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脳梗塞リハビリ リバイブあざみ野

脳梗塞リハビリ リバイブあざみ野

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【脳卒中について】 〜パーフェクトガイド〜

2025/01/07

脳卒中

脳卒中は頭の中の血管に起こる病気です。

日本人の死亡原因の第4位(2018年)

・がん ・心疾患 ・老衰

※寝たきり原因の第1位は脳卒中

※画像はイメージです

 

【脳卒中の種類】

①脳梗塞

②脳出血

③くも膜下出血


1.脳梗塞

※画像はイメージです

脳梗塞は脳の血管が細くなったり、血管に血栓(血のかたまり)が詰まったりして脳に酸素や栄養が送られなくなるために、脳細胞が障害を受ける病気です。

 

①ラクナ梗塞

脳の深い部分の細い血管が詰まることで発症する

②アテローム血栓性脳梗塞

太い血管の壁にコレステロールなどが溜まるアテロームが原因で発症する

③心原性脳塞栓症

心臓から流れてきた血液の塊が脳の太い血管に詰まって発症する

 

【脳梗塞の診断と治療は迅速に】

※画像はイメージです

脳梗塞は時間の経過とともに拡大するため、早期発見と早期治療が大切となる

※一度死んだ細胞は復活しない

 

【脳梗塞の治療法について】

※画像はイメージです

・血液を固まりにくくする薬

・脳の腫れを抑える薬

・血液の塊を溶かす薬

・カテーテル治療

など

 

【脳梗塞の代表的な症状】

※画像はイメージです

・片側の手足の麻痺や感覚障害

・言葉の障害

・歩行困難

・視力や視覚の障害

・頭痛

など

 

【一過性脳虚血発作について】

上記の症状が短時間で改善することを、一過性脳虚血発作といいます(TIA)。機序は脳梗塞と同様ですが、血栓が小さかったり詰まりが弱いと、自然に血栓が溶けて再び血液が流れるようになるため症状が消えてしまいます。

ただしTIAは非常に危険な発作で、数日から3ヶ月以内に本格的な脳梗塞を起こすリスクがあるため、必ず病院を受診しましょう。


 

2.脳出血

 

※画像はイメージです

脳の中で出血が起こった状態で、原因の多くは高血圧が関係しています。

 

 

【脳出血の治療】

・薬物治療と手術による治療

・リハビリテーション

など

 

【脳出血の予防】

※画像はイメージです

生活習慣の改善と日頃の血圧管理が大切

 


 

3.くも膜下出血

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脳の表面にはくも膜という薄い膜があり、くも膜と脳の間の血管に動脈瘤という膨らみができて破裂し、致死率が高い病気。

 

・最も多いのは60〜70代女性

・予防は動脈瘤の早期発見

・高血圧や過度の飲酒も危険

 

【くも膜下出血の治療】

・クリッピング術

・コイル塞栓術 

など

 

【くも膜下出血の予防と要因】

・高血圧 喫煙 女性 遺伝 飲酒

・家族歴

 


 

4.若者にも発生する脳卒中

※画像はイメージです

①脳動静脈奇形

生まれつき脳の中で動脈と静脈が異常なかたまりを形成していることがあり、大人になり脳出血を起こす危険性がある

 

②もやもや病

脳に栄養を供給する血管が少しずつ細くなり、まわりから細くて弱い血管が増生してくる病気で、脳梗塞や脳出血を起こすことがある

 

③脳動脈解離

脳の血管の壁が裂けて、血液が壁の隙間に入り込み、血管が狭くなることにより、脳梗塞や脳出血を引き起こす病気

 


 

5.あれっ?おかしいと感じたら!

※画像はイメージです

【ふぁすと】

F顔 ace 口がゆがむ

A腕 rm  腕が上がらない

S言葉 peech 呂律が回らない

T時間 ime  急げ!!

※すぐに救急車を呼ぼう(119)

 


 

脳血管疾患患者数の状況

脳卒中を含む脳血管疾患の治療や経過観察などで通院している患者数は118万人と推計されており、うち約14%(17万人)が就労世代(20〜64歳)である。

※厚生労働省「平成26年患者調査」

 

 

 

 

 

【資料】

厚生労働省政策統括館付保健統計室「患者調査」より参考引用

 

 

 

リハビリテーション

リハビリテーションとは、残された能力を最大限に引き出して、身体的・心理的・社会的要因を乗り越えて社会の中で暮らしていくこと。

運動能力だけではなく、抑うつ状態や意欲の問題、家庭や社会の環境の整備も非常に大切です。

 

1.脳卒中リハビリテーション

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急性期 ⇨ 回復期 ⇨ 生活期

【急性期】

脳卒中を発症してすぐの状態。脳のどの部位に障害があり、どのような後遺症があるか検査します。それぞれのケースに適した治療や投薬を実施。医師の指示に従ってリハビリテーションをスタートする。

①しっかり治療する

②リハビリテーションの初期

③早期離床

 

 

【回復期】

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急性期が終わっても障害の程度により回復期リハビリテーション病院または病棟へと転院となります。ここでは退院後の生活に向けて集中的にリハビリテーションを実施します。

 

①障害が軽度の場合

一人で歩ける状態、仕事や家庭生活への復帰を目標に進め、1〜2ヶ月程度で自宅に戻ります。ただし障害が軽度でも自宅退院後も継続的なリハビリテーションが必要な場合もある。

②障害が中程度の場合

一人で歩くのは難しいが、立ち座りは一人でできる。最初は車椅子から始まり、2〜3ヶ月かけて装具や杖などを使用して歩くことができるようになります。

③障害が重度の場合

一人で座れないような状態。運動障害だけではなく高次脳機能障害や意識障害などがあるような状態。障害に応じたリハビリテーションを3〜5ヶ月かけて実施していく。

※焦りは禁物!!ですが「早く自宅に帰る!!」という気持ちは忘れずに

 

 

【生活期】

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回復期のリハビリテーションを終えて在宅での生活が可能になると、自宅を中心とした介護保険等の地域リハビリテーションへ移行します。

在宅への復帰が困難な場合は、療養型病棟や介護老人保健施設をはじめとする介護施設でリハビリテーションを継続します。

 

①地域リハビリテーション

・訪問リハビリ

在宅に療法士が訪問してリハビリを行う

・訪問看護

在宅に看護師が訪問して看護を行う

・通所リハビリ

デイケアやデイサービスなどでリハビリを行う

 

※在宅で大切な事は、ポジティブ精神と再発予防(前を向こう)

 

 

2.脳卒中の後遺症

【運動障害】

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片側の手足に麻痺が起こる後遺症。全く動かなかったり、痺れや感覚障害が残る場合もある

・手が動かない/力が入りにくい

・歩きにくい

・バランスが悪い 

など

 

【言語障害】

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しゃべったり、聞いたりする、理解することが難しくなります

聞く ⇨ 理解 ⇨ 話す

※このどこかで障害が起きる

 

【摂食・嚥下障害】

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食べ物を口に運び、噛んで飲み込みやすいように形を変えて咽頭へ送り、食道を通って胃まで運ぶ過程が上手くいかなくなる

※気道に入ってしまう誤嚥に気をつけよう!

 

3.在宅でケアをしたいこと

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【失語症に対する接遇】

・短くはっきりと話しかける

・漢字や数字などを書いて示すことも必要

・あまり間違いを訂正しない

・無理強いはしない

・ゆっくりと話しかける

・思いやりが大切

 

 

【摂食・嚥下障害がある場合】

・口の中を清潔に保つ

・食材、姿勢、食器などの工夫

・口腔衛生管理や訪問歯科診療の活用

 

【自宅でできるリハビリ】

・発声の練習

・舌や唇の体操

・呼吸の体操

・首の運動

 

4.在宅療養について

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住み慣れた家で在宅療養をするという選択肢があります。通院が困難な場合は、医師により訪問診療や訪問看護、訪問リハビリなどを活用しよう。

 

【リハビリテーションはどうすれば?】

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①通所リハビリテーションに通う

リハビリテーション設備のある施設に通ってリハビリテーションをする

②通所介護を利用する

介護スタッフのいる施設に通って介護を受ける。

③訪問リハビリを受ける

理学療法士、作業療法士、言語聴覚士が自宅に訪問してそれぞれのリハビリを行う。

 

【福祉用具などレンタルについて】

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※介護保険対象外のものは全額自己負担

レンタルできるもの(介護保険/1〜3割負担)

・四点杖・歩行器・車椅子・スロープ

・電動昇降機・特殊寝台・褥瘡予防マット など 

 

購入になるもの(介護保険/10万円分までは1〜3割負担)

・ポータブルトイレ・シャワー椅子など

※直接肌に接するもの

 

【住宅改修について】

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介護保険制度を利用すれば20万円分までは1〜3割の自己負担で住宅改修が可能。

・手すりの取り付け

・段差解消・引き戸などへの扉交換

など

 

【訪問介護について】

介護保険制度や福祉制度を利用すれば、買い物、調理、洗濯、掃除などをホームヘルパーが支援してくれる「生活援助」が受けられる。他にも、排泄、食事、外出、入浴、口腔ケアなどを介助してくれる「身体介護」もある。

 

【介護保険の利用までの流れ】

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①要介護・要支援認定の申請

     ↓

②訪問調査

     ↓

③かかりつけ医の意見書

     ↓

④認定審査会の判定

     ↓

⑤認定結果の通知

     ↓           ↓

要介護1〜5の場合    要支援1・2の場合

     ↓           ↓

居宅介護支援事業所 地域包括支援センター

介護サービスor介護予防サービスの開始

 

 

【在宅生活継続するために利用できる施設】

 

 

【住み替えをする場合】

 

 

脳卒中の再発予防について

脳卒中を発症した人の多くは、背景には生活習慣や高血圧、糖尿病、メタボリックシンドロームなどの危険因子を抱えています。

たとえ再発がなくても、脳血管の動脈硬化などを進行させないように、生活習慣を改善し、慢性的な危険因子の管理を続けていくことが大切になります。

 

1.脳卒中予防

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【改善したい生活習慣】

・喫煙

・不適切な食生活

・過度の飲酒

・睡眠のバランス

・運動不足

・過剰なストレス

 

【管理したい危険因子】

・高血圧

・糖尿病

・心房細動

・脂質異常症

・慢性腎臓病

・メタボリックシンドローム

 

 

2.生活習慣について

 

【減塩の工夫で血圧コントロール】

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・1日の塩分摂取量は男性7.5g未満、女性6.5g未満、高血圧がある場合は6.0g未満

・だしを活用する。昆布やかつお節、干し椎茸などを使って、自然な旨味を引き出します。

・香辛料やハーブを使用する。胡椒、山椒、唐辛子、ガーリック、バジル、タイムなどのスパイスやハーブを使うことで、風味を補います。

・酢やレモン汁を加える:。酸味を加えることで、味に深みを出します。

・野菜や果物の旨味を引き出す。トマトや玉ねぎ、にんじんなどを煮込んで旨味を引き出します。

・塩分の少ない調味料を選ぶ。減塩しょうゆや減塩みそ、低ナトリウムの調味料を使います。

・塩を使わずに調理する。蒸し料理や煮物、焼き物など、塩を使わずに素材の味を活かす調理法を選びます。

・加工食品の使用を減らす。缶詰や加工肉、インスタント食品など、塩分が多い食品を避けます。

・塩を後から振りかける。調理中ではなく、食べる直前に塩を振りかけることで、少量の塩で満足感を得られます。

・できあいのお惣菜は使い過ぎない

 

3.禁煙と再発予防

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【喫煙の脳卒中発症リスク】

喫煙で脳梗塞が1.9倍、くも膜下出血で2.9倍という報告あり。さらに、抗血栓薬を飲んでいる場合は、消化管出血を回避するためにも禁煙は必要です。

 

【喫煙のステージ】

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あなたはいまどのステージですか?

・ステージ1 〜無関心期〜 

・ステージ2 〜関心期〜

・ステージ3 〜準備期〜

・ステージ4 〜実行期〜

・ステージ5 〜維持期〜

 

【禁煙の方法について】

・期日を決めて禁煙をする

・ニコチン離脱症状を覚悟する

・吸いやすい行動や環境をやめる作らない

・吸いたくなったら代替行動をとる

・禁煙外来などの利用

※筆者の体験談

禁煙は非常にストレスがかかるもの。きっぱり止めるのは至難の業かもしれません。節煙という方法を試したり、タバコを吸いたくなるタイミングでガムを噛むのも効果的かもしれません。タバコを止めるとお金を使う頻度が極端に減ることは間違いなし。

 

4.水分はこまめに摂取しよう

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意識的に水分を摂取を心がけましょう。脱水で怖いのは、血液が濃くなり固まりやすくなると梗塞疾患を発症または再発しやすくなります。

 

【脱水のサインを見逃すな】

・食欲が低下し食事の頻度が減っている

・下痢や嘔吐をしているとき

・尿の回数や量が減少しているとき

・ぐったりしている

※季節的に暑くなくても日頃から、水分補給の意識を大切にしましょう

 

【ヒートショックとは?】

※画像はイメージです

ヒートショックとは、急激な温度変化により体に負担がかかり、心臓や血圧に異常が生じる現象です。特に冬場に、暖かい部屋から寒い風呂場やトイレに移動した際などに起こりやすいです。このような急激な温度差が体にストレスを与え、血圧の急上昇や心臓への負担を引き起こすことがあります。高齢者や持病のある人は特に注意が必要です。

 

脳卒中後の社会復帰について

1.脳卒中になっても働けるのか

脳卒中を発症した労働者の復職率は時間の経過とともに徐々に増加する傾向にあります。一般的には、発症から3〜6ヶ月頃と、1年〜1年半頃のタイミングで復職する場合が多い。

脳卒中の重症度や様々な環境により異なりますが、最終的な復職率は50〜60%と言われています。

 

 

【資料】

独立行政法人労働者健康安全機構「早期職場復帰を可能とする各種疾患に対するリハビリテーションのモデル医療に係る研究・開発、普及」研究報告書(平成20年4月)より参考引用

 

2.高次脳機能障害について

・失語症 言葉の理解が難しいなど

・失認症 認識が難しいなど

・失行症 やり方方法が分からないなど

・記憶障害 覚えるのが難しい

・注意障害 注意を向けらない

・遂行機能障害 物事の優先順位が難しい

・社会的行動障害 欲求が抑えられない

・半側空間無視 一方向に注意がいかない

・病態失認 自分の病気が自覚できない

・意欲の低下 何もしない

・感情抑制の障害 すぐに起こる泣く

 

 

3.脳卒中後てんかん

脳卒中後てんかんとは、脳卒中(脳梗塞や脳出血など)を経験した後に発生するてんかんのことを指します。

脳卒中によって脳の神経細胞や組織が損傷を受けると、その部分が異常な電気活動を起こしやすくなり、これがてんかん発作を引き起こす原因となります。

 

 

【単純部分発作】

・意識は保たれているが、体の一部が勝手に動く(例えば、手や足の痙攣)。

・異常な感覚(例えば、しびれ、チクチク感、異常な匂いや味の感覚)。

・精神的な症状(例えば、突然の不安感やデジャヴ感)。

 

【複雑部分発作】

・意識が混濁するが完全には失われない

・無目的な動作(例えば、口をもぐもぐさせる、手を無意識に動かす)。さ

・自分の行動や周囲の状況を正確に認識できない。

 

【欠神発作】

・短時間(数秒から数十秒)の意識喪失。

・動作が止まったり、目が虚ろになったりする。

・短い時間の間に何度も起こることがある

 

【対策について】

・初めての発作の時は病院受診を

・主治医に相談(脳波検査や治療薬)

 

4.脳卒中とうつ病

脳卒中後のうつ(脳卒中後うつ病、PSD: Post-Stroke Depression)は、脳卒中を経験した患者に頻繁に見られる精神的な障害です。

 

発症率:脳卒中患者の約30%から50%が何らかのうつ症状を経験するとされています。

 

【リスク要因】

・脳卒中の重症度

・社会的サポートの欠如

・過去のうつ病歴

・身体的障害や認知機能の低下

 

【症状】

・持続的な悲しみや興味の喪失

・疲労感やエネルギーの喪失

・睡眠障害(不眠または過眠)

・食欲の変化や体重の変動

・集中力の低下や決断力の欠如

・自殺念慮や自殺企図

 

5.車の運転について

【運転再開については免許センターへ相談】

自己判断での運転再開は非常にリスクを伴います。罰則の対象になるケースもあるため、必ず最寄りの免許センターに相談しましょう。

 

【主治医への相談確認】

必ずお医者に相談しましょう。運転再開する場合もしくは、難しい場合必ずご家族とも相談しましょう。

 

 

 

社会資源と制度について

1.障害者手帳とは

障害者手帳は、身体や精神に障害のある人が持つことができる公式の証明書です。

障害者手帳を持つことで、医療費の助成、公共交通機関の割引、税制優遇、福祉サービスの利用など、さまざまな支援やサービスを受けることができます。

障害の種類や程度に応じて、身体障害者手帳、療育手帳、精神障害者保健福祉手帳の3種類があります。

障害者手帳の申請は、市区町村の役所(市役所、区役所、町役場)で行います。

 

2.障害者総合支援法

障害者総合支援法は、2013年4月に施行された、日本における障害者の福祉や自立を支援するための法律です。

身体障害、知的障害、精神障害に加え、難病なども対象とし、多様な福祉サービスの提供、個別支援計画の作成、市町村の役割強化、低所得者に対する利用料の減免措置などを通じて、障害者が地域で自立して生活し、社会に参加できるよう支援することを目的としています。

 

3.介護保険

40歳以上65歳未満の人が介護保険を利用するためには、「特定疾病」に該当する必要があります。特定疾病とは、介護が必要となる可能性のある16の病気や障害のことを指し、具体的には以下のものがあります:

1)初老期における認知症

2)脳血管疾患

3)筋萎縮性側索硬化症

4)パーキンソン病

5)関節リウマチ

6)脊柱管狭窄症

7)骨折を伴う骨粗鬆症

8)がん末期

9)進行性核上性麻痺、大脳皮質基底核変性症およびパーキンソン病関連疾患

10)閉塞性動脈硬化症

11)糖尿病性神経障害、糖尿病性腎症および糖尿病性網膜症

12)多系統萎縮症

13)慢性閉塞性肺疾患

14)慢性腎不全

15)末期腎不全

16)進行性筋ジストロフィー

これらの特定疾病に該当する場合、医師の診断を受け、市区町村の介護保険課に申請を行うことで、介護認定を受けることができます。認定されると、必要に応じた介護サービスを利用することができます。

 

4.経済的な社会資源について

    ※画像はイメージです

 

【疾病手当金】

    ※画像はイメージです

疾病手当金は、被保険者が病気やけがのために働けず、給与が受け取れない場合に、生活を支援するために支給される手当です。健康保険に加入している労働者が対象で、連続して3日間の待機期間を経て、4日目から最長で1年6ヶ月間支給されます。支給額は、標準報酬日額の3分の2です。

 

【雇用保険】

雇用保険における失業給付は、障害者手帳を持つ人や就労困難者に対して特別な支援が行われます。具体的には、次のような点が挙げられます。

1)給付日数の延長: 障害者手帳を持つ人は、一般の求職者よりも長い期間の失業給付を受けることができます。具体的には、給付日数が最大で360日まで延長される場合があります。

2)給付条件の緩和: 通常の求職者は、失業給付を受けるために過去2年間で12ヶ月以上の被保険者期間が必要ですが、障害者手帳を持つ人や就労困難者の場合、この期間が6ヶ月以上に短縮されることがあります。

3)再就職手当: 障害者手帳を持つ人が早期に再就職した場合、再就職手当が支給されることがあります。これは、失業給付の残り日数に応じて一部を一括で受け取ることができる手当です。

4)職業訓練: 障害者手帳を持つ人は、特別な職業訓練を受けることができ、訓練期間中も給付金が支給される場合があります。

これらの支援により、障害者や就労困難者が再就職しやすい環境を整えることを目的としています。詳細な条件や手続きについては、最寄りのハローワークで確認することをお勧めします。

 

【障害年金】

    ※画像はイメージです

障害年金は、障害によって生活や働くことに支障がある人に対し、経済的な支援を提供する年金です。日本には以下の2種類の障害年金があります:

1)国民年金(基礎年金)の障害年金:

・対象: 国民年金に加入している人(自営業、フリーランス、学生など)。

・条件: 障害の状態が、国民年金法に基づく障害等級1級または2級に該当する場合に支給されます。

・支給額: 障害等級に応じて定められた額が支給されます。例えば、1級の場合、2024年度の年額は約88万円程度、2級の場合は約70万円程度です。

2)厚生年金の障害年金:

・対象: 厚生年金に加入していた人(サラリーマンや公務員など)。

・条件: 障害の状態が、厚生年金法に基づく障害等級1級または2級に該当する場合に支給されます。また、一定の保険料納付要件があります。

・支給額: 基本額に加え、報酬比例部分が支給され、障害等級に応じた額が支給されます。報酬比例部分は、加入期間や給与額に応じて変動します。

3)申請手続き:

・診断書の取得: 医師から障害の診断書を取得します。

・申請書の提出: 市区町村の年金事務所や日本年金機構に申請書を提出します。

・審査: 提出した診断書や証明書をもとに、障害等級の審査が行われます。

・決定と支給: 障害等級が認定されると、年金が支給されます。

障害年金の額や条件は年によって変更されることがありますので、最新の情報は年金事務所や日本年金機構で確認することが重要です。

 

【生活保護】

生活保護は、収入や資産がないために最低限の生活が困難な人に対して、必要な生活費や医療費、住居費などを支給し、基本的な生活を保障する制度です。

日本では、市区町村の福祉事務所が申請を受け付け、生活保護の支給額は、世帯の状況に応じて決定されます。支給内容には、生活費、住宅費、医療費、介護費、教育費などが含まれます。