脳梗塞は、早く気付いてすぐ病院へ!早いと10年後が変わります!
今回は、脳梗塞は早く気づければ、気付いた方が5年後、10年後が変わる!
ということで、脳梗塞の初期症状について話をしていきます!
この初期症状に気付いて、早く病院へ行けば、脳梗塞の症状が少なかったり、4.5時間以内であれば、アルテプラーゼと言われる血栓融解薬が使えたりするので、5年後、10年後が変わります。
そうしますと、ご本人様はもちろんなのですが、ご家族の負担もだいぶ軽減されますし、医療費の負担も大分変わります。
ですので、早期発見、早期対処、予防がとても大切になってきますので、
今回は
①脳梗塞ってそもそもどんな病気?
②脳梗塞で気付いた方が良い初期症状とは?
③実際、脳梗塞になったら、どうしたら良い?
④脳梗塞の危険因子!予防には何が大事?
⑤脳梗塞後遺症になって、時間が経っても改善の余地はあります!
ということで話をしていきたいと思います!
【脳梗塞ってそもそも何?】
脳梗塞と言いますと、昔は脳出血のほうが多かったですが、最近は脳梗塞の方が増えてきています。
脳血管障害、脳卒中全体でいうと、111万5,000人、年間で亡くなられた方は6万2,122人になります。
介護が必要となるご病気の2位で、介護が必要になった方の2割が脳梗塞とかなりの人数の割合を占めています。
一昔前の日本の食卓は塩分が多いものが多く、最近では欧米の食事が入ってきて、脂質が多くなったことが理由だとされています。
脳梗塞は、大まかに分けますと、
1)アテローム型脳梗塞
2)心原性脳梗塞
3)ラクナ梗塞
に分けられます。
脳につながっている血管がありますが、この血管の中で、どこかが詰まってしまえば
その先の脳細胞がやられてしまい、脳梗塞が起きます。
脳は、手を動かすとか、感覚を司るとか、言葉を話すとか、
その場所によって、脳梗塞の症状は変わってきます。
では、1つずつ脳梗塞の説明していきますが、アテローム型脳梗塞は、
血管の中に、傷がついたり、炎症が起きたりすると、プラークと言われる粥状のものが何年、何十年経って出来上がり、そこに悪玉コレステロール、脂質などで、血管に栓が出来てきまい、その先の細胞が壊死してしまうわけです。
この時に太い血管がやられてしまえば、重い症状が出て、細い血管であれば、軽い症状が出ます。
ここで重要になってくるのが、一過性脳虚血発作と呼ばれる症状があります。
こちらは、一時的に血管が詰まって、その後、詰まった血管が何らかの理由で溶けるか、流れ出すことで、一時的に脳梗塞の症状が出ることです。
つまり、一時的に手足が動きにくくなったり、ろれつが回らなくなったり、感覚がおかしくなったりしますが、
その後に、すぐ戻るので、
「あれ?何か変だったけど、治ったからまぁいっか」
と見過ごされやすい状態になります。
ただ、ここでしっかり気付いて、病院に相談へ行くなり、後ほど話しますが、予防をしっかり行ったりすることで、将来が変わります!
話は戻りますが、
次に心原性脳梗塞についてです。
心原性と言っているくらいなので、心臓が原因で脳の血管が詰まります。
どういうことかと言いますと、心臓は一定のリズムで動いているわけですが、
不整脈と言われる一時的に心臓のリズムがズレてしまうと、
心臓の中の血液が滞るタイミングが出来てしまい、その時に血液の塊が心臓内に出来て、
次に心臓が動くタイミングで、血液の塊が、飛んで脳に行ってしまうと、脳の血管が詰まってしまい、脳梗塞を引き起こすというものです。
この場合ですと、心臓から回ってくるので、比較的大きな血管が詰まりやすくなってしまうので、重篤になりやすく、なおかつ、血液の塊が出来やすい体になっていることが多いので、再発率も高いそうです。
続いて、ラクナ梗塞についてです。
ラクナ梗塞というのは、ラクナ、ラテン語で小さなくぼみという意味なのですが、
脳の中の血管でも太い部分ではなく、血管の先の方の細い血管が詰まる脳梗塞です。
ラクナ梗塞の場合、詰まって細胞が壊死する範囲が狭いので、症状も軽度になることが多いです。
ただ危険なのは、多発性ラクナ梗塞と言われる状態で、細い血管とは言え、脳の様々な所で詰まってしまうと、血管性の認知症を引き起こす可能性があります。
1番多い認知症は、アルツハイマー型の認知症になりますが、次いで多いのが、血管性の認知症になります。
のちほど話しますが、多発的に脳梗塞になる場合、高血圧、糖尿病、高脂血症などが基礎疾患としてある場合が多いので、生活習慣病の予防が大切になります。
【脳梗塞で気付いた方が良い初期症状とは?】
まずは一貫して、これから説明する症状は、朝起きたら、突然出ていたとか、
何かの場面で突然症状が出てきたなど、
徐々に症状が出るのではなくて、いきなり出てくることがあります。
と言いますのも、脳血管障害というのは、徐々に脳梗塞になるのではなくて、血栓ができて、急に始まることが多いわけですから、突然の症状になりやすくなります。
見逃してはならない初期症状としましては、
1)顔のゆがみ
最初によくみられる初期症状としましては、顔のゆがみが出てきます。
よく評価で使われるのは、ニーと口角をあげてもらうと、左右同じくらい口角が上がると思います。
ただ、脳梗塞になってしまうと、片側のみ口角が上げにくい、もしくは、上がらない状態になります。
鏡を見て、ニーとしてもらって確認していくとよいと思います。
2)手足の力が入りにくくなる
次によく見られる初期症状としましては、手足が力が入りにくくなります。
まずは、手をグーパーグーパー・・・となるべく早く繰り返してもらいます。脳梗塞だと、片手が遅くなったり、早くできなかったりします。
他にも両手を前に出して、肩を90°くらいに保ちます。指を閉じていただいて、そして、目を閉じます。
何秒かして、目を開けて手を見たときに、脳梗塞の方だと、片方の手が下がっている方が見られます。
他にも勝手に手が曲がってきてしまったり、そこで保てず手が色々と動いてしまったりします。
3)言葉の障害
言語障害と言いますが、こちらは、単純にろれつが回らなくなるといった症状だけではなくて、言葉が出てきにくくなる、相手が何を言っているかわからなくなるなどの症状があります。
特に右半身の麻痺の場合、言語障害が起こりやすく、うまく会話ができにくくなります。
チェックとしましては、『パ・タ・カ』と言うということも行います。
脳梗塞になりますと、なかなかパタカが言いにくくなります。
4)感覚障害
こちらも、脳の感覚を司っているところが、損傷されると感覚障害が起こります。
なんとなく手がこわばるような気がするという方もいれば、
朝起きて、顔を洗った時に、お湯や水の感覚がいつもと違う、左右で違いがあるなどがあります。
あとは、突然しびれが出るという方もいらっしゃいます。
5)立っていられない
めまいなども出てくる場合もありますが、立っていられなくなったという方もよく聞きます。
平衡感覚を司る部分が損傷されて、ぐらぐらして立っていられなくなる場合、すぐに救急車が必要になります。
【実際、脳梗塞になったら、どうしたら良い?】
そんな時は、まだ大丈夫そう・・とか、こんなこといつでも起こるから・・
とか、年取ったんだからいろいろ出るよね。と耐えるのではなく、
これはまずい状態なのかも??救急車を呼ばないまでも、医療者にいったん電話で聞いて、どうしたらよいか確認してみよう!
と、早めに電話をかける。もしくは、ご家族に相談することをお勧めします。
〇脳梗塞に使われる血栓を溶かす薬は4時間半以内!
長時間血液が途絶えた状態であると、薬で血液の塊を溶かしたとしても、その溶かした後に血流が改善すると血管がかぶれて脳出血を併発してしまう可能性があるので、薬を使う判断が困難になることがあります。
また、長い期間、血流が滞っていると細胞が壊死してしまうので、薬を投与しても結果、症状が変わらない状態になってしまいます。
検査には1時間ほどかかりる場合がありますので、全体を考慮すると3時間以内のほうが良いというわけです。
ただ、3時間以内であれば、よいという話ではなく、脳梗塞や脳血管障害の場合、3分から脳の細胞の損傷が徐々に始まってくると言われています。
ですので、怪しいと思ったら、すぐに医療機関への相談をお勧めします。
【脳梗塞の危険因子!予防には何が大事?】
もちろん、脳梗塞にならなくてよいのであれば、ならないほうがよいわけです。
ですので、なるべく予防ということが大切になってきます。
こちらはこの疾患、もしくは習慣などがあると、脳血管障害になる可能性が高くなる因子になります。
①高血圧
②糖尿病
③脂質異常症
④飲酒・喫煙
一つずつ説明していくと
①高血圧は、血圧が高いと、血管に圧がかかってしまい、動脈硬化を進めたり、血管が傷ついてしまい、血栓ができやすくなります。
血圧の目標値は様々言われていますが、厳格降圧目標(平均133/76mmHg)の方が、標準降圧目標群(平均140/81mmHg)を比較した場合、やはり厳格降圧目標の方が血管に何かが起こる率が14%下がり、脳血管障害の率は22%減。特にもともと高血圧だった方は強く率が下がったそうです。
ただ、降圧剤で下げすぎてしまうのも、ほかの病気も併発しやすくなりますので、
運動や、塩分を控えめな食事というのが大切になります。
②糖尿病
糖尿病になりますと、血栓ができやすくなるということもあるのですが、様々なご病気も引き起こすやすくなります。
病院で行っているリハビリとしましては、食事療法を利用した血糖値の低下のため、減量を促し、血糖コントロールを行っていきます。1万人ほどの研究では、2型糖尿病の方では良質な食事、禁煙、運動療法を守った群と守らない群では心血管のご病気が抑制されたとそうです。
③脂質異常症
一般的には高コレステロール血症などになります。最近では、スタチンといった高脂血症のお薬が出ていますが、先ほど話したアテローム型の脳梗塞になりやすくなります。
アテロームができて狭くなった血管に脂質が詰まることでなるわけですね。
スタチンといった薬だけではなくて、脂分をとりすぎない、定期的に有酸素運動を行うなどがあります。
④喫煙・飲酒
飲酒に関しては、
出血性脳卒中(脳出血やくも膜下出血)の発生率と飲酒の量との間には正比例の関係があります。
ただ、脳梗塞の方では、発症率と飲酒量との相関は、きれいな正の相関ではなく、非飲酒者と比べて、少量の飲酒者では、脳梗塞の発生率は下がっており、多量飲酒者は発生率が上がっていたそうです。
少量の飲酒者は脳梗塞だけは、発生率は下がっているが、大量の飲酒者は脳梗塞、脳出血の発生率を上げてしまうので、避けることが勧められるわけです。
喫煙に関しては、
脳血流の関係について、従来から長期喫煙者においては非喫煙者と比較して脳血流量が低下していることが報告されてきました。
また、脳梗塞、脳出血の危険因子に加えて、健常例では加齢とともに局所脳血流量が低下してきますが、
加齢の要素にプラスして、喫煙者は非喫煙者と比較して 14% から 22% ほど、脳血流量が減少していたそうです。
喫煙者においては動脈硬化が非喫煙者よりも速く進行するため脳血流量が低下すると推測されており、動脈硬化のリスクも上がるそうです。
さらに、脳梗塞、脳出血の喫煙以外の危険因子がすでに存在し、そこに喫煙が加わると虚血性脳血管障害の発症率はさらに増加するので、
長期喫煙者は、かなり高リスクになるとされています。
【脳梗塞後遺症になって、時間が経っても改善の余地はあります!】
ただ、もしなったしまった場合、病院で入院して、リハビリをおこなっていくわけです。
医療保険を使ったリハビリを行っていき、150日、ないし180日経過したのち、医療保険が使えなくなるので、
介護保険を使ったリハビリを行っていきます。
今でもですが、脳梗塞の運動機能の改善は良くて1年でそれ以降は変わらない、症状固定と言われる場合があります。
ただ、当施設に来られた方で言えば、くも膜下出血で7年経過していても改善する余地がある方もいらっしゃいますし、数年前に脳腫瘍の手術をされた方で、病院で車いすが限度と思われていた方でも、ふらつきながらも走れるようになった方もいらっしゃいます。
もちろん、脳梗塞、脳出血前の状態に100%戻るとも言いませんし、機能改善に限界はないとまでは言いません。
ただ、改善の余地を見出していく事で、今よりも、やりたかったことができるようになったり、あきらめていたことができるようになる方もいらっしゃいます。
利用者様が、やりたいこと、何かに貢献したいけど、麻痺、高次脳機能障害があり億劫になっている方、全力でサポートしていきたいと考えています。
『あきらめない人の力になりたい!』
今日も頑張っていきます!!!
まずは電話問い合わせ、体験もお待ちしております!
随時、受け付けておりますのでお悩みをお聞かせください。
少しでもリハビリ難民を救いたい
責任をもって対応させていただきます。
理学療法士 鈴木