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脳梗塞リハビリ リバイブあざみ野

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【パーキンソン病 薬について】

2024/10/04

【パーキンソン病の薬について】

パーキンソン病の治療には、主に症状を緩和するための薬物療法が使われます。これらの薬は、ドーパミンの欠乏によって引き起こされる運動障害を改善することを目的としています。代表的な薬には以下のものがあります。

 

1. レボドパ(L-ドーパ)

最も効果的で一般的な治療薬です。レボドパは脳内でドーパミンに変換され、運動症状を改善します。ただし、長期使用で効果が減少し、**ジスキネジア(不随意運動)**などの副作用が出ることがあります。

 

2. ドーパミンアゴニスト

ドーパミン受容体に直接作用し、ドーパミンのように機能する薬です。レボドパよりも作用が緩やかで、副作用として眠気、幻覚、むくみなどが見られることがあります。代表的なものには、プラミペキソールやロピニロールがあります。

 

3. MAO-B阻害薬

脳内でドーパミンを分解する酵素(モノアミン酸化酵素B)を抑制する薬で、ドーパミンの濃度を上昇させる効果があります。セレギリンやラサギリンなどがこれに該当します。

 

4. COMT阻害薬

レボドパの分解を抑えることで、血中のレボドパ濃度を維持する薬です。エンタカポンやトルカポンが使われます。レボドパと併用することで効果を長く維持できます。

 

5. 抗コリン薬

アセチルコリンの作用を抑えることで、震えや筋肉のこわばりを軽減します。特に震えに対して効果的ですが、記憶力低下や便秘などの副作用があり、高齢者には慎重に使われます。

 

6. アマンタジン

ドーパミンの放出を促進し、ドーパミンの再吸収を抑える薬です。また、レボドパによるジスキネジアの予防にも用いられます。

これらの薬は患者の状態や病状の進行に応じて使い分けられます。医師と相談して最適な治療法を選ぶことが重要です。

 

 

【パーキンソン病の薬の副作用】

パーキンソン病の薬には、症状を改善する一方でさまざまな副作用が伴うことがあります。代表的な薬ごとの副作用を以下にまとめます。

 

1.レボドパ(L-ドーパ)

副作用:

・ジスキネジア(不随意運動): 長期間使用すると、身体の一部が意図せず動く症状が出ることがあります。

・ウェアリング・オフ現象: レボドパの効果が次第に短くなり、薬の効果が切れるまでの時間が短くなることがあります。

・吐き気・嘔吐: レボドパは消化器に影響を及ぼすことがあり、特に初期に現れやすい副作用です。

・低血圧: 血圧が低下し、めまいやふらつきを引き起こすことがあります。

 

2. ドーパミンアゴニスト

副作用:

・眠気・過眠症: 強い眠気や日中の突然の眠り込み(突然睡眠)が起こることがあります。

・幻覚・妄想: 特に高齢者において、幻覚や妄想が現れることがあります。

・むくみ: 特に足にむくみが出ることがあります。

・衝動制御障害: ギャンブルや過食、過度なショッピングなど、自己抑制が難しくなる場合があります。

 

3. MAO-B阻害薬

副作用:

・.不眠: ドーパミンの増加が神経を刺激し、不眠を引き起こすことがあります。

・頭痛: MAO-B阻害薬による頭痛の報告もあります。

・吐き気: 一部の患者では消化器に影響が出ることがあります。

 

4. COMT阻害薬

副作用:

・下痢: COMT阻害薬は消化器に影響を与え、下痢を引き起こすことがあります。

・肝障害: 特にトルカポンは肝臓に対して毒性を示す場合があり、定期的な肝機能検査が必要です。

・尿の変色: 一部の薬では尿の色が赤褐色になることがありますが、これは無害です。

 

5. 抗コリン薬

副作用:

・口渇(口の乾き): 抗コリン薬は唾液の分泌を抑えるため、口が乾くことがあります。

・便秘: 消化器の動きを抑制するため、便秘が起こることがあります。

・記憶障害: 特に高齢者では認知機能に影響が出やすく、記憶力や集中力が低下することがあります。

 

6. アマンタジン

副作用:

・幻覚・混乱: 特に高齢者において、幻覚や混乱が起こることがあります。

・足のむくみ: むくみや皮膚の変色(網状皮斑)が出ることがあります。

・興奮・不安: 一部の患者で不安感や過度の興奮状態が引き起こされることがあります。

パーキンソン病の治療は、副作用と効果のバランスを考えながら行われることが重要です。副作用が出た場合は、医師と相談して薬の種類や投与量を調整することが一般的です。

 

 

【パーキンソン病の服薬で大切な事】

パーキンソン病の薬物療法は、症状を管理し、生活の質を向上させるために重要です。しかし、服薬にあたっては以下の点に注意することが大切です。

1. 薬のタイミングを守る

・決まった時間に服用する: パーキンソン病の薬は、体内のドーパミン濃度を一定に保つために、決まったタイミングで服用することが重要です。特にレボドパは、食事のタイミングに影響されるため、医師の指示に従って正確に服用することが大切です。

 

2. 食事との関係

・タンパク質に注意: レボドパはタンパク質と競合して吸収が低下することがあります。タンパク質を多く含む食事(肉、卵、乳製品など)は、服薬から少し時間をおくか、1日の食事計画を医師や栄養士と相談することが望ましいです。

 

3. 副作用に対する理解と管理

・薬には様々な副作用がありますが、早めに気づき医師と相談することが大切です。たとえば、**幻覚やジスキネジア(不随意運動)**などが現れた場合、すぐに報告し、薬の調整や変更が必要です。また、眠気や低血圧などの副作用にも注意を払い、必要に応じて日常生活での工夫が求められます。

 

4. ウェアリング・オフ現象の観察

・レボドパを長期間使用していると、薬の効果が持続しにくくなるウェアリング・オフ現象が起こることがあります。症状が悪化する時間帯がある場合は、そのパターンを記録し、医師に報告して薬の調整を行います。

 

5. 自己判断での服薬変更はしない

・薬の量や種類を自己判断で変更するのは避けるべきです。パーキンソン病の薬は細かい調整が必要で、自己判断で変更すると症状の悪化や副作用のリスクが高まります。服薬についての変更は、必ず医師と相談して行うことが重要です。

 

6. 定期的な診察とコミュニケーション

・パーキンソン病は進行性の病気であり、症状や薬の効果は時間とともに変化します。定期的に医師の診察を受け、症状や副作用について詳細に伝えることが大切です。これにより、最適な薬の調整や新しい治療法の提案が可能になります。

 

7. 他の疾患や薬との相互作用に注意

・他の病気や服用している薬がある場合、パーキンソン病の薬と相互作用が起こることがあります。新しい薬を処方された場合や、サプリメントなどを使用する際は、必ず医師に相談することが重要です。

 

8. 服薬の継続性

・パーキンソン病は長期にわたって治療を続ける必要があるため、服薬を途中で中断しないことが重要です。中断すると症状が急速に悪化する可能性があるため、旅行や日常生活の変化がある場合も、事前に計画を立てて服薬を続けるようにしましょう。

パーキンソン病の治療には、患者本人と医師、さらには家族や介護者の協力が重要です。薬の効果や副作用をしっかりと把握し、治療を計画的に進めることが、日常生活をできるだけ快適に過ごすために必要です。

 

 

【パーキンソン病で服薬以外に大切なこと】

パーキンソン病の管理では、薬物療法に加えて、生活の質を維持し症状を緩和するために以下の非薬物的な対策も非常に重要です。

1. 運動療法

・定期的な運動: 運動は筋力、バランス、柔軟性を維持するのに役立ちます。ウォーキング、ストレッチ、ヨガ、太極拳などが効果的です。これにより、動作の硬さや歩行困難を軽減し、転倒のリスクを減らします。

・リハビリテーション: 理学療法士や作業療法士の指導のもと、パーキンソン病に特化したリハビリプログラムを行うことが大切です。特に歩行や姿勢、日常生活動作の改善を目的としたエクササイズが推奨されます。

 

2. 栄養管理

・バランスの取れた食事: 栄養バランスの良い食事は、エネルギーの維持と全身の健康を支えるために重要です。特に、食物繊維や水分を十分に摂ることで便秘を防ぎます。

・タンパク質のタイミング調整: レボドパを使用している場合、タンパク質と競合して薬の吸収が阻害されることがあります。食事計画を立て、タンパク質の摂取タイミングに配慮することが重要です。

 

3. 姿勢やバランスの維持

・バランストレーニング: バランスを維持するためのトレーニングが転倒リスクを減らします。理学療法士によるバランストレーニングや、太極拳のような運動も効果的です。

・正しい姿勢の習慣化: 長時間座る場合も、適切な姿勢を保つように意識し、定期的に立ち上がることが推奨されます。

 

4. 音声・言語療法

・発声練習: パーキンソン病は声が弱くなったり、はっきり話せなくなることがよくあります。言語聴覚士による発声練習や言語療法で、コミュニケーション能力を維持・改善することができます。

・嚥下機能の改善: 嚥下(飲み込み)が困難になることがあるため、これを改善するための練習やアドバイスも言語聴覚士が行います。

 

5. 睡眠管理

良質な睡眠: パーキンソン病は不眠や日中の過度な眠気を引き起こすことがあります。寝室環境の整備や規則正しい生活リズムを保つことが、睡眠の質向上に役立ちます。医師と相談して、必要に応じて睡眠に関する治療を行うことも大切です。

 

6. ストレス管理とメンタルケア

・ストレスを減らす: パーキンソン病の症状はストレスによって悪化することがあります。ストレスを管理するために、リラクゼーション法(瞑想や深呼吸)、趣味、友人や家族との時間を積極的に取ることが推奨されます。

・心理サポート: パーキンソン病はうつや不安を引き起こすことがあるため、カウンセリングや精神科医のサポートを受けることが有効です。家族や友人のサポートもメンタル面の健康維持に重要です。

 

7. 社会的サポートとコミュニケーション

・支援グループに参加: パーキンソン病の患者会やサポートグループに参加することで、同じ境遇の人たちと交流し、情報を共有することが精神的な支えになります。

・家族や介護者との協力: 日常生活での介護やサポートが必要な場合、家族や介護者との協力が重要です。また、介護者もサポートが必要なことが多く、適切な助けを求めることが大切です。

 

8. 生活環境の調整

・安全な生活空間: 転倒を防ぐために、家の中の障害物を取り除き、手すりや滑りにくい床材などの導入を検討します。また、夜間に明かりをつけて転倒のリスクを減らすことも効果的です。

・日常生活の工夫: 例えば、食事や着替えがしやすくなるように道具や家具の配置を工夫したり、時間のかかる活動に余裕を持って取り組むことが推奨されます。

これらの取り組みは、薬物療法と組み合わせてパーキンソン病の進行を管理し、日常生活をできるだけ自立的かつ充実したものに保つために役立ちます。