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脳梗塞リハビリ リバイブあざみ野

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【脳梗塞リハビリ】〜歩行のリハビリテーションについて〜

2024/05/07

【脳梗塞リハビリ】〜歩行のリハビリテーションについて〜

 

【脳卒中で需要が高い歩行のリハビリ】

自費リハビリにおいて、需要が高い物があります。それが歩行のリハビリと手のリハビリです。移動とは人にとっては生きていく上で欠かせない要素です。

 

【正常な歩行について】

〜大脳皮質〜

運動の計画・準備・随意制御

大脳皮質は、歩行時に複雑な運動計画を立てる役割を果たします。運動皮質の一部である運動前野は、歩行の開始や停止、速度の調整など、歩行行動全体を制御するための指令を送ります。運動前野はまた、上半身と下半身の運動を同期させ、バランスを保つのに重要な役割を果たします。

さらに、大脳皮質は感覚情報を処理し、歩行中に周囲の環境や体の状態に適応するための情報を提供します。視覚、聴覚、前庭感覚などの感覚情報は、大脳皮質によって統合され、適切な歩行パターンや姿勢調整に反映されます。

歩行は脳のさまざまな部位との複雑な相互作用によって支えられていますが、大脳皮質の役割は特に重要であり、運動計画の立案と実行、そして外部環境への適応を可能にします。

 

〜脳幹〜

歩行開始のトリガー・筋緊張の抑制

脳幹は、脳の基盤部分であり、自律神経系の制御や基本的な生理学的機能の調節、そして運動制御に関与します。歩行における脳幹の役割を詳しく見てみましょう:

1.姿勢制御とバランス調整

脳幹の中には、身体の姿勢を維持し、バランスを調整するための神経核があります。これらの核は、重力に対する反応や身体の動きに応じて適切な筋肉の活動を調整します。脳幹の中心部である延髄には、特にバランス調整に関与する核があります。

2.運動パターンの生成

脳幹には、中枢パターン発生器と呼ばれる神経回路があります。これらの回路は、歩行やその他の運動パターンの基本的なリズムやパターンを生成します。中脳の中心灰白質や延髄の脊髄前角などがその中心となる領域です。

3.感覚情報の処理

脳幹は、視覚、聴覚、前庭感覚などの感覚情報を処理し、歩行中の環境や体の状態を把握します。特に前庭感覚は、身体のバランスや空間認識に重要な役割を果たします。

4.反射の調節

脳幹は、歩行中の反射の調節も行います。たとえば、脊髄反射や歩行中の姿勢調整反射などが含まれます。これらの反射は、急な外部刺激に対する即座の反応や、歩行中の姿勢の維持に役立ちます。

これらの機能は、脳幹が歩行行動の基盤を提供し、身体の運動を円滑に調整するのに不可欠な役割を果たしています。

 

〜脊髄〜

中枢パターン発生器・脊髄介在ニューロン

歩行における脊髄の役割は、信号伝達や運動の調節において重要です。以下に脊髄の主な役割を詳しく説明します:

1.信号伝達

脊髄は、運動や感覚の情報を身体の各部位と脳の間で伝達する主要な経路です。運動神経は脊髄を通じて身体の筋肉に指令を送り、感覚神経は外界からの刺激を脳に送ります。これにより、歩行時に筋肉の収縮や体の動きを調節するための情報が伝達されます。

2.反射の調節

脊髄は、歩行中に重要な反射の中心です。たとえば、脊髄反射は急な刺激に対する即座の反応を調節し、歩行中の姿勢の維持に役立ちます。また、歩行中には自動的に起こる反射的な動作も脊髄で調節されます。

3.運動パターンの制御

脊髄には、歩行などの運動パターンを制御する神経回路が存在します。これらの回路は、中枢パターン発生器と呼ばれ、歩行のリズムやパターンを生成し、身体の運動を調節します。

4.運動情報の処理

脊髄は、運動情報の処理にも関与します。感覚器官からの情報が脊髄を通じて脳に送られる前に、一部の情報は脊髄で処理され、重要な情報のみが脳に送られます。

これらの役割により、脊髄は歩行における重要な役割を果たしています。身体の運動を調節し、外部からの刺激に対する反応を制御することで、安定した歩行を支援します。

 

〜基底核〜

筋緊張の調節

歩行における大脳基底核の役割は、運動の計画、調節、そして自動化に関与します。具体的には、次のような役割があります:

1.運動の計画と調節

大脳基底核は、歩行のような複雑な運動の計画と調節に関与します。これは、歩行を開始し、停止し、方向を変えるといった動作を含みます。大脳基底核は、歩行中に必要な適切な筋肉の収縮を調節する信号を発送し、運動のスムーズな実行を支援します。

2.運動の自動化

歩行などの熟練された運動が大脳基底核を通じて自動化されます。これは、初めは意識的に行われる動作が繰り返し練習されることで、大脳基底核の活動により自動的に実行されるようになる現象です。歩行が自動化されると、意識的な制御を必要とせずに、より効率的に行うことができます。

3.運動の調整と柔軟性

大脳基底核は、環境の変化や外部刺激に対する適応性の高い運動の調整にも関与します。歩行中に予期せぬ障害物が現れた場合、大脳基底核は迅速に適切な調整を行い、安全かつ効果的な反応を生成します。

総じて言えば、大脳基底核は歩行などの運動行動において、運動の計画、調節、自動化、そして柔軟性の向上に重要な役割を果たします。これにより、効率的かつ安全な歩行が実現されます。

 

〜小脳〜

運動学習・四肢の協調動作

小脳は、歩行において複数の重要な役割を果たしています:

1.運動の調節と協調

小脳は、歩行時の筋肉の協調や動作の正確な調節に関与します。歩行中に必要な適切な筋肉の収縮と緩和を調節することで、歩行動作をスムーズに行うのに役立ちます。

2.バランスと姿勢の維持

小脳は、身体のバランスと姿勢を維持するのに重要な役割を果たします。歩行中に小脳が正常に機能することで、身体のバランスが保たれ、安定した歩行が可能になります。

3.運動学習と運動の自動化

小脳は、歩行などの運動学習と自動化にも関与します。繰り返しの訓練を通じて、小脳は歩行パターンを学習し、自動的に実行するようになります。これにより、歩行が習慣化され、より効率的に行われるようになります。

4.運動の調整と修正

小脳は、外部刺激や予期せぬ障害物に対する運動の調整と修正にも関与します。歩行中にバランスを崩したり、障害物に遭遇したりした場合、小脳は迅速に運動を調整し、安全かつ効果的な反応を生成します。

総じて言えば、小脳は歩行において、運動の調節、バランスの維持、運動学習、そして運動の調整と修正などの機能を担当しています。これにより、効率的で安定した歩行が可能になります。

 

【円滑な歩行を実現するためには】

円滑な歩行を実現するためには、複数の機構が相互に協調して機能する必要があります。以下に、円滑な歩行を実現するための主な機構をいくつか紹介します:

1.姿勢制御

正しい姿勢を維持することは、歩行の安定性と効率性に重要です。姿勢制御は、脊髄や脳幹、大脳皮質、小脳などの神経系が協調して行います。身体の姿勢を維持するために、さまざまな筋肉が適切に活動し、バランスを保ちます。

2.運動パターンの生成と調節

運動パターンの生成と調節は、歩行のリズムやコーディネーションを確保するために重要です。中枢パターン発生器や大脳基底核、小脳などの部位が、運動パターンを生成し、必要に応じて調節します。

3.感覚情報の処理とフィードバック制御

視覚、聴覚、前庭感覚などの感覚情報が、歩行中の身体の状態や周囲の環境を監視します。この情報は、大脳皮質や小脳などの部位で処理され、運動制御にフィードバックされます。これにより、運動が適切に調整され、円滑な歩行が可能になります。

4.反射と自動化された動作

脊髄や脳幹によって制御される反射や、熟練された動作の自動化も、円滑な歩行に貢献します。これにより、歩行中に即座に適切な反応が生じ、効率的な動作が実現されます。

これらの機構が効果的に機能することで、身体は安定性を保ちながら効率的に歩行できるようになります。

 

【脳卒中後の歩行の特徴】

脳卒中後の歩行運動の特性は、個人や脳卒中の種類、および損傷の程度によって異なりますが、一般的には以下のような特徴が見られます:

1.片麻痺

脳卒中の大部分は片麻痺(半身麻痺)を引き起こします。片側の脳卒中の場合、通常、対側の身体の動きに影響があります。このため、歩行時に片側の筋肉の制御やバランスが影響を受け、片麻痺側の筋力低下や動作の不安定さが見られることがあります。

2.筋力低下

脳卒中によって神経系が損傷されると、筋肉の制御や収縮が影響を受け、筋力低下が起こることがあります。特に片麻痺側の筋肉の筋力低下が顕著で、歩行時に足を持ち上げることやバランスを取ることが難しくなります。

3.歩行パターンの変化

脳卒中後の歩行は、通常の歩行と比較して歩行パターンに変化が見られることがあります。例えば、歩行速度の低下、歩行の不安定さ、足の引きずり、片麻痺側の足を引きずることなどが挙げられます。

4.バランスの低下

脳卒中後の歩行では、バランスの低下が見られることがあります。片麻痺や筋力低下により、身体のバランスを保つ能力が低下し、転倒やけがのリスクが高まることがあります。

5.歩行の疲労

脳卒中後の歩行は、通常の歩行よりもエネルギーを消耗する傾向があります。筋力低下や制御の難しさにより、歩行中に疲労が早く訪れることがあります。

これらの特性は、脳卒中後のリハビリテーションや運動療法において考慮され、患者の歩行機能の改善や安全性の向上に取り組まれます。

 

【歩行改善に向けてリズムは大切な要素】

脳卒中後の歩行機能改善におけるリズムの重要性は大きいです。以下にその理由をいくつか挙げます:

1.運動パターンの再学習

歩行は複雑な動作であり、リズムやパターンが重要です。脳卒中によって神経系が損傷されると、運動パターンが乱れ、正しい歩行が難しくなります。リズムを取り戻すことは、運動パターンの再学習に欠かせません。

2.筋肉の協調と効率性

歩行のリズムは、筋肉の協調や動作の効率性に直接影響します。リズミカルな歩行は、筋肉の収縮と緩和を効果的に調整し、身体の動きを円滑にすることができます。

3.バランスと安定性の向上

歩行のリズムを保つことは、バランスと安定性を向上させるのに役立ちます。リズムのある歩行は、身体の重心を安定させ、転倒やけがのリスクを減らすのに役立ちます。

4.自動化された動作の促進

歩行のリズムを取り戻すことは、動作の自動化を促進します。繰り返しの訓練によってリズミカルな歩行を身につけることで、歩行が習慣化され、意識的な制御を必要とせずに行うことができるようになります。

リズムの維持や改善は、脳卒中後のリハビリテーションや運動療法の重要な目標の一つです。適切なリズムの復活は、歩行機能の改善と日常生活の質の向上につながります。

 

【歩行の評価について】

理学療法における歩行の評価法には、様々な方法があります。以下に一般的な評価法のいくつかを紹介します:

1.観察

最も基本的な方法は、患者の歩行を直接観察することです。歩行中の姿勢、歩幅、ステップの長さや高さ、バランスの保持、動作の対称性などを観察します。

2.歩行速度の測定

歩行速度の測定は、歩行能力の客観的な指標として使用されます。これは、歩行速度計やタイムドウン・アップテスト(TUGテスト)などの道具を使用して行われます。

3.歩行パターンの評価

歩行中の足の動きや体幹の制御など、歩行パターンの詳細な評価が行われます。このためには、ゆっくりとした歩行、速い歩行、障害物を避けたり登ったりする動作など、様々な歩行テストが使用されます。

4.バランスの評価

歩行はバランスの取れた姿勢と動作に依存しているため、バランスの評価も重要です。バランステストや姿勢制御の評価が行われ、歩行時の安定性を評価します。

5.筋力と関節可動域の評価

歩行に必要な筋力や関節可動域の制限も、歩行評価の重要な要素です。筋力テストや関節可動域の測定が行われ、歩行能力に対する制約や改善の余地が評価されます。

これらの評価法を組み合わせて、患者の歩行能力やその障害の評価を行います。この評価結果に基づいて、適切なリハビリテーションプログラムが設計され、歩行機能の改善や日常生活への復帰が支援されます。

 

【歩行改善の自主トレ動画はこちら】

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