脳梗塞の退院後、疲れやすいのは普通?手術後の体力の整え方
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脳梗塞の退院後、疲れやすいのは普通?手術後の体力の整え方

退院後しばらくは疲れやすさが残ることがある
退院して少し落ち着いたはずなのに、疲れやすさが続く。会話をしたり、何かを考えたりすると、急に頭が重くなる。そんなことがあると、「このまま戻らないのでは」と不安になりやすいです。
さらに、今後の治療や手術の話が出てくると、考えることが一気に増えます。脳梗塞のあと、体調の波がある時期に「判断」まで背負うのは、しんどくて当たり前です。
この記事では、退院後しばらくの疲れやすさを一般論として整理し、休み方と負荷の調整で日常を崩しにくくしながら、次の相談につなげる準備をまとめます。結論を急ぐためではなく、本人と家族が同じ地図を持つための内容です。
疲れは「怠け」ではなく、回復の途中で起きることがある
退院後しばらくは、疲れやすさが目立つことがあります。これは「気合いが足りない」とか「怠けている」という話ではなく、回復の途中で起きることがある、と考えられています。
疲れは、体の疲れだけではありません。集中して話を聞く、言葉を選ぶ、段取りを考える。こうした頭の働きにもエネルギーが必要で、目に見えにくいぶん、周りから気づかれにくいことがあります。
良い日と悪い日の波が出ることがある
また、良い日と悪い日の波が出る場合もあります。昨日できたことが、今日はしんどい。そういう日があると「悪化したのでは」と考えやすいですが、必ずしも一方向に進むとは限りません。大切なのは、波がある前提で生活の形を整えることです。
体の疲れ/集中の疲れ/気持ちの疲れ
疲れを減らすには、まず「どのタイプが強いか」を分けるのが役に立ちます。全部を一度に解決しようとすると、やることが増えてしまい、かえってしんどくなる場合があります。
体の疲れは、動いたあとにどっと来るタイプです。歩いた、家事をした、外出をした後に、回復に時間がかかる感じが出ます。
会話や集中で疲れが出るときのサイン
集中の疲れは、会話や考えごとで出やすいタイプです。話を聞いている途中でぼんやりする、言葉がまとまりにくくなる、急にイライラする、音や人混みで消耗する。こうしたサインがある場合、本人は「頑張れば何とかなる」と無理をしやすいです。ですが、頑張り続けるほど回復に時間がかかることもあります。
気持ちの疲れは、不安や緊張が続くことで起きやすい疲れです。手術や今後の治療の話があると、考えが止まらなくなったり、眠りが浅くなったりします。気持ちの疲れは、体の疲れや集中の疲れと混ざりやすいのも特徴です。
「頑張りどころ」と「休みどころ」を分ける
ここでのポイントは、「頑張りどころ」と「休みどころ」を分けることです。全部を頑張るのではなく、休むことで次が回りやすくなる場面を増やします。
先に休む・小さく区切る・回復しやすい1日の形
先に休む
疲れやすさがある時期の休み方は、「疲れ切ってから休む」より「疲れ切る前に止める」が基本になります。これはサボる話ではなく、回復の速度を落としにくくする工夫です。
先に休む、というのは、しんどくなってからではなく、予定の合間に短い休憩を先に入れる考え方です。例えば、会話や書類、外出の前後に、少し静かな時間を置く。これだけで、波が大きくなりにくいことがあります。
小さく区切る
小さく区切る、というのは、用事をまとめすぎないことです。退院後は「まとめて片づけたい」気持ちが出やすいですが、まとめるほど反動が来やすくなります。今日はここまで、と区切りを作る方が、結果的に続けやすい場合があります。
回復しやすい1日の形を作るには、まず「疲れが出やすい時間帯」を知ることが近道です。午前に集中が落ちるのか、夕方にどっと来るのか。時間帯が分かると、その前に休憩を入れやすくなります。家族も、本人に「今やろう」と背中を押すより、「このあと休める?」と確認しやすくなります。
安全を守りつつ、負担が増えすぎない増やし方
退院後しばらくは、「動かないでいる」と「無理に増やす」の両極端になりがちです。現実的には、その間の調整が大切です。
まずは安全と環境の調整
まずは安全と環境の調整から始めます。転びやすい場所、急いでしまう動線、夜間の移動など、危険が増えやすい場面を減らします。ここは運動の話というより、生活の設計です。安全が整うと、本人も家族も「試せる範囲」を作りやすくなります。
増やすのは量より「続けられる形」
増やすときは、量より「続けられる形」を優先します。今日は頑張れた、でも翌日は寝込んだ。これが続くと不安が強くなります。頑張りの上限を上げるより、反動を小さくする工夫の方が、日常を崩しにくいです。
家族の関わりも大事です。励ましが強すぎると、本人は無理をしやすくなります。一方で、手伝いすぎると、できる部分が減ってしまう場合があります。危ないところだけ見守る、必要なところだけ支える。こうした線引きが、負担の調整に繋がります。
疲れの記録と伝え方
これからの治療や手術の話があるとき、不安が強いほど「何を聞けばいいか分からない」状態になりやすいです。そこで、相談の前に準備できることを、少しだけ持っていくと話が進みやすくなる場合があります。
ポイントは、医学的に詳しい説明を用意することではありません。生活の中で何が起きているかを、短く具体に伝えることです。
何を伝えると話が進みやすいか
- どんな場面で疲れるか(会話のあと/人が多い場所/説明を聞いたあと など)
- 疲れが出たときに何が起きるか(頭が回らない/言葉が出にくい/強く眠くなる など)
- 回復にどれくらいかかる感じか(少し休むと戻る/翌日まで残る など)
この3点だけでも、相談の土台になります。
励ましすぎない・手伝いすぎない線引き
家族が同席する場合は、本人の代わりに話しすぎないのがコツです。家族は、本人が言いづらい部分を補う役に回り、本人の感覚を主役にすると、説明がずれにくくなります。「何が一番困る?」を先に決めておくと、相談が散らばりにくいです。
受診・相談の線引きと、横浜市での相談先
最後に、迷いを減らすための線引きを置きます。大切なのは、自己判断で先延ばしに寄りすぎないことと、怖さを上げすぎないことの両方です。
急ぐ変化(迷う場合も含めて早めに相談)
急ぐ変化の例としては、急に片側の手足が動かしにくい、言葉が出にくい、急に見えにくい、強いめまいで立てない、これまでにない強い頭痛、意識がはっきりしない、といった変化があります。こうした症状があるときは、迷う場合も含めて早めに医療機関へ相談してください。
急がないが相談したい困りごと(生活や疲れの相談)
一方で、急がないが相談したい困りごともあります。会話や集中で疲れが強くて生活が回りにくい、予定を入れると反動が大きい、家族の負担が増えて限界に近い、不安が続いて眠りが浅い日が増えた。こうした場合も、早めに相談して調整した方が負担が減ることがあります。
相談先の選び方:主治医外来/地域の窓口/リハの相談
相談先は目的で分けると整理しやすいです。まずは主治医外来で「今困っていること」と「今後の治療の説明で分からない点」を短く伝える。生活の調整や支援の入口が分かりにくいときは、地域の窓口が役に立つことがあります。横浜市で退院後の生活やリハビリの相談を考えるときも、困りごとを一つに絞って相談すると進みやすいです。
📢 迷ったら、まず相談を
「これって脳梗塞かも…?」と感じたら受診のサインです。症状が突然・いつもと違うなら、ためらわず119番を。退院後のリハビリや在宅支援のご相談は、地域の医療機関・保健所・ケアマネジャーにお問い合わせください。
🗂 よくある質問
🔗 参考サイト
- 厚生労働省:脳卒中の治療と仕事の両立 お役立ちノート(PDF)
- AHA/ASA:成人の脳卒中リハビリテーション指針(2016)
- AHA/ASA:Poststroke Depression 科学声明(2017)
- WHO:Rehabilitation 2030 initiative









