勢反射障害が明確になり、バランスを崩しやすくなります。立ち上がるときや方向を変えるときにふらつき、転倒のリスクが高まります。

・日常生活には多少の支援が必要になることがあり、仕事や日常の活動に支障をきたすことが増えてきますが、自立して移動することは可能です。

 

4.ステージ4(進行期)

・症状がさらに重くなり、動作が著しく制限されます。歩行や立ち上がりに支援が必要であり、すくみ足などの症状が頻繁に見られます。

・一部の動作は自立して行えますが、日常生活の多くの場面で介助が必要になることが多くなります。

 

5.ステージ5(重度進行期)

・重度の運動障害により、ほとんどの動作が困難になり、車椅子やベッドでの生活が中心となります。

・全般的に他人の介助が必要で、自分だけで立ったり歩いたりすることができない状態です。

・非運動症状も増加し、認知機能の低下や精神的な症状が進行する場合もあります。

 

症状進行の個人差

パーキンソン病の進行速度は患者によって大きく異なります。症状の現れ方や進行速度は、遺伝的な要因や生活習慣、治療方法によっても変わることがあります。例えば、早期に適切な治療を開始し、リハビリテーションを続けることで進行を遅らせ、生活の質を保つことが可能です。

 

 

【パーキンソン病の進行を遅らせるためには】

パーキンソン病の進行を遅らせ、生活の質を保つためには、薬物療法やリハビリテーション、生活習慣の工夫が重要です。完全に進行を止めることはできませんが、以下の方法で進行を緩やかにすることが期待されます。

 

1. 適切な薬物療法

パーキンソン病の治療には、ドーパミンの不足を補う薬や、ドーパミンの働きを助ける薬が使用されます。これらの薬を適切に用いることで、運動症状をコントロールし、日常生活の質を向上させることができます。

・レボドパ(L-ドーパ):ドーパミンに変わる物質で、運動症状を緩和します。

・ドーパミン作動薬:ドーパミン受容体に作用し、ドーパミンの働きを補助します。

・MAO-B阻害薬COMT阻害薬:ドーパミンの分解を抑え、ドーパミンの作用を長く保ちます。

薬の効果を最大限に活かすためには、医師と相談しながら最適な薬の組み合わせや服用量を見つけることが重要です。また、薬の効果が薄れてくる「ウェアリングオフ」や不随意運動といった副作用が現れることもあるため、定期的な診察が必要です。

 

2. リハビリテーション

運動機能を維持し、筋力低下や関節の硬直を防ぐために、理学療法(PT)や作業療法(OT)などのリハビリテーションが有効です。

・バランス訓練歩行訓練:バランス能力を向上させ、転倒のリスクを低減します。歩行訓練では、小刻み歩行や姿勢の改善が目指されます。

・筋力強化:筋力を保つことで、姿勢保持や移動能力が向上します。

・ストレッチ:筋固縮や関節の柔軟性を保ち、日常動作をスムーズに行えるようにします。

・音楽療法やリズムに合わせた運動:音楽やリズムに合わせて体を動かすことで、動作の流れを滑らかにします。

 

3. 適度な運動

適度な有酸素運動や筋力トレーニングは、パーキンソン病の進行を遅らせる可能性があるとされています。以下のような運動が推奨されます。

・ウォーキングやジョギング:心肺機能の向上と筋力維持に役立ちます。

・水泳や自転車:関節への負担が少なく、全身を動かす運動として効果的です。

・ヨガや太極拳:柔軟性やバランス感覚を養う運動として適しています。

運動を続けることで、筋力やバランスの改善だけでなく、気分やストレス管理にも良い影響が期待できます。

 

4. 生活習慣の工夫

・栄養バランスの良い食事:特に抗酸化物質が豊富な食材(果物、野菜、ナッツ類など)は、神経細胞の保護に寄与する可能性があります。タンパク質の摂取は薬の吸収に影響するため、服薬時間との調整も必要です。

・十分な睡眠:良質な睡眠は、心身の回復を助け、疲労を減らします。睡眠障害がある場合は医師に相談し、対策を講じることが大切です。

・ストレス管理:ストレスは症状を悪化させる要因となりやすいため、リラクゼーション法(瞑想、呼吸法、趣味の時間など)を取り入れると良いでしょう。

 

5. 社会的・心理的なサポート

パーキンソン病は心理的な負担が大きいため、家族や友人、介護者からのサポートや、同じ疾患を持つ人々との交流も進行を遅らせるうえで重要です。また、医師やリハビリスタッフのほか、心理カウンセリングを受けることも精神的な安定に役立つ場合があります。