【脳梗塞リハビリ】〜脳梗塞当事者家族になってみて〜
目次
【脳梗塞リハビリ】〜脳梗塞の当事者家族になってみて〜
【はじめに】
こんにちは。
神奈川県横浜市の自費リハビリ施設に勤務している理学療法士のHです。
今回のテーマは、、、
私事で恐縮ですが、この度ワタシも脳卒中の当事者家族になりました。
【突然のLINE】
家族からの突然のLINE。
お父さん
頭がくらくらして足に力が入らず自力で歩けない
救急車で病院へ運ばれ今検査中です
何も無ければいいけど
家族のグループLINEに突然の連絡。
ん?
ん?
マジか!?
脱水?熱中症?脳系かな?
グルグルと頭の中で巡りますが、今すぐ何か出来るわけではないので、ひとまず連絡を待つ事に。
【診断名は脳梗塞】
家族からの連絡
脳の細い血管が1箇所詰まっている可能性がある
それが原因でフラフラしたり下半身に力が入らない
入院になりました
診断名は「脳梗塞」
症状は歩行障害/加療のため入院
【不幸中の幸い】
今回の出来事、様々な偶然が重なり発見〜対応まで早かったことが何よりでした。
・たまたま他の病院を受診していた
・たまたま家族付き添いの日だった
・かかりつけ医への早急の連絡
・躊躇せずに救急車を呼んだ
【初期症状について】
今回は脳梗塞の診断でしたが、厳密には「小脳の梗塞」。その経過をお伝えします。
①朝から何となく不調感あり
②めまい・ふらつき
③歩行困難
※最初は他院にて処方された点眼薬の副作用?と思っていたが、かかりつけ医に相談したらすぐに「救急車を呼びなさい」と指示され、即入院となる
【軽い?脳梗塞とあなどるなかれ!!】
軽い?脳梗塞。
職業場、比較的後遺症が軽い脳梗塞であっても、入院中と退院後の生活のギャップで苦労される方は少なくありません。
今回のケース。
うちのオヤジは、
「いやぁー。軽い脳梗塞になってしまってー(笑)」「数週間で退院出来ますのでー」
おい!オヤジ!
脳梗塞を甘くみるなよ!!と言ってあげたいところですが、、
今回はひとまず「しっかりリハビリしてね」とだけ
欲を言えば、回復期リハビリテーション病院までみっちりリハビリしてほしい所ですが
どうなるオヤジー?
またリハビリ状況を更新します!
【小脳の機能とは】
ここでちょっと小脳についておさらいです
〜小脳の働き〜
小脳(しょうのう)は、脳の一部で、主に運動の調節やバランスの維持に関与しています。以下はその働きの主なポイントです。
- 運動の調整:
- 小脳は、筋肉の動きをスムーズにするために働きます。例えば、歩いたり、物を掴んだりする時に、動きをスムーズかつ正確に調整します。
- バランスの維持:
- 小脳は体のバランスを保つために重要な役割を果たします。姿勢を安定させ、倒れないように体の位置を調整します。
- 運動学習:
- 小脳は、新しい運動スキルを学ぶ際にも重要です。例えば、自転車に乗る方法や楽器を演奏する技術などを習得する際、小脳が関与します。
- 感覚情報の統合:
- 小脳は目、耳、筋肉などからの感覚情報を統合し、これを基に適切な運動指令を出します。
小脳が正常に働かない場合、運動失調(体の動きがぎこちなくなる)、平衡感覚の喪失、言語の不明瞭さなどの症状が現れることがあります。
〜小脳梗塞について〜
小脳梗塞(しょうのうこうそく)は、小脳への血流が一部または完全に遮断されることで発生する状態です。これにより、小脳の組織が損傷を受け、さまざまな症状が現れます。以下は小脳梗塞に関する基本的な情報です。
原因
- 血栓: 血管内に血の塊(血栓)ができ、それが小脳への血流を遮断します。
- 動脈硬化: 動脈が硬くなり、血流が妨げられることがあります。
- 心臓の問題: 心臓の異常によって血栓が生じ、小脳に到達することがあります。
症状
- めまい: 強いめまいやふらつきが現れます。
- バランスの喪失: 体のバランスが取れず、歩行が困難になります。
- 協調運動障害: 手足の動きがぎこちなくなり、物をうまく持てなくなります。
- 頭痛: 突然の強い頭痛が生じることがあります。
- 吐き気や嘔吐: 強い吐き気や嘔吐が見られることがあります。
診断
- 画像検査: CTスキャンやMRIによって小脳の状態を確認します。
- 血液検査: 血液の状態を調べ、原因を特定します。
治療
- 薬物療法: 血栓を溶かす薬や、再発を防ぐための抗凝固薬を使用します。
- リハビリ: 運動機能やバランスの回復を助けるためのリハビリテーションが行われます。
- 外科的治療: 重度の場合、手術によって血流を回復させることがあります。
予防
- 生活習慣の改善: 健康的な食事、定期的な運動、禁煙などが重要です。
- 定期検診: 血圧やコレステロール値を定期的にチェックし、異常があれば早期に対処します。
小脳梗塞は早期発見と迅速な治療が重要です。症状が現れた場合は、すぐに医療機関を受診することが必要です。
〜小脳梗塞のリハビリ〜
小脳梗塞のリハビリは、バランスの回復や協調運動の改善、日常生活の機能向上を目的として行われます。リハビリは個別の症状や回復度合いに応じて計画され、専門のリハビリテーションチーム(理学療法士、作業療法士、言語聴覚士など)が関与します。以下に小脳梗塞のリハビリの特徴を示します。
1. バランストレーニング
- 立位バランス訓練: 立った状態でのバランスを取る練習を行います。支えがある場合とない場合の両方で行います。
- 歩行訓練: 歩行の安定性を高めるために、平地や不安定な地面での歩行訓練を行います。
- 平衡台やバランスボールの使用: 不安定な台やボールの上でバランスを取る訓練を行い、体幹の安定性を高めます。
2. 協調運動の訓練
- 手先の運動訓練: 物を掴んだり、指を動かしたりする運動を通じて、手先の協調性を回復させます。
- 多関節運動: 複数の関節を同時に使う運動を行い、全身の協調運動を改善します。
3. 日常生活活動(ADL)の訓練
- 日常動作の練習: 食事、着替え、入浴などの日常生活動作をスムーズに行えるよう訓練します。
- 応用動作訓練: 実際の生活環境に近い状況での訓練を行い、自宅や職場での活動に備えます。
4. 言語および嚥下のリハビリ
- 言語訓練: 言語障害がある場合、発声練習やコミュニケーション訓練を行います。
- 嚥下訓練: 嚥下障害がある場合、安全に食物を飲み込むための訓練を行います。
5. 認知機能の改善
- 認知リハビリ: 注意力や記憶力などの認知機能を向上させるための訓練を行います。
6. 心理的サポート
- 心理カウンセリング: 小脳梗塞の影響で精神的なストレスや不安が生じる場合、心理カウンセリングを提供します。
7. 家族教育とサポート
- 家族教育: 家族に対して、リハビリの内容や家庭でのサポート方法を教育します。
- サポートグループ: 同じような経験を持つ患者や家族との交流を通じて、心理的な支えを提供します。
リハビリは個々の患者の状態に合わせて調整され、継続的な評価と改善が行われます。早期からリハビリを始めることで、機能回復の可能性が高まります。