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脳梗塞リハビリ リバイブあざみ野

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【脳梗塞リハビリ】〜脳卒中片麻痺について〜

2024/05/28

【脳梗塞リハビリ】〜脳卒中片麻痺について〜

【脳卒中とは】

〜脳卒中の種類〜

1.脳梗塞

定義

脳梗塞は、脳の血管が閉塞または狭窄し、脳組織への血流が減少または途絶することで発生する脳卒中の一種です。これにより、脳細胞が酸素や栄養を十分に受け取れず、最終的に壊死します。

種類

脳梗塞は主に以下の3種類に分類されます。

①アテローム血栓性脳梗塞:

・大型の脳動脈が動脈硬化によって狭窄し、その部分に血栓が形成されて血流が途絶します。

・主に高齢者や高血圧、糖尿病、高脂血症の患者に多く見られます。

②心原性脳塞栓症:

・心臓の中で血栓が形成され、それが血流に乗って脳に達し、脳動脈を塞ぐことで発生します。

・心房細動や心筋梗塞後の患者に多いです。

③ラクナ梗塞:

・脳の深部にある細い血管が詰まることで起こります。

・高血圧が主な原因で、小さな梗塞が多数発生することがあります。

症状

脳梗塞の症状は、梗塞の場所と範囲により異なりますが、一般的な症状は以下の通りです。

・片側の筋力低下(片麻痺)

・顔面の片側の麻痺

・言語障害(失語症)

・視力障害(片側視野欠損)

・意識障害(重度の場合)

・めまいやバランス障害

診断

脳梗塞の診断には迅速な画像診断が不可欠です。

・CTスキャン:脳出血を除外するために最初に行われます。

・MRI:より詳細な脳の状態を確認できます。特に拡散強調画像(DWI)が有用です。

・MRAやCTA:脳血管の状態を評価するための血管造影検査。

治療

脳梗塞の治療は、発症からの時間が重要であり、早期治療が予後を大きく左右します。

①急性期治療:

・血栓溶解療法(tPA):発症から4.5時間以内に適用されることが多いです。

・血管内治療:機械的血栓回収術などで血管を再開通させます。

②薬物療法:

・抗血小板薬(アスピリンなど)

・抗凝固薬(ワルファリン、DOACなど):心原性脳塞栓症に対して

③リハビリテーション:

・発症後できるだけ早期に開始し、機能回復を促進します。

予防

再発を防ぐためには生活習慣の改善が重要です。

・血圧管理:高血圧の治療

・糖尿病管理:血糖コントロール

・脂質管理:コレステロール低下薬の使用

・禁煙:喫煙はリスクを大幅に増加させます

・適度な運動:循環器系の健康維持

まとめ

脳梗塞は迅速な診断と治療が不可欠で、適切な予防措置を講じることでリスクを大幅に減少させることができます。患者と家族は、日常生活の中で健康管理を徹底し、再発防止に努めることが重要です。

 

2.脳出血

定義

脳出血は、脳内の血管が破れて血液が漏れ出し、脳組織にダメージを与える状態を指します。脳卒中の一種で、出血の量や場所によって症状の重さが異なります。

原因

脳出血の主な原因は以下の通りです。

①高血圧:

・長期間にわたる高血圧が、脳内の細い血管に負担をかけ、血管壁を脆弱にして出血を引き起こします。

②脳動脈瘤:

・動脈壁の一部が膨らんで形成される動脈瘤が破裂し、出血を引き起こすことがあります。

③脳動静脈奇形(AVM):

・異常な血管の絡み合いが破裂して出血することがあります。

④頭部外傷:

・外部からの衝撃による頭部の損傷が出血を引き起こす場合があります。

⑤血液疾患:

・血液の凝固異常や血小板減少症が原因で出血しやすくなることがあります。

⑥薬物の使用:

・抗凝固薬や抗血小板薬の過剰使用が出血リスクを高めます。

症状

脳出血の症状は、出血の部位と量によって異なりますが、一般的な症状は以下の通りです。

・突然の激しい頭痛:しばしば「雷が落ちたような痛み」と表現されます。

・意識障害:意識の混濁、昏睡状態など。

・片側の筋力低下(片麻痺):顔や手足の一部に麻痺が生じます。

・言語障害:言葉が出にくい、理解しにくい。

・視覚障害:視野の一部が欠ける、複視など。

・吐き気や嘔吐:頭蓋内圧の上昇によるもの。

診断

脳出血の診断は迅速かつ正確である必要があります。

・CTスキャン:急性期の出血を確認するために最も一般的に用いられます。

・MRI:特に出血の詳細や出血後の脳の状態を評価するのに有効です。

・血管造影検査(CTA、MRA):出血の原因となる血管異常を特定するために行われます。

治療

脳出血の治療は、出血の量、場所、患者の全身状態によって異なります。

①薬物療法:

・降圧薬:血圧を管理してさらなる出血を防ぐ。

・脳圧降下薬:脳浮腫を減少させる。

・止血薬:血液凝固を促進する薬。

②外科的治療:

・開頭手術:大規模な出血や脳圧の増加を軽減するために血腫を除去します。

・脳動脈瘤クリッピング:動脈瘤を閉じて再出血を防ぐ。

③リハビリテーション:

・発症後、可能な限り早期にリハビリを開始し、機能回復を目指します。

予防

脳出血のリスクを減少させるためには、以下の予防策が重要です。

・高血圧管理:定期的な血圧測定と適切な薬物治療。

・生活習慣の改善:バランスの取れた食事、適度な運動、禁煙、適正体重の維持。

・定期的な健康チェック:特に動脈瘤や血管奇形の有無を確認するための検査。

・適切な薬物管理:抗凝固薬や抗血小板薬の使用に関する医師の指示を遵守する。

まとめ

脳出血は緊急性の高い疾患であり、迅速な診断と治療が患者の予後を大きく左右します。高血圧の管理や生活習慣の改善などの予防策を講じることで、リスクを大幅に減少させることが可能です。患者とその家族は、脳出血の兆候を見逃さないよう注意し、適切な医療機関での受診を心がけることが重要です。

 

3.くも膜下出血

定義

くも膜下出血(Subarachnoid Hemorrhage, SAH)は、脳を覆う膜の一つであるくも膜と脳の表面との間に出血が起こる状態です。この出血は脳内の血管の破裂によって引き起こされ、多くの場合、突然発症します。

原因

くも膜下出血の主な原因は以下の通りです。

①脳動脈瘤の破裂:

・くも膜下出血の最も一般的な原因です。動脈瘤は血管の壁が弱くなって膨らんだもので、これが破裂すると出血を引き起こします。

②脳動静脈奇形(AVM):

・脳内の異常な血管の絡み合いが破裂して出血することがあります。

③外傷性くも膜下出血:

・頭部外傷によってくも膜下に出血が起こる場合があります。

④その他の原因:

・血液凝固障害、高血圧、血管炎などが関与することがあります。

症状

くも膜下出血の症状は、突然発症し、非常に激烈なものが多いです。

・突発的な激しい頭痛:しばしば「人生で最も酷い頭痛」と表現されます。

・嘔吐:頭痛に伴って吐き気や嘔吐が現れます。

・意識障害:意識の混濁、昏睡状態など。

・神経症状:片側の筋力低下(片麻痺)、言語障害、視覚障害など。

・頸部硬直:首の後ろが硬くなる。

・光過敏:光に対して敏感になる。

診断

くも膜下出血は迅速な診断と治療が必要です。

①CTスキャン:

・迅速かつ正確に出血の有無を確認するために最初に行われます。

②腰椎穿刺(ルンバール・パンクチャー):

・CTスキャンで異常が見られない場合でも、脳脊髄液中の血液を確認するために行います。

③脳血管造影(CTA、MRA、DSA):

・出血の原因となる血管異常を特定するために用います。

治療

くも膜下出血の治療は、原因や出血の程度、患者の状態によって異なります。

①緊急治療:

・動脈瘤クリッピング:開頭手術で動脈瘤をクリップで閉じる方法。

・コイル塞栓術:血管内治療で動脈瘤内にプラチナコイルを詰めて血流を遮断する方法。

②集中治療:

・脳圧管理:脳浮腫を防ぐための薬物治療や、場合によっては外科的処置。

・血圧管理:高血圧をコントロールし、再出血のリスクを減少させる。

③再発予防:

・動脈瘤の治療:動脈瘤が破裂していない場合でも予防的に治療を行うことがあります。

・生活習慣の改善:禁煙、適度な運動、バランスの取れた食事など。

④リハビリテーション:

・病状が安定した後、機能回復のためのリハビリが行われます。

予防

くも膜下出血の予防には、以下の点が重要です。

・定期的な健康チェック:特に家族歴がある場合、動脈瘤の早期発見のために定期的な検査を受ける。

・生活習慣の改善:血圧管理、禁煙、適度な運動。

・リスク要因の管理:高血圧や動脈硬化のリスク要因をコントロールする。

まとめ

くも膜下出血は緊急性が高く、迅速な診断と治療が必要です。高血圧や動脈瘤の管理など、予防策を講じることでリスクを減少させることができます。症状が現れた場合、直ちに医療機関を受診することが重要です。

 

〜発症メカニズム〜

脳卒中は、脳の血流が途絶することによって引き起こされる急性脳血管障害です。脳卒中には主に脳梗塞と脳出血の2種類があります。それぞれの発症メカニズムについて詳しく説明します。

1. 脳梗塞の発症メカニズム

脳梗塞は、脳への血流が部分的または完全に途絶することによって脳組織が壊死する状態です。主なメカニズムは以下の通りです。

①血栓形成:

アテローム血栓性脳梗塞:

・脳動脈の内壁にコレステロールや脂肪が蓄積してプラークが形成され、血管が狭くなります。

・狭くなった血管内で血栓が形成され、血流が途絶することで発症します。

心原性脳塞栓症:

・心房細動や心筋梗塞後の血栓が心臓内で形成されます。

・この血栓が血流に乗って脳の血管に到達し、血管を詰まらせることで発症します。

②血管狭窄:

ラクナ梗塞:

・高血圧によって細い脳動脈が狭くなり、その結果として血流が減少し、脳の深部で小さな梗塞が発生します。

2. 脳出血の発症メカニズム

脳出血は、脳内の血管が破れて血液が漏れ出し、脳組織にダメージを与える状態です。発症メカニズムは以下の通りです。

①血管の破裂:

高血圧性脳出血:

・長期間にわたる高血圧が脳の小血管に負担をかけ、血管壁を脆弱にします。

・結果として、血管が破れて出血します。

脳動脈瘤の破裂:

・脳動脈の壁が弱くなり、膨らんで形成された動脈瘤が破裂して出血します。

脳動静脈奇形(AVM)の破裂:

・異常な血管の絡み合いが破裂し、出血することがあります。

②血管壁の異常:

アミロイド血管症:

・高齢者に多く見られる状態で、アミロイドというタンパク質が血管壁に沈着し、血管を脆弱にします。

・結果として、血管が破れて出血します。

3. くも膜下出血の発症メカニズム

くも膜下出血は、脳を覆う膜の一つであるくも膜と脳の表面との間に出血が起こる状態です。

①動脈瘤の破裂:

・脳動脈の壁が弱くなり、膨らんで形成された動脈瘤が破裂して出血します。

②外傷性くも膜下出血:

・頭部外傷によってくも膜下に出血が起こる場合があります。

③脳動静脈奇形(AVM)の破裂:

・異常な血管の絡み合いが破裂し、くも膜下に出血することがあります。

〜共通のリスク要因〜

脳卒中の発症には、以下のリスク要因が共通して影響します。

1.高血圧:

・最も重要なリスク要因であり、長期間の高血圧は血管を傷害し、脳卒中のリスクを大幅に高めます。

2.糖尿病:

・高血糖状態が持続すると血管が傷害されやすくなり、動脈硬化を促進します。

3.高脂血症:

・血中のコレステロールや脂肪が高いと、動脈硬化が進行しやすくなります。

4.喫煙:

・血管を収縮させ、血圧を上昇させるだけでなく、動脈硬化を促進します。

5.心房細動:

・不規則な心拍が血栓を形成しやすくし、これが脳に運ばれて血管を詰まらせる原因になります。

まとめ

脳卒中は、血管の閉塞または破裂によって脳への血流が妨げられることで発症します。脳梗塞と脳出血、さらにくも膜下出血の発症メカニズムは異なりますが、共通するリスク要因が存在します。高血圧や糖尿病、喫煙などのリスク要因を管理することで、脳卒中の予防が可能です。適切な生活習慣の維持と定期的な健康チェックが重要です。

 

【片麻痺の症状】

 

〜片麻痺の原因について〜

片麻痺の仕組み

片麻痺(ヘミペレシス)は、身体の片側の筋力が低下する状態です。その仕組みを理解するためには、まず運動機能の神経経路と脳卒中がどのように影響を与えるかを知る必要があります。

1. 運動機能の神経経路

運動機能は、脳の特定の領域から始まり、脊髄を通じて筋肉に指令を送る神経経路によって制御されています。主な経路は以下の通りです。

一次運動野(大脳皮質):

・脳の前頭葉に位置する一次運動野は、運動の開始を指令します。ここから出た運動指令は、内包を通って脳幹へと進みます。

内包:

・内包は、一次運動野からの運動指令が集まる重要な白質領域です。ここを通過する神経線維は、脳幹を通り、反対側の脊髄に交差します。

脳幹:

・脳幹の中でも特に橋(ポンズ)や延髄(メドゥーラ)を通過する際に、神経線維は交差します。この交差によって、左脳が右側の身体を、右脳が左側の身体を制御します。

脊髄:

・脳幹で交差した神経線維は、脊髄を通り、最終的に筋肉に信号を送ります。

 

2. 片麻痺のメカニズム

片麻痺は、上述の運動経路のどこかが損傷されることで発生します。脳卒中(脳梗塞、脳出血、くも膜下出血)による片麻痺の発生メカニズムを具体的に説明します。

3.大脳皮質の損傷:

・.脳梗塞や脳出血が一次運動野に影響を与えると、対側の身体の運動機能が低下します。例えば、左脳の一次運動野が損傷されると、右側の手足が麻痺します。

・これは、一次運動野が各部位ごとに異なる身体部分を制御しているためです。

4.内包の損傷:

・内包が損傷されると、広範囲の運動指令が途絶され、片側の広い範囲に麻痺が発生します。内包は多くの運動指令が通過する場所であり、ここでの損傷は重大な運動障害を引き起こします。

5.脳幹の損傷:

・脳幹での神経線維の交差部位が損傷されると、片側の身体に麻痺が生じます。例えば、脳幹の橋や延髄が損傷されると、対側の手足に麻痺が生じることが多いです。

6.脊髄の損傷:

・脊髄の片側が損傷されると、その損傷部位より下の対側の身体に麻痺が生じます。

まとめ

片麻痺の仕組みは、運動機能を制御する神経経路がどこで損傷されるかによって異なります。脳卒中(脳梗塞、脳出血、くも膜下出血)が原因となる場合、一次運動野、内包、脳幹、または脊髄の損傷によって、片側の身体に麻痺が生じます。脳の各部位がどのように運動機能を制御しているかを理解することは、片麻痺のメカニズムを理解するために重要です。

 

【初期対応について】

〜初期対応の方法(FASTチェック、緊急搬送の重要性)〜

脳卒中は迅速な対応が必要な緊急事態です。脳卒中の症状を早期に認識し、迅速に対応することで、脳のダメージを最小限に抑え、回復の可能性を高めることができます。以下に、脳卒中の初期対応として重要なFASTチェックと緊急搬送の重要性について説明します。

FASTチェックとは?

FASTチェックは、脳卒中の兆候を簡単に見分けるための方法で、以下の4つのポイントで構成されています。

1.Face(顔):

・顔の麻痺: 笑顔を作ってもらい、片側の顔が下がっていないか確認します。顔の片側が下がっている、または笑顔が歪んでいる場合は異常のサインです。

2.Arms(腕):

・腕の麻痺: 両腕を前に伸ばしてもらい、手のひらを上に向けたまま10秒間保持してもらいます。一方の腕が落ちる、または動かない場合は異常のサインです。

3.Speech(言語):

・言語の障害: 簡単な文を繰り返してもらい、発音が不明瞭、言葉が出てこない、言葉が正しく出ない場合は異常のサインです。

4.Time(時間):

・時間の確認: これらの症状が一つでも見られたら、すぐに救急車を呼びます。時間が重要です。脳卒中は早急な治療が必要です。

緊急搬送の重要性

脳卒中の治療において、迅速な医療介入が重要です。以下の理由から、症状が見られたらすぐに緊急搬送を行うことが推奨されます。

1.時間と脳の関係:

・脳卒中が発生してから治療開始までの時間が長いほど、脳組織の損傷が進行し、回復の見込みが低くなります。「時間は脳」と言われるように、早急な対応が不可欠です。

2.再灌流療法の実施:

・脳梗塞の場合、閉塞した血管を再開通させるための治療(再灌流療法)が行われます。この治療には「t-PA」という血栓を溶かす薬が用いられますが、投与のタイムウィンドウは発症から4.5時間以内です。この時間内に治療を開始することで、効果的に脳組織を救うことができます。

3.出血性脳卒中の治療:

・脳出血やくも膜下出血の場合も、迅速な対応が求められます。出血を止めるための外科的処置や、出血による脳圧の上昇を管理するための治療が早急に必要です。

4.専門医による評価:

・脳卒中専門の医療チームによる評価と診断が迅速に行われることで、最適な治療法が選択されます。専門的な医療施設への搬送が重要です。

まとめ

脳卒中の初期対応として、FASTチェックは重要なツールです。顔、腕、言語の異常を確認し、すぐに救急車を呼ぶことで、早期の治療介入が可能になります。迅速な緊急搬送は、脳の損傷を最小限に抑え、回復の可能性を高めるために不可欠です。脳卒中の症状を見逃さず、迅速に対応することが、患者の生命と機能回復に大きく寄与します。

 

【 片麻痺の治療法】

〜リハビリテーションの開始時期と重要性〜

脳卒中後のリハビリテーションは、患者の機能回復と生活の質の向上に不可欠です。以下にリハビリテーションの開始時期とその重要性について詳しく説明します。

1. リハビリテーションの開始時期

早期開始が鍵となります。具体的な開始時期は以下の通りです。

①急性期(発症から数日以内):

・脳卒中の急性期は、発症から数日以内の期間を指します。この時期には、病院での集中治療が行われるとともに、ベッド上での軽い運動や体位変換が開始されます。

・病状が安定していれば、できるだけ早期にベッド上のリハビリテーションを開始します。例えば、簡単な関節運動や座位の保持などが含まれます。

②回復期(発症から数週間以内):

・急性期を過ぎると、回復期リハビリテーションが本格的に始まります。これは、専門的なリハビリテーション施設での入院リハビリテーションを含みます。

・集中的なリハビリプログラムが導入され、理学療法(PT)、作業療法(OT)、言語療法(SLT)などが行われます。この期間は、患者が最大限に機能回復を図る重要な時期です。

③維持期(発症から数ヶ月以降):

・回復期リハビリテーションを終えた後も、外来や在宅でのリハビリテーションが続けられます。

・維持期には、機能の維持とさらなる向上を目指して、定期的なリハビリテーションが行われます。また、自主トレーニングの指導も行われます。

2. リハビリテーションの重要性

リハビリテーションは、脳卒中後の機能回復と生活の質を向上させるために重要です。その理由を以下に示します。

①神経可塑性の促進:

・脳卒中後のリハビリテーションは、脳の神経可塑性を促進します。神経可塑性とは、脳が新しい神経経路を形成したり、損傷を受けた経路を再編成したりする能力のことです。早期から適切なリハビリを行うことで、この神経可塑性を最大限に引き出すことができます。

②機能回復の最大化:

・早期からのリハビリテーションにより、運動機能や日常生活動作(ADL)の回復が促進されます。これにより、患者が自立した生活を送る可能性が高まります。

③二次的な合併症の予防:

・リハビリテーションは、関節拘縮や筋萎縮、褥瘡(床ずれ)などの二次的な合併症を予防します。適切な運動やポジショニングによって、これらの問題を防ぐことができます。

④精神的・心理的なサポート:

・リハビリテーションは、身体的な回復だけでなく、精神的・心理的なサポートも提供します。リハビリの過程で、患者は自信を取り戻し、社会復帰に向けた意欲を高めることができます。

⑤生活の質の向上:

・リハビリテーションを通じて、日常生活での自立度が高まり、生活の質が向上します。患者が自分の力で日常生活を営む能力を取り戻すことは、生活の満足度や幸福感の向上に直結します。

まとめ

脳卒中後のリハビリテーションは、発症後できるだけ早期に開始することが推奨されます。急性期、回復期、維持期にわたって継続的にリハビリを行うことで、神経可塑性を促進し、機能回復を最大化し、合併症を予防し、精神的サポートを提供します。これらの取り組みは、患者の生活の質を大幅に向上させるために重要です。リハビリテーションは、専門の医療チームの指導の下で継続的に行われるべきです。

 

【リハビリテーションと生活の質の向上】

〜自宅でできるリハビリ〜

https://revive-reha-azamino.com/movie

 

〜日常生活の適応(福祉用具、住環境の工夫)横浜市の福祉用具センター〜

https://www.hama-wel.or.jp/branch/fukushiyogu/